閑話⑫ 潔と向日葵と…
今回若干グロ表現というか病み要素アリなので注意してください。閑話としての投稿ですが、物語の核心に少し踏み込んだ内容です。
今日はグズマ暴走事件があり学校側の事後処理があるため休校となっている。せっかくの休日なんだ。ラノベとラブコメを読みつくそう。そう思っていたのだが、俺はアウトレットモールにあるカフェに急遽呼び出されてしまった。
「お待たせ」
「こんにちは、潔さん。急にお呼びしてしまってすみません」
同級生に対してこんなに丁寧に挨拶できる者はそう居ない。彼女の名は立花 向日葵。立花姉妹の妹である。
「いや、大丈夫だよ。それで何か用事があったのか?」
「用事…といえば大層なものに聞こえますが、そんなに大層なものではないです。少し聞きたいことがあったんです」
「聞きたいこと?」
「はい。どうしても知りたかったことです」
「なんだろう?」
「私たちが最初に出会った時のことです」
「あぁ、ナンパ事件のことね」
「そうです!」
葵と向日葵と出会った時のことだな。
「あの時、なんで私たち姉妹にリストバンドをくれたんですか?」
「あぁ、そのことか」
「やっぱりちゃんとした理由があるんですね?」
「うん、あるよ」
「それはどんな理由…」
「それを話す前に見てもらいたいものがある。これは向日葵を信用して話すことだから他言無用で頼む」
「…わかりました」
俺は両手首のリストバンドを外してみせた。
「…っ!?これって…」
「うん、リストカットの痕だよ。俺がグズマ先生をボコした後に葵に手首を掴まれて痛がったのはこれが理由だよ」
「な、なぜ、こんなに無数の傷が…」
「昨年末のとある事件がきっかけでね。俺は死のうと思ったんだ。でも出来なかった。死ぬ勇気がなかったんだ」
「………」
「ごめん、話が脱線しちゃって。それでなんでリストバンドを渡したかだったよね」
リストバンドを付けなおして話を戻す。
「は、はい」
「あの時、葵も向日葵もナンパに手首を掴まれていただろ?手首に痕が残ったらお前らの未来に禍根を残しかねない。そう思ったんだ。つまりただのお節介だよ」
「そ、そうだったんだ…」
「まぁ、そのお節介も結局無駄だったみたいだけどね」
「そんなことないです!」
「向日葵はそう言うけど、葵は見事に男性恐怖症になっちまったみたいだし」
「そ、それは…でも、葵は潔さんに申し訳ないと思っています」
向日葵は必死に葵の気持ちを代弁しようとしているが…
「正直伝わらないんだよな。何に対して謝ってるのかわからない」
「何に対してってどういうことですか…?」
「それを俺に聞いたら意味がないだろ。どうせ近くにいるんだろ?」
「そ、そうですよね。自分で考えないと…」
「向日葵、お前が俺をどう思っているのかわからないけれど、俺はお前が思っているよりもクズだからな。やられたことはやり返す。俺を避けてきたんだ。だったら俺も避けていいだろ?」
「そ、それは…!」
「んじゃ俺、帰るから。また学校で」
「葵、もう遅いんだよ。今更気付いたってもう遅い」
潔くんはクズを自称してますが「やられたらやり返す」というのは普通の感情なのではないかな、と私は考えています。
皆さんはどう思いますか?




