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146話 風紀委員長vsグラマーお姉ちゃん

投稿が遅くなって申し訳ありません。

 やばい…超痛い…殴られたところ超痛い。殴られた瞬間稲妻が走った、そんな感じの痛み。とりあえず病院に行こう。早くこの痛みから解放されたい。


 昇降口で右頬を抑えながら靴を履き替えていると3年生の下駄箱がある方から声が聞こえてきた。


「今日の瑠璃、おかしくなかったー?」


「まじそれ。おかしかったよね」


「どんなふうに?」


「なんかー、恋する乙女って感じ?w」


「なんそれw」


「あーしもよくわかんないけど1年の男子と新任教師の関係を暴くために呼び出してたよ」


「えー、それって職権乱用じゃないん?」


「さー、あーし、馬鹿だからよくわっかんねー。でもたまにはいんじゃね?あーゆー瑠璃見るの初めてだし、なんかおもしろいから」


「お堅い風紀委員長よりもいいよねー」


 …なん…だと…!?どういうことだ!?風紀を乱さないためじゃなかったのか!?騙された…のか…?ぐぁっ!


 上級生の話を聞いて瑠璃のことを考え思わず歯を食いしばってしまったが激痛が走ったためイサギはこの苦痛を取り除くことを最優先としたのだった。




 一方、瑠璃は…


「ど、どういうことですか?弥勒先生!」


「そのままの意味だよん♪」


「ほ、本当に潔くんが学校を辞めると?」


「うん。だからちょうどよかったねって」


 よくないよくないよくないよくないよくない!!私はなんて愚かなんだ…!!今すぐ彼を…!!


「どこ行くの?」


「潔くんのところです!」


「行ってどうするの?今、あなたが追い出したばかりでしょう?顔も見たくないって言ったのに会いに行くの?」


 そうだった。私はそんな酷いことを彼にぶつけてしまった。


「私利私欲のために、私情に任せて動いたあなたがイッサに会って学校を辞めないよう説得できるのかしら?」


 弥勒先生の言う通りだ。私に説得することはできない。説得力がない。説得を試みようものならそれは逆に決断を早めることになる。


「職権乱用…と言うわけじゃないけれどもう少し考えた方が良かったんじゃない?風紀委員長さん」


「そもそもあなたが…!!」


「私が、なに?」


 いつもの余裕ぶった顔と若者言葉が突如消えた。


「あなたが彼の愛人だなんて言うから…」


「私のせいだって言うの?」


 そうじゃないのか。違うのか。この人が愛人と言わなかったら私はこんなふうに私らしからぬ動きをしなかった…と思う。


「昨日あなたはあの親子のためにゴリラに立ち向かった。その行動は賞賛に値するわ。でも、あのゴリラの何かしらの発言であなたは憔悴していたようだったから場を和ませようとした思って言っただけだったのだけど。()()()()()()()()には難しかったかしら?」


 お堅い優等生…私は周りからそう思われていることを知っている。音女の王子、風紀委員長、弓道部に所属していた時は弓道部の貴公子とまで呼ばれていた。私はそれが嫌だった。


「とりあえず謝ってきます。退学などは別の話ですから…」


「瑠璃ちゃんって確か唐草家だったよね?」


「そうですが…それが何か?」


「じゃあ、疚無家のことは知っているのね」


「はい、父上からある程度のことは聞いています」


 潔くんの家名である疚無家は古くからこの街を支えてきた一家だ。その昔、飢饉や食糧難に陥った際はたくさんの野菜や肉を民に分け与えたり、戦の際は真っ先に先陣を切って戦ったという…今の若者は祖父母の代が伝承していないと知ることもない歴史だ。


「あなたにイッサはどう見えてる?」


「どうって…」


 潔くんとの初めての対面を私は忘れていない。何故なら少し後悔しているからだ。「タイプかも」なんて…恥ずかしすぎる…!どうして当時私はあんなことを恥ずかしげもなく言えたんだ!今思い返してみればかなり思わせぶりなあざとい女子じゃないか!潔くん!どうか忘れていてくれ!


「瑠璃ちゃん、大丈夫?」


「はっ!あ、はい。大丈夫です…」


「あなたは少し肩書きを気にしすぎじゃないかしら?」


「肩書き…ですか」


 風紀委員長、唐草家、肩書きと呼べるかどうかわからないが確かに私はこれらを後ろ盾だと思っている時がある。


「イッサをちゃんと見てあげてほしいの。あの子はね、姓なんていらない、家を出たい、そう考えているのよ」


「なぜそう思うんですか?」


「体育祭のこと、聞いたわよ。イッサは梅ノ木先生に退学届を渡す予定だったんですって?そして家を出るつもりでもあった。あの子はいつか必ず1人になる…気がする」


「それが、今…?」


「さぁね。私にもわからないわ。私はただの従姉妹のお姉さんだから。でもあなたならもしかしたら分かるかもね。だってあなたは職権を乱用するくらいイッサをストー…コホン、見ているんだもの」


 ストーキングって言おうとしてたんだろうか?なんて失礼な教師だ!私はただ彼の動向に目を光らせているだけなのに!


「話は終わり。謝るなら早く追いかけなさい。彼は音女病院にいるはずよ」


「ありがとうございます…!」


 なんだかんだ良い先生なのかも!なんでスーツじゃなくてライダーススーツで教壇に立っているのか疑問だけど自由を校風にしている以上、文句は言えない!だけど、彼があれに興奮するなら私も真似を…


※この物語はフィクションです。物語の中で登場する歴史、家名、登場人物は実在しません。また現実世界とも関係がないのでご注意ください。


とんでもないことに気づいてしまいました。瑠璃の口調が初期とだいぶ違う…これはマズイ。読者の方の中で瑠璃はどんなイメージなんでしょうか。私の中ではボーイッシュで美少年っぽいイメージなので自然と男子っぽい口調に寄せて書いていましたが初登場の時はすごく女子なので初登場シーンを改変しようか迷う…

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