66話 主人公といえば必殺技!ラブコメにも必殺技が必要だッ!
「やるってんなら相手になるぜ…」
『ほう?ようやく本気が見れるということか?』
「弟がな!」
「ざけんな、愚兄、撃つぞ」
2階のギャラリーから殺気がダダ漏れだったため潔は零の存在に気づいていた。
「えーっ、やってくんないの?もー、俺、ねむーい。目疲れた!帰ってラノベ読みたい!」
「ラノベ読む気力あるなら目疲れてないだろ」
「潔くん、ちょっとかわいい…」
「あ、愛!さっき、お母様に会ったぞ〜」
「え!なにか失礼なことをしませんでしたか?」
「いや、それはなかったけど、言葉のひとつひとつが意味深すぎる…お前、家でどんな話してるんだ?お母様が変な期待をしてたぞ…あの人、ちょっとこわい…」
ブルッと背中に悪寒が走った(気がした)。
『雑談やめーい!!』
「えっ、なんで?」
『まだ、こちらを片付けていないだろう!』
「は?もう終わってるぞ?」
『目が疲れて見えなくなってしまったか、バカが。さっさとやっちまえ!』
威勢よく叫んだものの誰も前に出ることはなくグズマが振り返ると残党は全員倒れていた。
『っっっ!?』
「俺、ざまぁ系はあまり好きじゃないけど、敵の度肝を抜くのは結構好きなんだよね。だってこの後こう言うでしょ?」
「『いつの間に…!?』ってね」
『馬鹿に……するなぁぁぁぁぁ!!!!』
グズマは一直線に殴り掛かってきた。
「俺がどうして煽るか理解してもらえなかったようで残念だ。煽れば人は怒りという感情に振り回され思考が一定化する。煽る方は楽天的なんだからあとは簡単。そこを叩くだけってワケ」
『死ねぇぇぇぇぇ!!!!』
「喰らえ!!せいけん突き!!」
グズマが振りかぶった隙をついて懐に潜り込んだ。そして潔の渾身の一撃が腹を抉った。
―ドサッ
「ふっふーん!どうだ!俺のオリジナル奥義は!」
「あ、あのー、疚無くん、正拳突きなら昔からあるわよ?」
「チッチッチ、甘いな、梅ちゃん」
担任をちゃん付けで呼んだ挙句、小馬鹿にするかのように指を振った。
「う、梅ちゃん?」
「俺は人の技をパクッたりしない!これは俺の完全オリジナル!漢字で書くとわかるさ!」
担任の胸ポケットに入っていたペンを拝借して自分の体操着にデカデカと書いた。
《成犬突き》と。
「別名!プリチーでキューティーな完全オリジナル!」
グッと親指を立ててニカッと白い歯を見せてドヤっとしていたが教師陣は今までの潔のキャラと思い出し、記憶と照らし合わせて混乱したのか頭を抱えていた。
「…梅ノ木先輩、疚無くんって成績良いのにちょっと変わってますね」
「そうね…」
イヌの肉球ってカチカチだし臭うしパンチされるとわりと痛いからネコパンチより威力ありそう。
次話4時です。




