163話 桔梗 光は奔走し翻弄される
投稿が遅くなってしまいすみませんでした。でもブクマ増えてたからよかった…!いつも読んでくれてありがとうございます…!これからも励みます!
「はぁ…はぁ…はぁ…」
桔梗 光は直走る。息を切らしながら、しかし、休むことなく。
「も、もうすぐ…あと少し…」
目的地は音女病院最上階の特別個室。
「つ、着いた…!」
病院長の息女であるため顔パスで入ることができたのは時間短縮になっただろう。
「し、失礼します!」
急いでいてもノックは忘れない。言葉遣いも正しく、背筋はぴんと伸ばして歩く。
「あれ?ひか…桔梗先輩?」
「い、イサギくん!大変なんです!」
「まあまあ、落ち着いてください。どうしたんですか?」
「ふぅ、ふぅ…」
「ラマーズ法よりソフロロジー法の方がいいですよ」
「ひぃひぃふぅとは言ってないでしょう!」
「あはは、落ち着いたみたいっすねー」
「まったく、もう…私の話を聞いたら君のほうこそ落ち着いていられるかどうかわかりませんよ」
「ほう…お聞かせ願おうか」
あっけらかんとした表情のイサギは眉を少し動かすと真剣なトーンで言った。
「実は…」
「…なるほど、なるほど」
「案外落ち着いているんですね」
「ふふふ、この程度のことで動揺するような俺ではないですよ」
「この程度?義理とはいえ、妹が酷い目に遭っているかもしれないんですよ!何を呑気なことを言っているんですか!」
撫子が拉致されたことを聞いても落ち着きを放つイサギと撫子が拉致されたことを話して感情を露わにする光。
「何を騒いでいるんだい?」
「か、唐草先輩!?どうしてここに!?」
「おや?桔梗さんじゃないか。私は彼のお世話係だからここにいるのだが、君こそどうしてここに?」
「瑠璃…」
「潔くん?」
先程まで明るかったイサギの声が暗く小さくなったことに気づいた。彼の手を見てみると小刻みに震えていたため只事じゃないのがわかった。
「…!何かあったんだね。それもあまり時間がないみたいだ」
「その通りです、唐草先輩」
「それで潔くん、君はどうするんだい?」
「今考えてる」
「考えるも何も助けに行けばいいじゃないですか!」
「簡単に言ってんじゃねぇよ!!!」
イサギの怒りはとっくにオーバーヒートしていた。助けに行きたい気持ちは山々だった。でも彼は冷静でいたかった。心だけでも冷静でありたかった。普段のように澄ました顔で冗談を言って笑えるような気概のある自分でいたかった。
「あのな、こっちはまだ昼飯も食ってないんだ」
「「は?」」
「飯食ってからじゃないと力も出ないだろうが!」
「ウン、ソーデスネ」
桔梗 光は…呆れていた。
―昼食後
「それで何か作戦はあるんですか?」
「桔梗先輩…って呼ぶのがめんど…長いので下の名前で呼んでもいいですか?」
「めんどくさいって言おうとしませんでしたか?」
「失礼な!言いかけただけです!あとついでに敬語もやめていいですか?」
「言いかけた時点で重罪ですよ。あとそれはついでで頼むことじゃないと思いますが。まぁ、いいでしょう」
「さんきゅー!ぴかる!」
「前言撤回です」
「冗談だよ」
「潔くん!私のことはルリルリって呼んでもいいんだぞ!もしくはルリリとか!」
「「………」」
疚無 潔は思った…今どきのアイドルみてぇだな、と。
桔梗 光は思った…ゲームのモンスターみたいですね、と。
「「(なんにせよ…イタイな…)」」
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光が撫子とイサギのために奔走し瑠璃に翻弄されている頃…
「ん…ここは…檻…?」
撫子は檻の中で覚醒した。
「意外とお早いお目覚めだね、ナデシコ」
「あんた…!ここはどこなの!?」
「僕もまだこの街に詳しくなくてね。どこと言われてもわからないな」
「ジョーヌ…!」
「恨むなら君の義兄を恨んでくれよ」
「なんでお兄ちゃんを恨まなきゃいけないのよ!お兄ちゃんは悪くない!」
「イサギ・ヤマナシとナデシコ・アサシラケを離すことこそ僕の目的だ」
「どういうこと…?あとその苗字で私を呼ばないで!私は疚無家の…お兄ちゃんの妹なんだから!」
「ふむ…だってさ、君はどう思う?」
ジョーヌが撫子から目を逸らさずに誰かに問いかけた。すると彼の後ろから声が返ってきた。
「違うわ。あなたは潔のものじゃない。潔は私のものよ」
「あ、あなたは…!なんでここに…!?まさか、全部あなたが仕組んだことなの…?」
「今更気づいたって…もう遅い」
「水野 白根…!」
これが闇堕ちってやつか…ジャンルにもう遅い、加えようかな…でも、そんなに遅い系でもないんだよな…
最近の悩み
作者名を変えようか迷ってます。ちなみにもし変えるなら「今日ノ私」という名前にしようかなと思ってます。なぜなら…展開がその日の自分によって変わるからですッ!(つまりプロットを練っていないということ。投稿が遅くなるのもこれのせいである)
次話は早めに書き終わったので18時に投稿します。