58話 俺の勇姿を見てくれた人はいないってのか!?
タイトルの答え.いません
男子の持久走は元々プログラムされていなかったものだった…と副会長である光から聞いた時、潔は驚かなかった。体力に自信がないという情報がうまく伝わっていなかった、もしくは何者かの手によって意図的に仕組まれたということは想定範囲内だった。主人公ムーブによる体力の消費は想定外だったが。
「つまり、プログラムを悪用した輩が校内にいると?」
「その可能性がないとは言い切れません」
(大方、俺の態度や存在が気に食わない生徒だろうな。テロリスト側についたか)
耳につけているインカムに手をあてて兄弟と通信をとる。
「おい、俺の勇姿見たか?」
「「すまん、見てない」」
「おい」
(見てないんかい)
「男子持久走が仕組まれたプログラムらしいが調査は終わったのか?」
「今、そちらに向かっている」
(弟は一生俺の質問に答えてくれないんだろうな…)
「あ、いたいた。愚兄」
「おぉ、愚弟…その人は?」
「それでは、僕…いや拙者はこれにて」
ドロンという効果音が聞こえてきそうな煙玉付きの演出で零は消え去った。
(わざと目立たせるムーブしてるのか、こいつは…)
「あらあら、あなたが潔くん?私は明石 紅花。愛の母です」
「愛の親御さん!?お見苦しいところをお見せしました。疚無 潔と申します」
「あらまぁ、あなたが疚無家の…ということは零くんも?」
「そうなりますね」
「疚無家の方にはいつもお世話になっていますので、直接挨拶できて嬉しいですわ」
「はっはっは…なんのことやら、さっぱり…」
「あら、潔くんはご存知ないのね。零くんは分かってたみたいだけど…」
「ははは…零はその歳で裏側の人間なので…本当は俺の仕事なんですけど、この高校に入る前にバカやっちゃって、押し付けてしまったんですよ…」
「あらあら、そうなの。大変だったのね」
「だから、俺は裏5割、表5割って感じです」
(実際は裏2割、表8割でスローライフ&スクールライフを堪能してるんだけども…)
「それでも大したものだわぁ。何か私たちに出来ることがあったらいつでも言いなさいね。頑張るからねぇ」
「愛がこれからも気にせず俺と接してくれたらそれで充分です」
「ふふふ、愛から聞いてたけど良い子ねぇ」
「うっ、家でいったいどんな話を…気になる…」
「ふふふふふ、他愛もない話しかしてないわよぉ」
(さっきから目が笑ってないんだよなぁ、この和服美人)
「あら?潔くんじゃない?」
「こ、この声は…百合さん!?どうしてここに!?」
「イサギっち〜、このJDとどんな関係?」
「あら、ギャル子ちゃん、JDだなんて嬉しいわ。私もまだまだいけるかしら」
「撫子、このJDに見える人妻…いや未亡人は水野 百合さん。白根の母親だ」
「えええええ!?わかすぎるでしょ!!!」
「まぁ、驚くのも無理はないと思うんだけど…」
「無事入学できたみたいね。入学前は白根が迷惑かけたわね」
「いや、うーん、まぁ、そう…ですか?」
「なんで君が疑問形なのかしら?最近また迷惑かけてて勇が直接禁止令を下したって聞いたけど…いつも悪いわね」
「百合さんのせいじゃないでしょ。白根の面倒を見るのは師匠との約束ですから」
「イサギっち、師匠って?」
「師匠は白根の父さんのことだよ。俺の恩師だよ。もういないけどな」
「ところで、潔くん、この金髪ギャルは恋人なのかな?」
「まっさかー、俺のタイプ知ってて言ってます?」
「え!?イサギっちに好きな女子のタイプあったの!?」
「あるに決まってんだろ。何言ってるんだよ…」
「さすがに言えないけどね。まぁ強いて言うなら…」
「強いて言うなら…」
百合と潔は同時に撫子を見てハモる。
「「潔くんは(俺は)一目惚れした女がタイプ」」
「「これに限る!!」」
「えっと、どういうこと?」
「ギャル子ちゃんは鈍いなぁ。そんなんだから潔くんに逃げられちゃうんだよ?」
「いや、百合さん、俺は逃げてないから。むしろ受け止めた上で撫子を傍に置いてるんだから」
「あら?そうなの?ということは疚無家の人間になったってこと?」
「正確に言うとまもなくです」
「なるほど。わからん」
「わからんのかい」
思わずずっこけてしまった。
視点がちょいちょい変わってて読みづらかったらすみません。
正直60話以降が自信作でしゅ…...(lll-ω-)チーン




