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第五刀『癖の強い者たち』

「無事!ゴーレム討伐&修繕費問題解決を祝して……かんぱーい!」


がちん、とグラスのぶつかる音が響く。

今回の結果はゴーレム12体=金貨600枚。

これを二人で割って300枚。

目標は金貨100枚だったので、お釣りがくる大勝利だった。


「すごいわね〜スワードくん。これで小金持ちね!」


「はい。スワードさん、小金持ちへランクアップです」


「褒めてるようで貶してないかそれ」


リレイとギルドマスターに煽られながらも、ローストチキンにかぶりつく。

うめぇ……!

味がしっかりついてる、お肉はぷりぷり、パンと一緒に食べる手が止まらない……!!


「いい食べっぷり!若い子はいいねぇ」


「あの……お言葉ですがオリネさん、スワードさんの倍の量を平らげてます」


「まじ?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


こうして夕食を終え、後片付けを手伝って俺は自分の部屋に帰った。

ベットに腰掛け、壊れかけの剣を見る。


「ん〜。どーしよっかな……」


定番は鍛冶屋に行き、少し高いがオーダーメイドで剣を作ってもらう。

が、材料は自分で調達。

いやまあ……うーん。


「……ん」


ふと、天井を見上げる。

当たり前だが何もないし、何もいない。

また剣に視線を戻して……。



目の前に見知らぬ女性がいた。

水色の長髪で、フリルのついた白いドレスを着ている。


「や。こんな夜だけどこんばんわ」


俺はすぐベットから飛び起きて、戦闘体制をとった。

当たり前だが。不法侵入をかますような奴に碌な奴はいない。

睨み合うこと数秒。


「そんな警戒しなくてもいいのに……まいいや、私は君を導く者。耳寄りな情報を持ってきただけのただのスーパー美少女さ!」


くるり、と一回転。

蠱惑的な表情で俺に笑いかけてくる。

……いや怪しすぎるだろ!?


「あんた誰なんだよ」


「私は君を導く者……それ以上になるのは、まだ早いよ?」


なんか頬を赤めて照れ始めた。

本当なんなんだ。


「……そろそろ時間制限だ、君に伝えておこう。君の抜刀に耐えられる武器はC級ダンジョン『暴物領域』のボス部屋、そこの隠し通路を行った先にある」


「抜刀に耐えれる武器!?」


「うん、いいリアクション。隠し通路にはこの鍵を使えばいいから」


ぽい、と投げ渡されたのは小さな鍵。

少し錆びている。


「時間だ。じゃあね、◾️◾️の君。……おっと、聞こえなくされてしまった。まあいいか、元気でね」


名も名乗らなかった彼女はバイバーイ、と手を振って泡のように消えた。

部屋にはポツンと残された俺一人。

手には鍵が握られている。


「C級ダンジョン……か」


ダンジョンは、クエストとはまた違った形式の冒険である。

クエストはゴーレムの時みたいにAランクを連れていけば大体のクエストに参加できるが、ダンジョンは入る人全員がそのダンジョンの級に達していなければ受けられない。


「……うーん、受けるか。C級昇格クエスト」


自分のランクアップにも繋がるし。

とりあえず彼女のことは忘れて、明日は新しい剣を買いにゆこう……。

そう思いながら、俺は眠りについた。




「おーす!おはよーござい飯!」


「オリネさん、めんどくさいからって下手に略さないでください」


早朝。

ささっと朝食を済ませ、いざ鍛冶屋……いや武器屋?

とりあえず向かう。


「そうだ、おすすめの鍛冶屋……もしくは武器屋ってある?」


「私はあまり武器を買わないので……オリネさん何かありますか?」


「うーん……なら『剣の山』かな。スワードくんてさ、剣主体でしょ。やっぱ専門店に行った方がいいとお姉さん思う」


「なぜ今更お姉さんアピールを?」


「はみ出したいお年頃なの」


……まあ最後の二行は置いておいて。

とりあえずオリネちゃんからもらった地図をもとに、ぼちぼち歩いてゆく。

ここ右でー、また右、今度は左……。


ついた。

看板に乱雑な文字で『剣の山』と書かれた店。

工房と一体化しているようでなかなかに大きい。


「お邪魔しまーす……」


店内に入ると、誰もいない。

しかしそこらかしこに、素人目でも出来のいいものだとわかる剣がたくさんおいてある。

ナイフとかは銀貨でも買える値段だ……。


「ん。客か?悪いな、すぐに対応してやれなくて」


店の奥から、明るい感じの男の人が出てきた。

それを体現するかのように橙色の髪をしていて、赤色の着物を着ている。


「いえ、おかまいなく」


会釈をして、剣の見定めに思考を費やす。

すぐ壊れてしまうかもだから、あんまり高い剣は買いたくない。


「なーに悩んでんだ、見たとこ冒険初心者って感じだろう。それなら、こういうのはどうだい?」


彼はそこにあるショートソードをとり、俺に手渡してくる。

鞘から抜くと、白にも近い輝きを放つ刃が顕になった。

……確かに切れ味は凄そうだ。

でも直感だが、これじゃ耐えられない……。


「……すみません、実は」


「あん?」


藁にも縋る思いで、抜刀術のことを話す。

ついでに抜刀後の剣も見せた。


「たった二振りで剣がこんなにぃ!?何なんだよお前の技は……」


「いやー、俺にもわかんないんです」


「ん……じゃあ俺に抜刀術ってのを見せてくれるか?」


ということで店外。

失敗作としてもらった剣をもち、木製の練習用人形に向かい合っている。


「コイツはBランクの剣士様でも切れなかった人形だ!なんか魔術的な仕掛けがあるらしくてな。何体かいるから試し切りするときに使ってる」


「……じゃあ、行きます」


ひねり。

上に切り上げるイメージ。

思い描いた軌道に載せて、剣を運ぶ!


「抜刀」


“ザン“という音がして、人形は袈裟斬りになった。

さらに、人形の後ろの大地が左上がりに抉れている。


「……何だ、こりゃ」


後ろで見ていた橙色の彼は、口をあんぐりと開けて驚いていた。




「あれはヤバい……ってなわけでだ。あれに耐えれるのはこれしかねぇかなってことで……よいしょっと」


倉庫から彼が持ってきたのは、一本の細長い曲がった剣。

ただ、不思議と馴染む気がする。


「こいつは黒刀ってんだ。お前さんの抜刀に合うだろうと思った。耐えられるのはせいぜい4・5回ってとこかな……長くはもたねぇが、まあそん時はまた買いにきてくれよ」


めっちゃかっこいい。

即決、金貨50枚で購入した。 

……金銭感覚が少し破綻している気がするが、Cランクに受かれば色々なダンジョンでお金が稼げるため、投資だと思うことにしよう。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ということで、Cランク昇格クエスト。

Cランクの人が一人来て、俺たちを判断しランクを上げるかどうか審査するクエストである。

集合場所(酒場)に集まると、俺の他に二人集まっていた。


「こんにちは」


「こんちわ。あんたもCランク昇格クエにきたの?」


片方の女の人に話しかけられる。

これは……ダウナー系だ!


「ああ、そうなんだけど……集合場所ってここでいいんだよね?」


もう片方の男の人に聞いてみた。


「うん!大丈夫さ(にかっ)」


光がすごい。これは……聖◯士系だ!

……なんか、性格が真逆な男女が集まっているのはとても不思議な感じがする。


少し彼らと打ち解けること数分。

いきなり酒場がザワザワし出した。

そのざわめきはだんだん近づいてきて……俺たちの前で止まる。


「お前らが、今回の受験者か。だりー、全員合格でよくないか?こういうのは怪我しても自己責任だろ、妹よ」


「いいえ、お兄さま。この試験はとっても大切なことです。死傷者を出さないための大事なクエストなんですから」


こっちも正反対かよ!?

というかさっきから、このざわめきは何だよ!?

隣の男の人に聞いてみる。


「え、ねえなんでこんなざわついてんの……」


「えっ、君、知らないのかい!?この方たちはAランク最強『流星の双子』アルファ・ルベートさんと、ベータ・ルベートさんだぞ!?」


は……Aランク最強ゥ!?

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