3話 いつの時代も最強のお邪魔キャラは身内にいる 前編
この学校で唯一話せる女子、水野 白根の強行突破でなんとか1年D組の教室に入ることができた。俺は1番後ろ端の窓側の席だった。五十音順で出席番号が決まるのでそういうことなのだろう。
「潔!早く話しかけなよ!」
「は?誰にだよ?知ってる人いないぞ」
「だからだよ!早くグループ作らないと置いていかれちゃうよ?」
むむ…それは正直困る。だが、同性がいないのに1年間連むグループをどうやって作ろうか…
「どうしてもって言うなら、私のグループ入れてあげよっか??」
なんだ、この勝ち誇った顔は。腹が立つ。コミュ力の高い奴の特権ってやつか?
「いや、コミュ力高いグループに入っても俺が置いていかれるだけだろ。そうなったら1人でいるのと変わらないぞ」
「ふーん。まぁみんな興味本位で寄ってくると思うしね」
それが1番心配なんだが…
「とりあえず入学式後の自己紹介とか聞いてからいろいろ考えてみるよ」
「いろいろって?」
「いろいろだよ。」
「可愛い子いるなぁとか?あの子胸大きいなぁとか?」
「そうそ…ってちげぇよ!」
俺は色恋沙汰に興味が無い。
とりあえずキャラを作っとくか。
~入学式~
「…続いては祝辞です。校長先生、よろしくお願いします」
私立音女高校の校長が登壇し一礼した。
「校長の疚無 勇だ。新入生諸君、入学おめでとう。今年度から共学になり戸惑うこともあるかもしれない」
戸惑ってるのは恐らく、いや確実に俺だけだろう。
「困ったことがあれば教師、先輩を存分に頼ってくれ。もちろん私でもいいぞ」
その困ったことを相談したら確実に俺のことになるよね。やらかさないように大人しく過ごさないと…
「では、最後に!ガールズビーアンビシャス!」
ボーイもいるんだが…
~入学式終了後~
教室で軽く自己紹介をすることになった。先に担任と副担任がするようだ。
「1年D組の担任をすることになった梅ノ木 桃です。担当科目は国語です。1年間よろしくお願いします」
「めっちゃ綺麗じゃない?」「ね!美人だよね!」
梅ノ木先生は20代後半から30代前半くらいだろうか。黒髪ポニーテールのスラッとした体型で出るところが出ていてめちゃくちゃモテていそうだ。まぁ、興味無いけど。
「副担任の夏原 詩です。担当科目は数学です。よろしくお願いします」
「やーん!可愛い!」「ちっちゃーい!」
夏原先生はブラウンのショートボブで小柄な体型だ。新任の先生だろうか?少し緊張しているみたいだ。先生というより妹に見られそうな…まぁ、興味無いけど。
「そして、校長の疚無 勇だ。ゆうちゃんと呼んでくれ!1年間よろしくな!」
教室が静寂に包まれた。
なんでお前がいるんだ…
書きたいことがたくさんありすぎて長くなってしまいました。読みづらいかもですm(_ _)m
生徒の自己紹介は次回です!