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123話 渾名が安定しないので話が頭に入ってきません

投稿が遅くなりました。ブクマしてくれてありがとうございます。

『HeyHeyHeyHey!突然始まる鬼ごっこ!逃げ続けるのは女の子!追いかけるのは男の子!叱責上等!自由な高校!校内放送マジ最高!』


 突然のラップ調の校内放送、どのクラスもどよめいているのが廊下を歩いていてもわかる。何故だろうか。背中が汗でびしょびしょだ。


「潔くん…君のお兄さん、大丈夫?」


「どういう意味の質問なのかわからないけど、どんな意味でも大丈夫じゃないと思う」


「これも校長先生の予定通りなんですか?」


「校長…いや母はいくら自由な校風だからって周りに迷惑かけるのは許さないと思いますよ。ましてや就任1日目ですからね」


 ちょっと、いや少し、いやかなりやりすぎだと思う。開き直ってしまったのだろうか、兄貴(愚者)


「たぶん気を使ってくれたんだろ。追いかける側を俺たち、逃げる側をドリル先輩っていう形にするために。残った生徒は授業内容が変更されてるんじゃないかな」


「な、なるほど。やり方はともかく、優しさから来るものということですね」


 俺はジト目で光先輩を見つめた。


「な、なんですか?」


「そういう捉え方ができるなんて光先輩は優しいですね」


「はわわ…優しいだなんて…君はどういう捉え方をしたのですか?」


「…教師の立場を悪用して弟の困り果てる顔を拝みたいんじゃないかな、とか」


「いや、さすがにそれは…」


「まぁ、俺たちはドリル先輩を追いかけないといけないことには変わりないので別にいいんですけどね」


 …全然良くない。せっかく再登校し始めたのになんてことをしてくれたんだ。恥ずかしすぎる。光先輩と春野じゃなかったらとっくに恥ずか死んでた。2人が変にイジってくるような女子じゃなくて助かった。ここでイジられたら漏らす自信がある。


「ドリル…禊萩さん、どこにいるんでしょうか…」


「ぶっ!光先輩がドリルって…ぷぷぷ…」


「なっ、なんですか!?君がさっきからそう呼ぶからでしょう!?」


「光先輩も潔くんもドリ…禊萩先輩に失礼ですよ」


「ドリ禊萩かぁ…新しいな」


「い、今のは言葉の綾だから!!」


「別にいいんじゃないか?あんだけ正面から言いたい放題あることないこと言われたんだからドリルだの絶滅髪型だのって言っても」


「どっちも潔くんしか言ってないけどね…後者に関しては初めて聞いたけど…」


「イサギくんは…彼女が言ったことは真実だと思いますか?」


 少し笑顔が見えたかと思ったが光先輩はまた俯いてしまった。


「分からない」


「そ、それはそうですよね。変なことを聞いてしまってすみませんでした…」


「わからないけれど光先輩が違うと言うなら違うと思います。俺は光先輩の言うことを信じますよ」


「あ、ありがとう…ございます…イサギくんがそう言ってくれると何故か安心します」


「俺でよければいつでも安心させますよ」


「い、いつでもはさすがに!私の身が持たないので…」


 最後の方は何を言ってるのか聞き取れなかったが安心してくれたようでなによりだ。さて、もうひとかたは…


「春野は大丈夫か?」


「…ん?あっ、えーと、大丈夫!」


 完全に意識がとんでたな。


「大丈夫ならいいけど。バレーの練習は大変か?」


「う、うん。お姉ちゃん程じゃないけどね!」


「へー。何かに悩んでたりしないか?」


「あー…身長を伸ばしたいかな…」


「どうして身長を伸ばしたいんだ?」


「身長が伸びればお姉ちゃんみたいになれるかなって。高く上がったボールも拾えるくらいになれたらなって」


「へーーーー」


「なぁに?さっきから。興味無さそう」


「だって、興味ねぇもん」


「はぁ!?そっちから聞いといて何それ!信じらんない!」


「いやぁ、お前って似てるよな」


「なんのこと?」


「俺の兄貴に」


「なんで、あんなクズッ…じゃなくて君のお兄さんに!?」


「いや間違ってないし、ここに本人いないから別に言い直さなくていいけど」


 春野は意外と口が悪いらしい。でもズバズバ言う女子は嫌いじゃない。モゴモゴモジモジする女子より話しやすい。


「春野はさっきから紫苑先輩の自慢話しかしてないからさ、俺が聞きたかったのは春野 菜花自身の話だったんだけどなぁって」


「そ、それは…禊萩絶滅ドリル先輩の言う通りだし…」


 ダメだ…ニックネームが強烈すぎて話が頭に入ってこない。


「そもそもなんで紫苑先輩と自分を比較してるんだ?紫苑先輩と春野 菜花は違うだろ?紫苑先輩になりたいのか?尊敬と憧憬(しょうけい)は別物だぞ」


「わ、わかってる!だけど…」


「まぁ、ドリル先輩を捕まえるまでに考えておいた方がいい。きっとまた同じことを言われるから」


 武に於いて強さを追い求めると己を見失いがちだけどそれはスポーツに於いても変わらないのかもな…


「イサギくん…ツノドリルさんは外にいると思います…!」


 ダメだ。何も頭に入ってこない。いつから一撃必殺になってしまったんだ。ツインテだから命中率が2倍ということなのだろうか。光先輩って結構ゲーム好きなんだな。メモっとこ。

海がはっちゃけています。就任1日目にしてクビがとびそうです。


※ツノドリルのツノは平仮名が適切だという声もあると思いますが、平仮名にしてしまうと完全にアレなので片仮名にしてちょっと誤魔化してます。


今回遅くなったので次話は今夜日付が変わるまでに投稿できるように頑張ろうと思ったのですが何も思いつかないのでやっぱり明日の昼くらいに投稿します。すみません。

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