59話 真の「くっころ」が見えました
なるべくかっこよく書いたから許して…
『本来計画されていなかったプログラムが行われてしまい、特定の生徒のみに負担をかけてしまったことを謝罪します。申し訳ありませんでした』
百合、紅花、撫子と光の4人と日陰でワイワイ雑談していたら突然謝罪のアナウンスが流れた。
「まぁ、今回のことは仕方ないし、謝られてもな」
「仕方ないことなの?」
この4人の中で唯一光だけがわからなかったようだ。
「すぐにわかるよ」
―ザザッ…
マイクからノイズが掠れて聴こえ背中に悪寒が走る。
『疚無 潔!日出草 撫子!両名はグラウンドの中央に出ろ。さもなくば生徒を1人ずつ殺す』
「ほら来たぞ」
「百合さん、生徒の避難誘導は任せます。俺は久々に行ってきます」
潔は覚悟を決めた眼をして百合にお願いした。百合は想定していたかのようにすぐに承諾した。
「わかった。ヒカルちゃんと紅花さんはこっちへ。ヒカルちゃんは生徒会だったよね?率先して避難誘導をして。私は整理できてない子を優先的に連れてくるから」
「わ、わかりました。生徒会にも連絡します!疚無くん!お気をつけて!」
「わーってるよ、光」
潔は振り向かずに後ろへサムズアップしてカッコつけ、撫子と共にグラウンドの中央へ向かった。
「撫子、ここがお前の人生の分水嶺だ。邪魔者は全部片付けてやる。その後はお前が決めるんだ」
「うん、わかってる。イサギっちが今日この時のために用意してくれた時間、無駄にしないから。あと分水嶺って言いたいだけだよね?」
「…バレたか」
「よう!来てやったぜ!ヤンキー拗らせニキ!直接の対面は初めてか?」
『口の減らないガキだな…そんなに煽っていいのか?女子供が死ぬぞ?』
潔はテロリストもといヤンキー拗らせ(以下略)に対してニヤリと笑みを浮かべ煽り返す。
「そんなに煽っていいのか?お前ら…狙撃されるぞ?」
『ハッタリなら効かないぜ…っ!?』
―パシュッパシュッ
人の耳に微かに聞こえるかどうかの音が空を裂き、主犯格と思われる男の取り巻き2人に小さな矢のようなものが当たる。
『なっ…!?これは…吹き矢…!?』
「ここで自己紹介の時間だ!今、吹き矢を放ったのは疚無家の三男、シノビのゼロだ!」
ひゅーひゅーとどこかから指笛が聞こえる。煽りすぎである。
『くっ…!おい!そこの女を殺せ!』
(なにっ…!?これが伝説の「くっころ」…!?)
「キャー!ヤメテー!」
女子生徒が暴漢2人に襲われそうになっている!が、見事な棒読みセリフである。どこの大根役者かと目を向けると、いつぞやの泣き虫先輩…
「おい、ふざけてねーでさっさと斬れ」
「師匠、すみません!こういうのは雰囲気が大事だと教本に書いてありましたもので!」
「教科書と書いてラノベと呼んでいいのは潔だけだぞ」
(やめろ!全校生徒と一般人とテロリストの前でバラすな!ちょっと恥ずかしい!)
まさかテロリストに襲撃されたタイミングでトンデモ黒歴史をバラされるとは思わなかったが、黒理 栄狐先輩と潔の兄である海の師弟コンビがコントしてる間にいつの間にか暴漢2人を斬っていた。正確に言うと木刀で殴っていた。
『なんだ!こいつら!つえぇ!ふざけた強さだ!おい!前情報にはなかっただろ!』
『す、すいません、丹治さん』
テロリストが内輪揉めをおこしているようだ。
(このまま仲間割れして帰ってほしい…)
「フォックス、まだまだいけそうか?」
「はっ、師匠!ひとっこ、1人斬ったくらいではこの疼きは止められませぬ!」
なぜ兄のもとで修行するだけでその口調になってしまうのか。なぜ弟はあの口調なのか。長年の悩みが密かに解決に向かっていた。
(この時代劇風の話し方はバカ兄貴の影響だな)
「ところでフォックスってなに?」
「ん?だって、コイツの名前、栄狐じゃん?じゃあ、フォックスで良くない?」
「接続語を間違っているような気がするが、めんどくさいからツッコまないぞ」
(なるほど、厨二病は代々伝わるものだったらしい)
かっこよさや面白さが伝わったら何かしらアクションくれると泣いて喜びます。
いつも読んでくれてありがとうございます!!!!!
次話12時更新です!
※次話はグロ効果音がちょっぴりあります。苦手な方は気をつけてください。




