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132話 教室に2人きりの鉄板ドキドキタイム!?

ようやく昼食でぇい!

ところで瑠璃先輩推しって何人くらいいるんでしょうか?

瑠璃先輩のお父様推しの方が多かったりしますか?

「失礼する!!潔くんはいるかい!?」


 待望の昼休み、喧騒囂囂(けんそうごうごう)の教室でも彼女の声はおかまないなしに俺の耳に一直線に届いた。さすが風紀委員長といったところだろうか。彼女の声は生徒会長と同じくらい透き通っている(他の生徒の声が澱んでいるという意味ではない)。


「瑠璃先輩、遅かったですね」


「授業が延びてしまってね。申し訳ない」


「俺も今帰ってきたところなので大丈夫ですよ」


「今帰ってきたとは…どこから?」


「その件は食事をしながら話しますよ。どうぞ、俺の隣に」


 言ってから気づいた。不思議なくらい自然と自分の口から出ていた。「俺の隣に」なんてこれまでなら絶対に言わなかった。エスコートというわけではないがそれに近くも遠くない行動だった。目線を上げて瑠璃先輩の顔を見ると案の定耳まで真っ赤に染めていた。いたたまれない気持ちになった。


「俺の隣なんて烏滸がましかったですね。どうぞ、空いてる席に…」


「い、いや!せ、せっかくだし!き、きき、君の隣に座ろうかな…」


 風紀委員長ともあろう御人が先ほどとは打って変わって聞き取れない大きさの声で途切れ途切れに呟いた…横から視線を感じる。


「…なんでニヤニヤしてるんだよ、春野」


「べつにー?瑠璃ちゃんが楽しそうでなによりだよー」


 瑠璃先輩は楽しいらしい。俺の今の言動が気に障ることじゃないのならそれでいいのだ。


「それでは改めて…」


「「いただきます」」


 みんなで仲良く昼食をとった。食事中にいろんなことを話した。温泉旅行のこと、撫子の帰省のこと、そして先程何があったかなどを。


「へぇ、潔くんは退屈していなさそうだねぇ」


「他人事みたいに言うなよな。たまには退屈させてほしいんだけども…」


「う、羨ましい…」


 瑠璃先輩は俺が話す度にわなわなと体を震えさせたり、目をキラキラ輝かせたり、涙を浮かべてみたり…と思い出話に過剰なくらい感情を変化させていた。


「ところで、瑠璃先輩。あとで話があるんですけど少しだけ時間をいただけますか?」


「は、話…!?も、もももも、もちろんだよ!君と話すためなら喜んで時間を割くよ!何時間何日何年間話すんだい!?」


 やはりオーバーリアクションすぎる気がする。いや気を使ってくれているのかもしれない。なんだか毎回申し訳ないな。いつかまとめてお礼をしなければ。


「あはは。何年間だなんて生涯を共にするパートナーならまだしも…俺と瑠璃先輩の仲なので数分あれば充分ですよ」


「ぱ、ぱぁとなぁ!?!?」


「瑠璃ちゃん、落ち着いて。()()その段階じゃないでしょ」


 春野が顔を林檎のように染めた瑠璃先輩を落ち着かせる。まるで調教師と暴れ馬の関係だ。それにしても「まだ」とはなんだ。今はどの段階なんだ。


「昼休みの残りの時間だけでいいのでお願いします」


「う、うむ!わかった!」


 落ち着いた瑠璃先輩は快く返事をくれた。ありがたい。


「あっ!お兄ちゃんが話してる間、私は皆と他の話があるからごゆっくりね!」


「うん?わかったよ」


 撫子は俺のクラスメイトと話があるらしい。何の話だろうか。まさか、撫子は俺の情報を横流しするつもりか?まぁ、撫子なら許してもいいだろう。


 昼食後、俺は1年E組の隣の空き教室に移り瑠璃先輩と2人きりになった。


「そ、それで話とはなんだい?」


「そんなに緊張しなくてもいいと思うんですが…本来緊張感を持たないといけないのは俺の方ですし」


「は、早く話したまえ!」


「わかりました。話というよりお願いですけどね」


「お願いとは?」


織部 和(おりべ のどか)先輩と2人きりで話したいので取り次いでもらいたいんです」


「は、はぁ!?」


「ほら、俺ってあんまり信用されてないでしょう?以前織部先輩と話す機会があったのですが、瑠璃先輩と仲が良いと聞いたので…ダメですか?」


「…だ」


 聞き取れない。聴力特化しても聞き取れない。


「ダメだ!嫌だ!そのお願いには答えられない!」


 急に大声を出されると耳にダメージがッ!


「そ、そうですか。それなら仕方ないですね。やはり他人に頼るべきではなかったです。すみませんでした」


「ま、待ってくれ!」


「あ、瑠璃先輩に頼ったのが間違いだったという意味ではないので。むしろ瑠璃先輩が断ってくれたからこそ自分の浅ましさに気づけたので嬉しかったです。俺のために時間を割いてくれてありがとうございました。ではまた会いましょう。失礼しました」


「あっ、潔くん…!」


 いつも通りうんともすんとも言わせない早口言葉で話を終えて別れを告げた。


「やはり1人でなんとかしてみせよということか…さすが瑠璃先輩だ。風紀委員長…カッコよすぎるぜ!」


 さて、織部先輩…生徒会長に会うにはどうしたらいいかな。できれば早めに会って話したいんだけどな…


イサギは何を考えているのか…皆さんにはわかるでしょうか。私は傍点部を雑に配置するためフラグを回収し忘れることが多々あります。思い出したら都度過去話に戻り傍点部を消しているかもしれないです(←最低)まぁ、1度もやった時ないんですけどねっ!


瑠璃のイサギの呼び方が漢字だった(気がするので)訂正します。混乱させてしまいすみませんでした。

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