4話 いつの時代も最強のお邪魔キャラは身内にいる 中編
前編と後編に分けるつもりが思ったより長くなっちゃいました…
すぐに後編書きます…
薄々気づいていると思うが音女高校の学校長は俺の母親である。俺にこの学校を勧めたのも彼女だ。この学校を勧められたのは年が明けたばかりの頃だった。俺は高を括っていた。いくら共学になるとはいえ男子が1人ということはないだろう、と。あの母親の考えを読み間違えた。おそらく学校長自ら面接官を務め不埒な考えを持つ受験生を全て落としたのだろう…うむ、やりかねない。
「それでは軽く自己紹介をしてください。もちろん名前だけでもかまいません」
はぁ、億劫な時間が始まってしまった。自己紹介なんてしなくても自然と覚えられると思うんだが…
「明石 愛。趣味は読書。よろしく」
1明石さんはとても落ち着いている文系女子って感じがする。
「氷田 平子です!皆と仲良く楽しく出来たら嬉しいです!」
氷田さんはムードメーカーっぽいな。
「春野 菜花です!バレー部に入る予定です!」
春野さんは白根と同じくらいの明るさだ。春野さんと話す時もサングラスが必要みたいだ。
「水野 白根!バスケと犬が大好きです!皆!潔と仲良くしてあげてね!あ!ゆうちゃん、久しぶり!」
おい、なんてことを言うんだ。俺はこのクラスの陰として3年間をひっそり過ごすつもりだったのに。俺を陽に引っ張るとは酷なことをしやがる。さらっと母親をゆうちゃんと呼ぶな!調子に乗るだろう!
そして、俺の番が回ってきた…
はぁ…緊張しすぎて吐きそうだ。視線が…いたたたたた…
名前だけ言って終わろう…そして出来るだけ笑顔で…
「疚無 潔。よろしく」
・・・普段から笑わないから笑顔できねぇー!!!
後編に続く…