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揺蕩う少女の想い



『ミニーに乗って、わたしは大気のように軽々と、お家まで翔けていった。そしてわたしは次の日の朝まで夢を見ていた。ワザリング・ハイツと、あの愛おしくて、ひとときも目を離せていられない、いとこの夢を』





『ならおれに触らなきゃいいだろっ!』彼はキャシーお嬢様の視線を追い、つかまれた手を振りほどいて言いました。『おれはおれがそうしたい分だけ汚いままでいるんだ。おれは汚いのが好きなんだ。これから先もずっと汚いままでいてやる』





『ああ、体が燃えてるみたい! 屋敷の外に出られたら! もう一度、あの頃の女の子に戻りたい。野性的で、ずぶとくて、自由で・・・。傷つけられても、いちいち仕かえししたいとも思わないで、ただ笑っていられるの! どうしてわたしはこんなにも変わってしまったんだろう? どうしてちょっとした言葉なんかで、血が燃え(たぎ)るようにざわつくんだろう? わたしにはわかってる。ひとたびヒースの丘に身を置けば、わたしはわたしを取り戻せるの。もう一度、窓を大きく開けてよ! 開けたまま留めて! はやく、どうして動かないの?』





『ぼくには遠すぎるよ』キャシーのいとこはぶつぶつと言いました。『四マイルも歩くなんて、ぼく死んじゃうよ。いいや、キャサリンさん、あなたが時々こっちへおいでよ。毎朝じゃなくていい。週に一度か二度でいいんだ』





『いんや! それじゃあおまえさん、これから一生、毎日毎日、おれのことを恥ずかしく思うだろ』とヘアトンはこたえました。『もっともっと、おれのことを知れば知るほどな。そんなのは我慢ならねえ』





 こんにちは。お元気ですか? こちらは地球と呼ばれる青い星です。青い部分は星を覆う大きな大きな水たまりです。それを海と呼びます。わたしたちは海のなかでは生きていけません。わたしたちは大地の上に立って日々を過ごします。大地とは、土や岩でできた、海以外の地表のことです。そちらからはわたしたちが見えますか? 大地の上で、手と手を取りあい、手を振っています。あなたたちにも見えるように、できるだけ大きく、千切れんばかりに・・・・。

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