表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
196/299

164話 なかなか交差しないのもまた運命

今回はたくさん視点が切り替わりますが、ほとんど三人称視点です。読みにくかったらごめんなさい。

「瑠璃…光…」


「どうしたんですか?」


「なんだい?潔くん」


「ちょっと…リハビリがてら出かけてくる」


 ------------------------------


「お父様、お散歩に出かけてもよろしいでしょうか?」


 ウイエ家の三女ローズの提案に父ヴィヨレは腕を組んで考える。


「ふむ、この街は治安がいいと聞くしローズひとりでも大丈夫だろう。気をつけて行くんだぞ」


「はい!ありがとうございます、お父様!」


「本当に大丈夫かしら…」


「ブルー、お前は心配しすぎだ。()()()()()()()()()()()と言うじゃないか」


「あなたがそう言うのなら…」


 母ブルーはヴィヨレの説得に押し負け渋々納得した。


「ところで、ブロンシュはどこに行ったのかしら?」


「ふん、出来損ないはほうっておけ」


「ブロンシュは出来損ないなんかじゃ…」


「何か言ったか、ブルー」


「いえ、なにも…」


 ------------------------------


「ジョーヌが突然いなくなるなんておかしい…やっぱり何か企んでいるのかも…」


 ブロンシュは桔梗家に行く前にジョーヌが「運命の人」と言っていたのを思い出した。ジョーヌは良くも悪くも他の人より飛び抜けて頭が良かった。ただその才を人を煽動し操ることに使ってしまったのだ。


「もしかしたら、この街に来る前に誰かとコンタクトを取っていた…?でもなんで…運命の人ってどういうことだろう…」


 歩みを進める足を止め少し考える。


「もしかして、私を完全に追い出そうとしている…?じゃあ、運命の人っていうのは、()()()…」


 ブロンシュは再び歩き出す。


「急がないと…!急がないと犠牲者が出てしまう…!」


 ベージュのワンピースの裾を持ち純白の淑女は走り出す―


 ------------------------------


「へぇ、ここが商店街というところなのね」


 ローズは音女市の商店街に来ていた。


「随分と田舎くさい…お父様はどうしてこんなところを選んでしまったのかしら」


 ローズは音女市が故郷(フランス)よりも田舎であることに不満があった。


「こんなド田舎の何がいいのかしら。大人は何を考えているのかさっぱりだわ」


 不平不満を言いつつも見て回るローズ、姉妹各々の担当色(カラー)のワンピースと髪色は田舎者の目を惹いた。


「ふふん、田舎者どもが私を見てるわ」


 小さき可憐な少女は態度の大きい高慢な阿婆(あば)擦れであることをまだ誰も知らないだろう。


「はぁ、それにしても…いえ、やはりと言うべきかしら。この街に私が求めるものはないわね…」


 彼女の言う「求めるもの」…それは…


「よくよく考えたら、考えなくても冷静になればすぐにわかることだったわ。ここに白馬の王子様はいない」


 意外なことに彼女は態度が大きく高慢であっても年相応の夢を持ち合わせていた。


「この街って本当に治安が良いのかしら?路地裏ははぐれ者の巣窟だったりして…」


 興味本位で路地裏に入り込んだのが彼女の間違いであり…運命の分岐点だった。






明日以降は朝6時と夕方18時の2話投稿体制にしようかなと思ってます。もしくは朝4時と夜19時とか。出勤前或いは出勤中と帰宅後或いは帰宅中、通学前或いは通学中と帰宅後或いは下校中のスキマ時間に読んでもらうのが私の理想だからです。その割には長ったらしい物語になるのは本当にごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ