表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/299

137話 「もう遅い」の時代は終わった。これからは…!

イサギ視点に戻ります。ちょい長めです。

「ところで、イッサはここで何してるの?」


「ジョギングとクリーンアップ。今日はいつもと違うコースを走ってたんだけど事件の匂いがして来てみたって感じだよ。んで、瑠璃先輩と会長は何をしてたんですか?」


「君が話したいことがあるという旨を瑠璃から聞いたからここに来たんだ」


「わざわざ来てくれたんですね。ご足労かけました」


「いやそれはいいんだが…瑠璃、大丈夫か?」


 瑠璃先輩は完全に魂が抜けていた。無理もない。あの窮地を1人で耐え抜いたんだ。緊張の糸が切れたんだろう。


「あらあら、なんだか大変そうね」


「他人事みたいに言うなよな…そこで寝てる男のこと、早く警察に引き渡してよ」


 そもそもアンタが引っ張ってこなかったらこんなことにならなかったんだから。そう言いたいのは山々だが体育祭の前科がある俺に人のことを言う資格はない。


「もう連絡したから大丈夫よ」


「なら、いいけど…」


「ところで疚無くん、隣の女性は知り合いか?」


「はい。この人は…」


「イッサの愛人でぇす!きゅぴん!」


 あーあ。言っちゃったよ。また話が拗れるパターンだよ。


「そ、そうか。ご、ごほん。瑠璃には言わないようにな…」


「いや、間に受けないでほしいんですけど…」


「もうそれ以上の関係だもんね!裸の付き合いっていうのかなぁ」


「は、はだか!?ゴ、ゴホン!疚無くん、君を今度生徒指導室に招待しなければいけないかもしれない。覚悟しておくように!」


 今日日(きょうび)、裸の付き合いを文字通り捉える人なんていないと思う…なんて聞いてくれないだろうな…生徒会長が生徒の声に耳を傾けないでどうする!御国のリーダーですら民の声を聞かないんだから生徒たちのリーダーくらいは生徒の声を聞いてほしい。


「それでそれで、イッサは何の話を生徒会長さんとしたかったの?」


 愛人疑惑は取り消させてくれないらしい。あとがめんどくさいが今はスルーしよう。


「話というか聞きたいことがあるんです」


「彼氏はいるのか、とか?」


「ろくちゃんは黙っててくれ。てか、帰ってくれ」


「あぁん、いけずぅ」


 いちいち(なまめ)かしい声を出さないでくれ。真剣な話をしてるんだから。


「ゴホン。聞きたいことというのは桔梗 光先輩についてです」


「ふむ。光に何かあったのかい?」


「実は今朝…」


 体育の授業が始まる前にドリル先輩が光先輩に言っていたことを生徒会長に教えた。


「なるほど。そんなことがあったのか。それで彼女は落ち込んでいたか?怒っていたか?」


「どちらでもありません。納得していたような感じでした」


「…そうか」


「ドr…禊萩先輩が言っていることは概ね間違っていないということですか?」


 あぶねぇ。生徒会長の前でドリルって言いそうになった。


「禊萩 柘榴の言い方は悪いが言っていることは間違いではない。光は桔梗 白光(はっこう)の名前を売って副会長になったということになる」


「…なるほど。わかりました。聞きたいことが聞けてよかったです」


「うむ。それでは私たちは帰るとしよう。瑠璃、行くぞ。瑠璃?」


 瑠璃先輩はブツブツと同じことを繰り返し呟いているようだ。


「なんて言ってるか全然聞き取れない。まさか俺の耳でも聞き取れないことがあるなんて…」


「はいはい。イッサも私と帰ろ。それで今日は私とお風呂に入って同じベッドで寝るの!」


「それだけは勘弁してください…」


「疚無くん…そのうち生徒指導室に来るよう連絡がいくかもしれん。もしくは風紀委員に呼び出される可能性が高い。気をつけるんだ。このことに関して生徒会は一切関与しないからな」


 生徒会長と風紀委員長が証人になるってことはガッツリ関与してるってことじゃん。何を言ってんだ、この女は。冤罪だ!冤罪だ!


「もうなんでもいいですよ。織部家の名折れになっても知らないですからね」


「君の不純異性交遊を正せるならそれでもいいッ!」


 いや良くないだろ。


「ところで、そちらの女性の名前を聞いていなかったな」


「あらぁ?やっと興味を持ってくれたのね、会長さん。私の名前は疚無(やまなし) 弥勒(みろく)。イッサの従姉妹だよん♪」


「ほう。従姉妹…って従姉妹!?愛人じゃなかったのか!?」


 秒速ざまぁというのだろうか…時代は「もう遅い」じゃなくて「まだ早い」なのか…


「織部家の名折れ…」


 新時代の到来に感極まって(?)ついついボソッと呟いてしまった。


「じゃあ、生徒会長さん。()()()()


「は、はい。お、お気を付けて!」


 急にそんなに緊張しなくてもいいと思うんだけど…兎にも角にも再登校初日は長い長い1日をようやく終えられそうだ。






「ろくちゃん…弥勒姉(みろくねえ)。さっき『また明日』って言ってなかった?俺、嫌な予感がするなぁ」


「あれぇ、言ってなかったっけ?私ね…」


 言ってなかったっけ?のパターンは嫌だ。やめろ。来るな。言うな!言わないで…


「明日から音女高校で教師やるの!」


 言うなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!





実は身内関連の元ネタは花言葉ではないです。完全に思いつきなので伏線とかないです。


明日は私用があるのでいつもよりも遅くなります。投稿時間も夜になるかもしれないです。投稿できる時はしますが期待しないでください。ご理解お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ