124話 作者も望まない突然始まるデスゲーム
投稿が遅れてしまいすみませんでした。
ちょっと長いです。
それぞれの思惑が交錯し体育の授業が混沌と化していたのをイサギたちは露知らずのんべんだらりと禊萩 柘榴を追いかけていた。
「イサギくん…ツノドリルさんは外にいると思います…!」
「(渾名はさておき)理由をお聞かせ願いたい」
「彼女は1人では何も出来ないクz…ただのドリルです!きっと禊萩家の者に救援要請をしたのではないかと!」
今この人、クラスメイトのこと、クズ呼ばわりしかけたような…本当に副会長なのか?確かにズバズバ言う女子は嫌いじゃないが光先輩には副会長という立場と面子がある。そういう意味ではズバズバ言わない方がいいんじゃないか…?というのは置いといて、手段は選ばないというようなことを確かに言っていた。外部の人間に頼んでまで新任教師の授業をクリアする必要性はあるのか?何か別の目的があるんじゃないか…そう勘繰ってしまうのは別に可笑しな事じゃないだろう。
「それじゃあ、昇降口に行ってみましょうか。靴があるかないかでわかるでしょうし」
とりあえずドリル先輩が外に行ったかどうかを確かめよう…だがそれよりも気になることがある。
「春野…お前は何を持っているんだ?」
「何って…バレーボールだけど?」
どこから取り出したんだ。というか、何故それを持ちながら追いかけようとしているんだ?武器か?武器にするつもりなのか?そんなに腹が立ったのか?それなら仕方があるまい。許可しよう。
「一応聞くけど、何に使うんだ?」
「ドリル2本をへし折って私の頑張りを認めさせるためだけど?」
なにかおかしいの?みたいな顔でこっちを見るな!おかしいだろ!商売道具を武器にするんじゃない!武器が商売道具なら別だけどバレーボールに殺傷能力はないからな!ボールは友達だから!そんなことやってたら本当にボールしか友達がいなくなるぞ!
「あっ、ふーん。ソ、ソッカー。ガンバレー」
「トスは桔梗先輩に上げてもらいますね!」
「えっ!?私ですか!?」
いや自分で上げろよ。本当に頑張ってたの?トスって素人に任せていいものなの?チャンスは無限大っていう考え方なのかな、この子。
そんなこんなでのらりくらりしている間に昇降口に着いたのだが…
「桔梗先輩、どうですか?ありますか?」
「ない…ですね」
「そうですか…」
まぁ、予想通りといったところだろうか。光先輩も想定内だったみたいだ。だけど、例の救援とやらがどのくらいの勢力なのかが問題だ。光先輩は救援要請はするだろうけど、どの程度のものなのかまでは分からないっぽいし…俺1人で捌けるといいけど…春野はドリル先輩のリーサルウェポンしか持ってないからトドメを刺すまでは俺が守らないといけないし、光先輩も恐らく戦うことはできないだろう。非常に悩ましいな…
「さて、どうしたものか…」
「イサギくん…私がお荷物ですよね。体育祭に続いて迷惑をかけて本当にごめんなさい。いざとなったら見捨ててもいいのでイサギくんと春野さんだけでも逃げてください」
1人でブツブツ呟いていると光先輩に心配をかけてしまった。
「いや体育祭の時も今も俺の自己満足のためにしてることなので気にしなくても大丈夫ですよ。それにただの鬼ごっこがこんなことになるなんて誰も想像できなかったでしょ?だから迷惑かけてるとか言わないでください」
「そう…ですか。イサギくんはいつも優しいですね。昔から変わらない…」
昔から変わらない…?それは一体どういう…?と質問をしようとしたのも束の間、また例のうるせぇ校内放送が聞こえてきた。
『HeyHeyHeyHeyYeah!Yeah!Pon!Pon!』
おい、第7世代の芸人の真似やめろ。あと若干DJ K○○に似てて緊張感無いんだが。
『第1回音女高校 鬼ごっこのルール説明の時間だ!ルールは簡単!普通の鬼ごっこと同じで鬼が逃げ惑う人間を捕まえたらアウト!今回の鬼は…えーと、名前なんだっけ?あぁ、2年D組ドリル!逃げる側は春野、疚無、桔梗の3人だ!殺さなければ何をしてもOK!それじゃHERE WE GO!!』
コイツ、まじでクビになるだろうな。反省したのかどうかわからないけど授業中の教室の放送は切ってるみたいだな。しかし、詰めが甘いな…校長室には聞こえているのだよ!!永遠にサヨナラ、バカ兄貴。
「なんか始まったし、みんなに迷惑かけないように外に行くか」
「そうですね」
「それにしても殺さなければなんて物騒だよね」
全くだよ。いつからスクールラブコメが学園バトルファンタジーになっちまったんだよ。誰も望んでねぇよ。
ラブコメ読みに来てるのに戦闘シーン多めで書いてほしいとか思ってる奴いるぅ!?いねぇよなぁ!?
いないですよね?作者は嫌ですよ。戦闘シーン書くの苦手だし、喧嘩した時ないし、ほんとにイメージだけで書いてるんです。それが超大変なんです!!だから戦闘シーンは控えたいのに…このバカ兄貴が…!!
次話も長めに書くのでお待ちを。