40話 強い男子が弱ってると可愛く見えてしまう件 前編
今回は唐草 瑠璃視点です。
急遽前編と後編に分けました。
たまには前編後編に分けるのもいいよねっ
唐草 瑠璃は潔との約束を果たすため1年D組を訪れていた。
「失礼しまーす、潔くんっていますか?」
「瑠璃ちゃん!?」
「あ、菜花ちゃん!久しぶりー!」
クラスメイトで幼馴染の春野 紫苑の妹、春野 菜花が対応したが1年D組は3年生が下級生のクラスを訪れたことにザワザワしていた。
「それで、潔くんは?」
「潔くん、1限が始まる前に体調を崩しちゃったみたいで保健室にいるみたい。何か用事とかあったの?」
「えーっと、1年D組は出席率が低いから2人でゆっくり話せるって聞いて来たんだけど、今日は全員出席してるんだね」
「うん、たぶん、潔くん目当てだと思うよ」
「まぁ、そうだよね。わかった、とりあえず保健室に行ってみるね」
「ちょっと待ってください、潔のところには行かないでください」
瑠璃が教室を出ようとしたとき1人の女子が引き止めた。水野 白根である。
「君は?」
「潔の1番の親友の水野 白根といいます。よろしくお願いします、センパイ」
「ちょっと白根!すみません、唐草先輩。白根、さっきからイライラしててあたっちゃって」
「葵は黙ってて。潔、すごく体調が悪そうだったので行かないでください」
「1番の親友の君が行ってダメだったのかい?」
「…っ!」
「1番の親友が行ってダメなら私もきっとダメだろうし、今日は諦めるよ。失礼したね。菜花ちゃんもありがとう」
(あの子の前では諦めると言ったけど、やっぱり諦められない!)
~保健室にて~
「潔くん、お昼休みですが体調はどうですか?」
「…牡丹先生、迷惑かけてすみません…だいぶ良くなりました…」
「生徒が教師に迷惑をかけるのは当然のことですからね。大丈夫ですよ」
「…ありがとうございます」
―ガラッ
「失礼します!疚無 潔くんはいますか!」
「あら、珍しいわね。瑠璃さんじゃない」
「牡丹先生!潔くんは?」
「ちょうど今起きたところよ。それから少し声のトーンを落としてくれるかしら?」
「す、すみません…」
「ふふ、そんなに潔くんに会いたかったのかしら?」
「か、からかわないでください!」
「ふふふ、私は職員室に行くのでごゆっくりね。あぁ、鍵はかけちゃダメよ?」
「なななな、なにを言ってるんですか!」
「うふふふ」
養護教諭の牡丹先生にからかわれて瑠璃は顔を赤らめていた。
「潔くん…?大丈夫かい?」
「ん…だれ…?」
潔は目を擦ってゆっくりと起き上がった。
「私だよ、瑠璃だよ」
「あぁ…唐草先輩、すみません、一方的に約束したのに守れなくて」
「君の方が大事だから!気にしないでくれ。それよりお腹空いてないかい?」
「そういえばお昼でしたっけ…弁当…教室か…」
「…教室、行きたくねぇな…」
「あの…その…よ、よかったら私の一緒に…どうかな?」
「にへへ…助かります」
(…っ!そんなふうに笑うの!?か、可愛い…潔くんって生意気キャラっぽかったのに母性本能がくすぐられる…)
「聞いてもいいかい?」
「いいですよ、俺の事を話すために時間をつくったんですから。それに昼食をいただいてしまったのですから遠慮せずに聞いてください」
「じゃあ、さっき、教室に行きたくないって言ったのはどうして?」
「そんなの決まってるじゃないですか。気持ち悪いんですよ」
「気持ち悪いって何が?」
「今まで僕という俺を見てこなかった奴ら或いは嘲笑ってきた奴らが俺という俺を見た途端、自分のした事を忘れたかのように『付き合ってください』だの『好きです』だの言ってくるんですよ?本当に薄情な奴らですよ」
(そっか。だからか…)
「俺が体調を崩したのは下駄箱と机の中に数え切れないくらい手紙が入っていたからです。でも勘違いしないでください。好意を向けられることが嫌なわけではないです。手のひらを返されるのが嫌なんです。手のひらを返して当然のように接してくる奴らが気持ち悪いんです」
(だから、今朝少し様子がおかしかったんだ)
「そ、それって私も含まれてるの?」
「含まれてるうえで唐草先輩に話してたら相当性格悪いですね、俺」
彼はケラケラと自虐気味に笑う。
(よ、よかった、嫌われてはいないみたい)
長くなりすぎたので次話も唐草 瑠璃視点が続きます。
13時更新予定です




