140話 ちっちゃい子、可愛いなぁ(棒)
今月一発目です。今月もバシバシ投稿していきます!9月も何卒よろしゅう!
ちなみに先月1番アクセスされた回はアイスドリアン回でした。読者全員が読んだ後に検索したんだろうなぁ(*`ω´*)ドヤッ
やはり、飯テロには弱いということですね( ̄▽ ̄)ニヤッ
昨日、従姉妹の弥勒がイサギの家に引っ越してきた。昨晩、義妹が裸エプロンで出迎えてくれた。昨夜、従姉妹の弥勒がイサギの風呂に入ってきて背中に大きくて柔らかいものを押し付けてきた。夜中、夜這いされた…以下割愛。
「弥勒姉、昨日から何なの?」
朝食をとりながら話すことじゃないがあまりにも頭に来たので文句くらい言わせてもらいたい。
「何なのって何が?」
「突然引っ越してきたと思ったら風呂には入ってくるわ、夜這いはするわ、まるで痴女じゃん」
「失礼ね!痴女じゃないんだけど!」
弥勒姉は持っていた箸を机の上に叩きつけて立ち上がった。まさかそこまで怒るとは思わないだろ。さすがに謝るか…
「イッサにしかやってないもん!」
痴女じゃん。変態じゃん。ねぇ、追い出していい?箸で両目突いていい?脳天にゲンコツ落としていい?
「今度やったらさすがに追い出すからね…」
「いやぁーん、追い出すなんてひーどーいー。ね、撫子ちゃん」
「撫子を穢さないでくれ」
「まあまあ、お兄ちゃんも弥勒お姉ちゃんも落ち着いて。早く学校行こ!弥勒お姉ちゃんは初出勤でしょ?」
「そうだった!急がないと!初出勤で遅刻なんて笑えないからね!」
初出勤前夜から従弟と入浴したり夜這いを仕掛けたりなんて全然笑えないんだが。就任0日目でスキャンダルになっちまってるんだが。
「ところで、念の為、今日の授業内容を教えてほしいんだけど…」
「もお!しかたないなぁ!本当は企業秘密なんだけど私のイッサのために教えてあげちゃうゾ☆」
いたたたたたたた。いたすぎるわ。ゾ☆はイタイ。粉砕骨折しそうだわ。
「今日の授業は…うちのクラスとイッサのクラスで鬼ごっ」
「却下」
「えぇーーーん!どうしてぇ!親睦を深め」
「却下」
「えぇぇーー!撫子ちゃんならわかってくれるよね!?」
「うーん、私もちょっとそれは…」
「えぇー!なんでなんで!」
疚無家の血筋というのは怖いものだ。血は争えないとはまさにこのことか。それにしても従姉も長兄も考えることが一緒だとは…この女も就任1日目でクビになるのだろうか…
「じゃあ、俺と撫子は先に出るから」
「はいはーい、行ってらっしゃい!行ってらっしゃいのチューする?」
それを言うなら「いってきますのチュー」だと思うのだが俺はそんなもの望まない。てか、いよいよ青少年保護育成条例に抵触しそうだ。
「しない」
「だよねぇ。ファーストキスはさすがにダメだよねぇ…ざーんねん」
この女は朝から唇に接吻をぶちかまそうとしてたのか。危険すぎる。
「あ、あの、お兄ちゃんの…ふぁ、ファーストキスは…」
「な、ナデシコ、イマ、ソノ、ハナシワ、イイダロ…」
「えっ!うそ!もしかして!?」
「いいから!帰ってきてからにしてくれ!」
「ほいほーい!楽しみにしておくねー♡」
まさか撫子が失言するとは…想定外だ。くっ、弥勒姉のにやけ顔が目に見える…
朝のHR、担任の梅ノ木先生から業務連絡があった。
「おはようございます、皆さん。昨日の今日で申し訳ありませんが、今日からもう1人、新任の先生が来てくださいました。疚無 弥勒先生という方で担当教科は体育、3年E組の主担任をするそうです。授業はもちろん校内で会った時は挨拶を忘れないようにね」
疚無というワードが登場した途端、クラスメイトの視線が俺に集中した。それもそのはず、昨日の今日だからだ。ちなみに2日連続の新任式なんてやっている時間がないので弥勒姉のことは業務連絡としてまとめられてしまった。これに関しては致し方ないだろう。
『アイツは辞めたんか?』
と、皆が疑問に思っていることだろう。だが、俺も知らない。母親からも何も聞かされていないんだ。もしかしたら島流しの刑に処されたのかもしれない。
「それと…イサギくん、放課後、生徒指導室に来るように」
結局そうなるの!?あの名折れ先輩め…!!許さん…!!
「1時限目は化学…か」
「イサギくん、移動教室だってー!早く行こー!」
「教えてくれて助かったよ、春野」
春野 菜花…4月と5月はそうでもなかったが昨日の鬼ごっこの後から急に距離が近くなったと感じるのは俺だけだろうか。一体何を考えているのか全くわからないが敵意は感じないから放っておいても構わないだろう。
理科実験棟は3階の2年棟の奥にある。そういえば理系科目の移動教室は初めてだ。オンライン(リモート)勢は移動教室自体そもそもした時がないんじゃないか?
「み、皆さん…お、お、おはようございます…改めて自己紹介…します…」
この途切れ途切れに話す暗めな雰囲気の教師こそ理系科目の新任教師、志倉 円先生だ。昨日の新任式では兄貴…受刑者のインパクトが強すぎたため、ほとんど覚えている人はいないだろう。
「し、志倉…ま、円…です。よ、よろしく…」
ぱちぱちぱちと拍手をすると顔を赤らめていた。ちょっとかわいい。最近自分より身長が低い女性に対して可愛いという印象を持ちすぎだな、いかんいかん。ロリコンだと思われるのは嫌だ。不名誉すぎる。
「そ、それでは、じ、実験をするので、各自…グループを組んで…」
この一言が俺をこの学校から追放させることになるなんて…
ちっちゃい子、可愛いなぁっていう考えしかしていない俺は思っていなかったんだ。
次回!イサギ、まさかの追放!?の前に3年E組の様子でも書こうかしら…
私もグループやペアを自由に組んでくださいという言葉が嫌いでした…