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152話 院長が保健の授業をしてくれましたが余計なお世話です

何か忘れてると思ったら撫子とイサギが旅館に行くエピソードを完全に忘れ…いや、行きました!ちゃんと行ってました!撫子とイサギのイチャイチャをわざわざ書き下ろす必要はないはずです!


※割り込み投稿したらナンバリングがズレるから面倒とかそういうのじゃないヨ…


「それでは潔くん!私は学校に行くぞ!」


「あ、はい。いってらっしゃい」


「なんだ、その腑抜けた『いってらっしゃい』は!もっと、こう、腹から声を…」


「遅刻するぞ、風紀委員長」


「いかん!それでは行って参る!」


「いつの時代の人だよ…」


「ふんふふんふーん♪」


「朝からご機嫌だなぁ、瑠璃…先輩。俺はまだ…ふぁぁぁ…眠いってのに…」


 瑠璃に布団を奪われたイサギは完全に寝不足だった。当の本人は何故かいつも以上に顔にツヤがかかり機嫌が良さそうだった。


 ―ピンポーン


「はい、どうぞー」


 そういえば…特別個室が広すぎて軽くドアをノックするだけじゃ患者に音が聞こえないからチャイムが設置されているということを完全に忘れていた。部屋1つにチャイムをつけるなんて高層マンションでもありえないくらい(無駄な)贅沢だ。


「おはようございます、イサギくん。体調はどうですか?」


「体調も何も薬を塗ったせいで右の歯が使えませんでしたよ…苦くて苦くて…」


「なるほど。体調は良好ということですね」


 先生、患者の話を聞いてください。


「それで昨晩は何かありましたか?」


 それどういう意味で聞いているんだろうか?


「失ったものはないと思いますけど。あ、ひとつだけありました。布団を奪われました」


「何もなかったようですし今後ベッドを持ってこなくてよさそうですね」


 話を聞かない上にとんでもないこと言っとるわ、この先生。病院でナニさせようとしてるんだ。


「イサギくん…産婦人科があるからって避妊しなくていいわけではありませんからね」


「さっきから何の話をしてるんですか?」


「冗談はさておき、せっかくの長期入院なのでカウンセリングしますか」


 冗談がリアルすぎて生々しいんだけども。


「カウンセリング助かります。お願いします」


 -----------------------------


「瑠璃、昨日はどうだった?」


 授業の合間の休み時間、親友の紫苑が話しかけてきた。


「どうだったとはなんのことだ?」


「昨日イサギくんのこと呼び出したんでしょ?」


「あぁ、そのことか。簡潔に話すとだな、彼を殴って謝るために病院に行ったら虫歯で入院してて入院中の世話を頼まれた感じだな」


「………」


 紫苑は文字通り口を開けたまま固まっていた。


「おーい、大丈夫か?」


「話が省略されすぎててイマイチわからなかったんだけど…殴ったとか入院とかお世話とか…」


「まぁ、細かいことは気にするな。世話というのは敵情視察のようなものだ」


「敵を騙すには、まず味方からってこと?」


「ふふん!そういうことだ!」


「いや、全然意味がわからないんだけど…」


「瑠璃〜」


「む。どうした?」


 紫苑が瑠璃の得意げな顔に呆れていると別のクラスメイトが話しかけてきた。


「なんかさー、雰囲気変わった?」


「変わったように見えるのか?」


「あ、それな。私も思ったわ。いつもと違うよね」


「自分ではわからないな。何が変わったように見えるんだ?」


「肌ツヤがよくなった」


「お堅い雰囲気がなくなって表情が柔らかくなった」


 他のクラスメイトも続々と同じようなことを口にしたが、瑠璃はピンと来ない。


「まぁ、誰のおかげかなんて考えなくてもわかるけどねぇ」


「「それなー」」


「いやー、あの風紀委員長の弱点が恋愛だなんてねー」


「音女の王子様がまさかねぇ」


「音女の那須与一こと唐草 瑠璃の顔が蕩けるくらいゾッコンになる男がこの世に存在したなんて…」


「えぇい!その変な2つ名を挙げるのをやめろ!」


「瑠璃もちゃんと女の子でよかったよ」


「紫苑まで!私は最初からちゃんと女の子だ!潔くんが好きな…!はっ!」


 瑠璃が口を抑えるが時すでに遅し。クラスメイト全員がにやけ面で瑠璃を見ていた。


「もう、弄るなぁぁぁぁ!!!!」


 ---------------------------


「はっくしゅん!」


「あら?風邪?」


「いや、これは………ウワサですね」


「ふふふ、納得です」




お気づきかと思いますが前回から場面と視点の切り替えをするために横線を使ってます。これなら書き手も読み手も分かりやすくていいですね!

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