159話 ヤツはすぐそこに来ている…
【修正とお詫び】
157話にて今後のストーリーに大きく影響するミスがあったので一部修正を行いました。読者の方々を混乱させてしまい申し訳ありませんでした。どの部分を修正したかは言いません。読者の方々が各々読み直してくれたら嬉しいです。
「ようこそお越しくださいました、ウイエ家の皆様。遠路はるばるお疲れでしょう」
光先輩から賓客が来るとは聞いてたけど…まさか期日が前倒しになって今日来ることになるとは思わなかった。まぁ、なによりも驚いたのは―
―ウイエ家が海外の富豪だったということだ。
全員色白、美肌、羨ましい…ついさっき聞いたところによるとウイエ家は6人家族で3人の娘と1人の息子がいるらしい。今日は父母と娘さんが1人しか来ていないみたいだけど…
「お気遣いしていただき感謝します、桔梗さん。私はヴィヨレ・ウイエ。お見知り置きを」
帽子を脱ぎ軽く会釈をして感謝の言葉を述べたのは大黒柱であるヴィヨレさん。髪と目が薄紫色で身長は180cmくらいの痩せ型だ。
「今日は娘さんが1人しかいらしていないようですが…」
「ええ、他の子達は先日から既に来日していますから」
「あら、そうだったのですね」
「ごきげんあそばせ、マダム・キキョウ。私はウイエ家の三女、ローズ・ウイエでございます」
丁寧に挨拶をしたのは石竹色の髪と目を持つ少女、ローズちゃん。私より年下…だよね、たぶん。
「挨拶が最後になってしまい申し訳ありません。私が1男3女の母、ブルー・ウイエです。桔梗さんに会えて光栄ですわ」
最後に自己紹介したのは髪色と目の色が爽やかな空色の洋風美人、ブルーさん。身長は私よりも10cmほど低く、成人女性にしてはやや小柄だ。
「ヴィヨレ様、ブルー様、ローズ嬢、ご丁寧にありがとうございます。私は桔梗家当主の桔梗 白光です。こちらにおりますのが桔梗家の次女、光と疚無家分家の長女、弥勒と疚無家の三女、撫子でございます」
「ウイエ家の皆様、こんにちは。後日疚無家にいらっしゃった際は改めてご挨拶申し上げます」
私は難しい言葉が飛び交っててよく分からなかったのでとりあえずペコリと頭を下げた。
「あら、あなた…」
「?」
ローズ…ちゃんが石竹色の大きな目で私を数秒間見つめた。
「ふふ、そういうことでしたの。ごめんなさい、なんでもありませんわ」
何に納得したんだろう?
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「ほら!姉さん!父さんと母さんはもう着いてるんだってば!早くしろよ!」
「ご、ごめんなさい、ジョーヌ…」
山吹色の頭髪の少年は乱暴な言葉遣いで姉さんと呼ぶ少女を引っ張った。
「チッ!この鈍間が!だからお前と来たくなかったんだよ!」
「……っ」
「言っとくけどお前と来たのは父さんに頼まれたからだからな!父さんに頼まれなかったらこんなことにはならなかったんだ。だけど、結果オーライだったよ」
「どういうこと…?」
「誰がお前なんかに話すかよ!さっさと来いって言ってんだろ!」
「いたっ…」
少年は姉と呼ぶ白肌で白髪とグレーの目の少女を半ば引き摺るようにして桔梗家へと向かった。
「僕の運命の人…待っててね」
フランス語むつかしい…