5話:事情(嘘)を話す
「えっ!?ギルドに登録してすぐクエストをやるんですか?それじゃ流石に死ぬんじゃないんですか?なにせFランクなんですから。」
受付嬢は俺がすぐクエストを頼んだことに驚いていた。
なぜ?俺はそう思ってしまった。そしてすぐ理解した。はず。
「Fランクだからすぐクエストをやったら駄目なのか?」
俺は受付嬢に聞いた。
「いや、一応駄目じゃないんですよね。でも冒険者なりたての人はまず、半年ほど修行を積んでここに来るんですよね。だから強さはまぁまぁあるんですよ。でもあなたは修行も何もしないでクエストを依頼してるんですから死にに行っているもんじゃないですか。」
「確かにそうだな。でも、俺には事情があってやらないといけないんだ。」
「その事情とは?」
俺はその質問を答えるか迷った。なにせ回答が「金がない」だからだ。そしてその回答をして、受付嬢の反応がきっと「えっ?」になる。だから答えるのに迷った。が、結果は言うことにした。でも別の理由で。
「俺の家庭が貧乏でな。とても金がいるんだ。だけど俺の家はここから数十キロも離れている。だから一番家族で若い俺が金を稼ぎに来たんだ。でも金を稼ぐ方法がなかなか見つからなくて、仕方無く冒険者ギルドに登録して金を稼ごうと思ったんだ。だから頼む!今からクエストを受けさせてくれ!」
俺は頭を下げ、受付嬢に頼んだ。
「仕方ないですね。そんな事情を聞かされたら断るわけにはいきません。では、クエストの説明を今からさせてもらいます。」
受付嬢はそう言って俺の手を引っ張り、奥の部屋に連れて行った。そして部屋に入ると受付嬢は俺の手を放し、受付に戻った。
そして俺は椅子の方に眼を向けるとそこには紅茶が入ったカップを片手に持ち、紅茶を飲んでいる女性がいた。そしてカップをテーブルに置き、俺の方に歩いてきてその後・・・。
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