77話 シリアス展開は突然に?
小説キーワードに微シリアスとか書いてますが、ガチシリアスです。笑える要素ひとつも無いかも。なにがコメディじゃい、ってなるかも。
あ、撫子視点です。
今日は土曜日、学校は休み…と言っても私は義兄と一緒にオンライン授業を受けているから学校に行くのは定期試験の日くらい。
「ねぇ、イサギっち」
「んー?どったん?」
なにその話し方、初めて聞いた。また新しい一面?でも良い機会だし、今まで聞きたかったことを聞いてみよう。
「イサギっちってさ、何個キャラを持ってるの?」
「なんだ?そのキャラってのは。オンラインゲームの話か?」
「違うよ!イサギっちの性格っていうか、取り繕ってる顔の話!」
「あー、なんだ、取り繕ってるってバレてたのか」
バレバレだよ…てか、取り繕ってる自覚あったんだ…天然は自然体ってことなのかな…
「体育祭のリレーの時、両手使ってたじゃん?両手首、怪我してるんじゃなかったの?」
「…は?」
その刹那、背中に悪寒が走った。命の危機を感じた、といえば少し大袈裟かもしれない。けれど、立ち上がれないくらいの恐怖を感じた。イサギっち…なんて幼稚な呼び方をしてはならない、と本能が叫んでいる…
「…ふぅ、そういえばあの場にいた全員に見られてたか」
案外怒っていない…?さっきのはいったい…?
「仕方ない、撫子にタネ明かしをするか。他言無用だぞ?」
恐怖の反動で声が出ない。代わりに唾液をのんで意志を示した。
「じゃーん!なんとこれ、プリントシールでしたー!」
えっ?どういうこと?シールって?あんなに生々しいリアルな傷のシールがあるの?と思ったけれど今や特殊メイクで傷痕にみせることが出来る時代。あるのかもしれない。それにしても…
「右手首も左手首もプリントシールでした!だから最初から傷なんてありませーん!」
「…っっっ!!ふざけんなっ!!」
―バチンッ
「あっ…!」
右の掌が熱を持つ感覚がある。私はイサギっちの頬を叩いてしまった。今まで心配していたのが馬鹿らしくなって…さっきの恐怖感も薄れて…
「私がどれだけ心配してると思ってるの!?」
「………」
私が叩いたあとずっと俯いてる…まさか寝てるなんてことないよね…さすがに、ね。
「…わりぃ、ちょっと家空けるわ…」
「えっ…?」
「何かあったら実家に連絡してくれ」
「ちょっ…イサギっち…!待ってよ!」
やだ…行かないで…行かないでよ…置いていかないで…
「帰ってきてよ…お義兄ちゃん…」
その日、義兄が家に帰ることはなかった。
なぜあんなに多彩なキャラクターを作って生きているのか…
ここからイサギの過去に迫ります。
21時投稿します。次話も撫子視点です。




