120話 反面教師は反省しない
昨日でお盆終わったみたいですよ。なので今日からしっかり4時に投稿しようと思っていたのですが書いてませんでした。遅くなってすみませんでした。
無事セルフ恥ずか死した俺は体育着に着替えて体育館に来ていた。
「おうおうおう、一番乗りたぁ意識高い系かぁ?」
このうざったい話し方は兄貴だ。いや愚者だ。
「男子更衣室がないから必然的に俺が1番なんだよ」
「おいおいおい、教師に向かってタメ口たぁ不良かぁ?」
「お前のバッシュ、全部燃やしてやろうか?」
「まてまてまて、そりゃあ話が違うんじゃぁねぇかぁ?」
さっきから話し方がうるさすぎる。文章にしてもうるさすぎる。小さい「ぁ」が多すぎてゲシュタルト崩壊を起こしそうだ。
「今日は合同なんですか?疚無先生」
やむを得ん。学校にいる間は敬語を使って先生扱いしてやろう。ただし学校にいる間だけだ。校外で同じ話し方をしてきたら…その時は生死の狭間を3回ほど彷徨わせるくらいの苦痛を与えてやろう。
「まぁ、合同っちゃ合同だな」
なんだか含みのある言い方だ。こういう言い方をする奴に限ってろくなことをしない。つまり嫌な予感がするということだ。さて、どのクラスと合同になるのか。現時点での予想は1年、2年、3年の合同、もしくは…教師陣が参戦とかかな。
「授業内容は?」
「…親睦と体力作りを兼ねての鬼ごっこだ」
果たして俺と誰の親睦を深めるつもりなのか、コイツの考えている事なぞ手に取るようにわかる。俺と女子の誰かを組ませて全員で追いかけるんだろう。
―キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴った。予鈴の5分後に本鈴が鳴り授業は始まる。しかし、まだ誰も体育館には来ていない。果たしてこの新任教師はどう出るのか…
「よし、そろそろ時間だな」
確かにそろそろ授業が始まる時間ではあるが…何をするつもりだ?
「俺とお前が追いかけられる側だ。さぁ、逃げるぞ!」
「ふざけんな!バカ!」
「む!お前、いくら弟だからって教師にバカはないだろ!」
いやバカだろ!俺とお前の親睦なんて誰も興味ねぇわ!家で勝手にやってろ!
「俺と先生が組んで生徒は追いつけると思ってるんですか?」
「なるほど。無理だな。1年かけても無理だろうな」
それは言い過ぎ…でもないかもしれない。たぶん、恐らく、いや絶対無理だろう。
「今から校長に言ってきましょうか?やっぱりバッシュの買いすぎで金欠になってバイトを詰め込みすぎた挙句大学を中退した愚か者に教師は向いていませんって」
「お前…!それを誰から聞いた!」
「あんたが職員室でデカデカと話してたんでしょうが」
「…そうだったか?口止めさせるのを忘れていたようだ」
そんなくだらない情報を口止めさせるなんてどんだけ安い口止め料を払うつもりだったんだろうか。
「先生!遅くなってすみません!」
「ん、まだ授業は始まっていない。ゆっくり来てもいいんだぞ」
「せんせー、もう予鈴は鳴りましたー。今ゆっくり来る生徒は将来社会に出た時に脱落する可能性があるのでビシッと言った方がいいと思いまーす。あ、先生はもう大学で死んだんでしたっけ?ぷぷぷ」
「貴様ぁぁぁ!!!」
兄貴が激昂して胸ぐらを掴んできた。この流れ、グズマの時に見たわ。
「あんまり遊んでると本気で校長に言いますよ」
「コホン、お前ら、もうちょっと急いで来い」
一瞬で手のひらを返した。俺以外の生徒は見逃してると思う。
「各クラス出欠確認して報告に来てくれ」
結局どのクラスが来たのだろうか。始業時間が過ぎていたため話しかけてくる生徒はいなかった。
「それじゃあ、今から1年D組、2年D組、3年D組の合同授業を始める」
なるほど。予想は外れていなかったということか。
「今日の授業は鬼ごっこだ。外に出ても良し、中で逃げても良し、固まって逃げても良しだ」
「やったー」「ラクできる〜」「日陰で休もうぜ」
「尚、サボった生徒は問答無用で評定を1にする。定期考査で高得点をとろうが以降の授業で努力しようが結果は覆らないと思え」
「「「はぁぁぁ!?」」」
「どういうことだよ!センコー!」
華のJKの不満はもっともだ。わからないでもない。というか、令和の時代にセンコーなんて使うJKがいたんだな。そっちの方が驚きだ。
「お前らは社会に出てからも今日のは簡単だから1人でやりゃいい、とか俺がやらなくてもアイツがやるだろ、とかそう言って目の前のことから逃げんのか?授業ひとつひとつこなせない奴が結婚して子供産んで金持って豪遊できると思うなよ!」
「お、おう、わ、わかったよ…」
「わかればそれで良し!」
「それじゃ、説明続けるぞ」
やべぇ、全然わかんねぇ。あいつ、何言ってたの?自分の失敗談を美談にして語っただけじゃないか?授業ひとつこなせない奴がバイト詰め込みまくって豪遊してたって話だよな?やべぇ、この教師、訳わかんねぇ…
俺以外の生徒は見逃してると思う。を言い換えるとあの名言に…
次話は夜かなぁ…