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●108

 次の日の朝。ぼくは船橋さんに今日限りで仕事を辞める旨を伝えた。


「え? どうしたの、そんな急に。困るよ」彼は目を丸くした。


「実は実家の母親が体調を崩したんです。命に別状はないんですが、人手が足りなくなってしまったので、手伝いに帰らないといけなくて」とぼくは説明した。


「うーん、困るなあ。せめて一か月前には言ってくれないと、こっちも予定を組んでしまってるからね」


 ぼくは申し訳ないと頭を下げた。


「でも仕方ないか。べつに相沢くんが悪いわけじゃないもんね。だれにだってやむにやまれぬ事情はあるよ」船橋さんはころっと態度を変えた。「お母さんの体調はそんなに悪いの? なにかの病気?」


「病気と言うよりは症状と言ったほうが正しいのかもしれません。むかしからあまり体が強くなかったんです」


「実家に帰るってことは熱海を離れちゃうんだ。相沢くんの実家ってどこにあるの?」


「長崎です」


「家の手伝いってことは、農業か商売でもやってるのかな?」


「うちはぼくが生まれたときからゴーヤーチャンプルー屋なんです」


 ぼくはこの話が気に入った。

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