閑話⑬ 潔と葵と愛
過去一長いです。
俺は玄関で愛と葵を待っていた。女子の着替え…というか準備には時間がかかるというのは家で撫子と暮らしているのでわかっていたことだ。今日は半日で学校が終わり部活動をする生徒も多くないと聞いたのだが、更衣室は混んでいるのだろうか。試しに見に行ってみようかな。ラッキースケベを狙えるかもしれない。いや自ら行ったら故意スケベだな。やめとこう。ああいうのはラッキーだからいいのだ、故意にやってもつまらない…
「潔くん!準備出来ましたよ!」
くどくどとくだらないことを心の中で呟いていたら愛が体育着姿で玄関に来た。
「愛、意外と早かったな。葵は?」
「葵ちゃんはもう少しかかるみたいです…と、ところで!」
「ん?」
「似合い…ますか…?」
ぶっちゃけ似合う。音女高校の体育着は全体的に紺色で襟だけ学年がわかるように色がついている。1年生は緑、2年生は赤、3年生は黄となっている。ちなみに勝手に色を変えるのはいくら自由が魅力の音女高校でもアウトである。襟の色を変えて何がしたいのかイマイチ理解し難いが。
「め、めっちゃ似合ってる…よ…」
「ど、どうしたんですか!顔を手で覆わずにしっかり見てください…!」
「いつにも増して強引だね…見てる見てる、写真に撮って残したいくらいだよ」
発言してから気づいた。いくら同級生といえど言っていいことと悪いことがある。愛は低身長で一見中学生くらいに見える。にしては発育が良すぎる。バストもヒップもほどよい…!抱きしめ((殴
「ごめん、これじゃ変態だね、あははー」
「べ、別に潔くんがそうしたいならど、どうぞ…」
「いや、取り返しのつかないことになりそうだからやめておくよ。理性を保てないかもしれない」
「そ、そんなにですか!?」
「うん、そんなに」
若干下ネタに寄ってしまったが、愛は久しぶりの会話を楽しんでくれたようだ。良きかな良きかな。
「2人ともお待たせ…!」
「あ、葵ちゃん!大丈夫そうですか?」
「おせぇよ、早く行くぞ」
「愛ちゃん、私は大丈夫だよ、あの…遅くなってごめん…なさい」
ちょっと意地悪して厳しめに言ったら葵はシュンとした顔になった。まだ気にしてるんだろうな。まぁ気にするよな。
「い、潔くん…!厳しすぎませんか…?」
「ぷぷっ…」
「へ?」
「冗談だよ、葵。怒ってないから早く行こーぜ」
「い、意地悪なんて酷いよ、潔くん」
「白根に反論する気の強さもよかったけど、シュンとした顔も良いもんだなって思ったんだ」
あれ?2人とも何も言わなくなっちゃった?
「愛ちゃん、潔くんって女誑し?」
「うーん、恋愛とか興味無さそうですけど…」
「なに、コソコソ話してんの?混ぜてよ」
「「ガールズトークに入らないで(ください)!!」」
「す、すみませんでした…」
2人とも可愛いけど同時攻撃は痛いなぁ…
「明日本番だけど愛は走って大丈夫なの?」
「甘く見ないでください!潔くんが学校に来ない時は放課後走ってましたから!」
「あー、そ、ソウナンダー」
約束ほったらかしにして怒ってるんだな。
「約束破ってごめんな。なんかお詫びしないとな」
「お詫びすれば許されると思ってませんか?」
「そ、そんなに、怒るとは思わなかったよ…」
「ふふっ、さっきの葵ちゃんのお返しですっ」
ふぁー、可愛い尊い可愛い尊い可愛い尊い抱きしめたい。妹にしたい。守りたい、この笑顔…
「じゃあ、なんか考えといてよ」
「葵ちゃんのぶんもいいですよね?」
「えっ!?私!?」
「あー、ウン、ソダネー、イイヨー」
「なんかめんどくさくなってない?」
ぶっちゃけめんどくさいがいちいち反応が可愛すぎてからかいたくなるこっちの気持ちもわかってほしい…
「ところで、潔くん、なんで急に私と話す気になったの?」
「お前が謝ったから、それと、何に対して謝ればいいか気付いたからかな。それと感謝の言葉もくれたからそれも加点対象かな」
「加点対象って…」
「手のひら返しする奴ってのは過去のことを棚に上げて接してくるんだよ。俺はそれが嫌いなだけ。謝罪と感謝できる人間は好きだよ。だから他の奴らも謝罪と感謝ができれば話さないこともない」
「普段通りになるとは言わないんだね」
「言葉だけ並べられても嫌だからな。その点、葵の言葉にはしっかり気持ちが入ってた。偉いぞ、このこのー」
「ちょっと!頭わしゃわしゃしないでよ!」
「そうですよ!潔くん!するなら私の頭にしてください!」
えっ…いいの?するよ?めちゃくちゃするよ?こちょこちょするよ?抱きしめて持ち帰るよ?
「いや、それはちょっと、理性が保てなさそう…」
「潔くんは何を考えてるのかなぁ…」
普段はクールに見えるだろうけど俺だって男の子なんだ!思春期なんだ!性欲があるんだ!
「さてと、明日のこともあるし、今日はこの辺で解散するか」
「そうだね。明日は頑張ろうね!」
「私はあまり体力に自信がないので楽しめるように頑張ります!」
「俺も体力に自信がないから走りの種目はパスしてできるだけ見てようかな。出番が来たら頑張るよ」
「「出番??」」
「まぁ、そういうわけだから気をつけて帰れよ〜」
「うん!今日はありがとう!」
「また明日!」
さてと…
「おい、明日は本番だ。準備は怠るなよ。あと撫子の周辺を見張っといてくれ」
「御意」
やっぱり見張ってたか、この忍者…殺気が漏れてるんだが俺の事殺そうとしてるのか?ひどい弟だな…
「さあ!明日は久々に暴れるぞー!!!」
第2章はこれにて完結です。
次話から第3章に入ります。一応0時更新予定としてます。
ちなみに次話はかなり短めです




