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44話 普段キリッ系のメンタルよわよわ系女子はギャップ萌えしません(私見)

イサギくんは2年生の先輩に苦手意識を持っているのかも…

「泣かないでくださいよ、泣き虫先輩」

「うぇぇぇん…泣き虫って言わないでくださぁぁぁぁい」


 これは子供をあやすよりも大変な気がする。大人をあやすなんて聞いたことがない。


「とりあえず、先輩の名前を教えてくれませんか?」

「ぐすっ…黒理 栄狐(くろり えいこ)…」

「黒理先輩は剣道部なんですよね?」

「い、一応、剣道部の主将を…」

「なっ…!?こんな泣き虫の腑抜けが…?」

「腑抜けって言うなぁ…ぐずっ」


 ついつい心の声が出てしまった。心の声というか煽りというか。


「更なる高みを目指しているというのは今は頭打ちだからってことですか?」

「そんな感じです…」

「それなら稽古をつけてもらったらいいじゃないですか」

「こんな泣き虫に稽古をつけてくれる物好きなんていないですよぉ…ひっぐ…」


(泣き虫の自覚あんのかい)


「はぁ…仕方ないか…」

「?」


 俺はメガネを外して黒理先輩を見下ろす。


「ん"ん"っ…黒理 栄狐」

「なっ!?先輩に向かってその口調は…」

「五月蝿い。いちいち泣くな。強くなりたいのなら黙って()の言うことを聞け」

「…はい」

「明日から体育祭までお前に剣術の稽古をつけてやる。ありがたく思え。授業料は取らん。だが条件がある」

「条件とは…?」

「体育祭でお前の剣技を披露せよ」

「なっ、どういう、体育祭にそのような競技はありませんよ!昨年もありませんでしたし!いくら体育戦と言われていてもそのような危険なことはしません!」

「…つまり、条件は呑めぬと?万が一、そのような時が来てもお前は突っ立ったままということでいいんだな?」

「そ、それは…」

「お前はただ高みを目指して強くなりたいというんだな?悪いが、高みのために強さを求める者に剣術は教えられない。()()()()()()()()()()()()()()()()

「わ、わかりました。人を守るということは強くなるということ…きっと高みにも近付けるはず」


 いつしか彼女のぐしゃぐしゃの泣き顔は消え、キリッとした顔つきへと変化していた。


「てことで、あとはよろしく頼むぜ」

「へ?どういうこと…」


 ―バンッ


 1人の男が道場の扉を押し開けて入ってきた。その男は潔よりも僅かに身長が低く、肌は黒く焼け、髪型は栗のようで目は細かった。


「…呼ばれたから来てやったぞ、潔」

「よっ!久しぶり!()()

「へ?へ?兄…って?」

「黒理先輩、今日から体育祭まで俺の兄貴が稽古つけてくれるってさ!よかったね!んじゃ俺は帰るね!」

「ちょ、ちょっと!イサギ殿!」

「んじゃ、おつかれしたー」


<黒理視点>

 疚無 潔は面倒事を押し付けるように帰ってしまった。私は潔が兄と呼ぶ男と2人きりになった…


「「……………」」


(話すことがない…)


「黒理 栄狐だったか?」


(やっと話しかけてくれた…でも私の名前教えてないはず…)


「え、なんで私の名前…」

「これだ」


 彼が懐から出したのは…


「え、盗聴器?」

「そうそう。ここの会話は全部聴こえてたぞ」

「全部って…」

「主に鳴き声とか泣き声とか喚き声とか呻き声とかだな」

「全部激しく感情が変わったところじゃないですか!というか呻いてませんから!」

「まぁ、なんにせよ、かわいい弟の頼みだ。叶えてやるしかないだろう?」


 彼はニカッと笑い、背負っていた竹刀を()()した。


「俺の名前は疚無 海(やまなし かい)。疚無家の長男にして剣術担当だ。体育祭までよろしく頼む!」


(こちらがお願いする立場なのに丁寧な人だ…)


 それにしても、誰が何故盗聴なんてしていたんだろうか…

疚無(やまなし) (かい)

実はモデルは作者の兄。作者よりも若干背が低く肌は焼けてて栗頭です。弟をかわいいと思っているかどうかは不明です。ちなみに零のモデルは作者の弟です。イサギくんは作者をモデルにしたわけじゃないのでご安心を(?)!


黒理(くろり) 栄狐(えいこ)

元ネタ「グロリオサ」

花言葉は「栄光」!グロリオサは花が狐のように見えるので栄光+狐で栄狐(えいこ)にしました!


次話は閑話になります。毎回閑話は短めにしようと努力しているのですが、今回も長めになってしまいました。

14時投稿予定です!



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