表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/299

119話 女性の新任教師は興味あるけど男性には興味無いのは男の子だけ?

女子の場合は逆なんですかね。男性には興味あるけど女性には興味無いとか。或いはどちらにも興味があるとか。

 音女高校唯一の男子生徒であるイサギは全校集会の様子をモニターで見るため保健室に移動していた。


牡丹(ぼたん)先生、お久しぶりです」


「潔くん、久しぶりね。体調はどうかしら?」


「まあまあです。梅雨の時期はやはり苦手ですね」


「ふふふ、私もそうよ」


 保健室の先生である葉 牡丹(よう ぼたん)先生と世間話に花を咲かせていた。


「新任の先生ってどういう人ですか?」


「そうねぇ、女性の先生は背が低くて大人しい感じがしたわ。男性の先生は身長は撫子さんくらいで元気な()()って感じね」


 なんで比較対象が撫子?そして栗頭?栗頭の男?身内に1人いるが、アイツは大学生だ。ありえない。


「へぇ、独特な表現で観察してるんですね」


「ふふふ、よく言われるのよ、それ。さぁ、始まるわよ」


 牡丹先生は俺との世間話を終わらせ集会(の映像)に集中するように誘導した。質問は受け付けないということだろうか。


『ふむ…よし。みんな、きちんと制服で登校してくれたようだな。普段オンラインで授業を受けている生徒も元気そうでなによりだ。今日は新任の先生を2名紹介する。それでは両名登壇してくれ』


 校長の挨拶が終わる。撫子が帰省して帰ってきてから何も聞いていないが母は元気そうだ。兄と弟は恐らく元気だろう。兄は大学に行っているだろうか?弟は学校で勉学に励んでいるだろうか?いや、励んでいないだろうな。


『えーと、今日から体育(実技)を担任することになりました。疚無 海(やまなし かい)と申します。よろしくお願いしゃす。知ってる人もいるかもしれないけど、疚無校長は実母です。まぁ、そんなの関係なく気軽に接してくれるとありがたいです。改めてよろしくお願いしゃす』


 ―パチパチパチ


「はっ?えっ?はっ?えっ???」


 いやいやいや、いやいやいやいや、お前、なんで、ここにいるん?大学どうした?辞めた?は?辞めたの?金欠祟って辞めた?


「潔くん、次の先生が出てきますよ」


 いやいや、牡丹先生、あんた知ってただろ。整理できないんだが。身内が突然教師になった件について。小一時間問い(ただ)したいんだけど。


『お、おはよう…ございます…きょ、きょ、今日から、音女高校で理科教科全般を担当します…志倉 円(しくら まどか)…と申します。よ、よろしく、お願いします…』


 2人目の新任教師は言葉が途切れ途切れで声が震えていた。それもそのはず500人以上の生徒を前にしているのだ。それはそれは緊張するだろう。


 なんだか入学してすぐの愛に似てるな。あのオドオド感、ちょっと可愛いな。身長は愛や夏原先生よりも高いが160cmあるかないかくらい。黒髪ショートのオン眉…ってやつか?いや、そんなことより…


「先生、知っていましたね?」


「ふふふ、そりゃ知ってるに決まってますよ。でも守秘義務というのがありましてね」


 こんな情報が守秘義務として扱われるくらいの機密事項なのか?だったら職員会議で話し合われること全部機密情報になってしまうんだが。


「あーあ、これから体育の時間はアイツと顔を合わせないといけないのか…そもそもアイツはなんでここに…」


「大学を中退したって聞きましたよ」


「えっ!?理由とか聞きました?」


「確かバイトをしすぎて単位を落としすぎたとかなんとか。それで校長がご立腹だったみたいで罰として体育教師に就くことになったようです」


 それが本当ならこれから兄貴を愚者として扱わなければならない。なぜならバイトのしすぎはバッシュ集めをやめれば防げたことだからだ。結局金欠が祟ってんじゃねぇか。


「何が罰なんだか…ご褒美じゃねぇか…」


 ブラコンの兄貴にはもってこいの(褒美)だな!てか、くだらない話題を職員室で話すんじゃねぇ!俺が恥ずかしい目にあうやつじゃん!


「とりあえず教室に戻ります。ありがとうございました」


「あら、そう?わかったわ。元気な姿を見せてくれてありがとう。また顔を見せに来てね」


「はい。失礼しました」


 牡丹先生もかなり世話焼きな先生だ。養護教諭というのはあそこまで世話を焼いてくれるのが普通なのだろうか。俺が特別なのだろうか…いや、そんなわけないか。1人の生徒を優遇するなどあってはならないことだからな。


 そして再び教室の前に立った俺。やはり緊張する。1日に2回緊張してどうする。挨拶して入るわけでもないのだから普通に、そう普通に入ろう。


 ―ガラッ


 ―スタスタスタスタ


 ふぅ、なんとか普通に、普通に?着席できたぞ。周りの目はどうだ?


「なっ…!?」


 俺は驚くべき…(後から冷静になればそこまで驚かない)光景を目にした。教室の中に…!!!







 誰もいなかった。まだ誰も帰ってきてなかった。超恥ずかしかった。

この小説、低身長キャラ多くなぁい?作者の好みが伺えますね(違います)


※追記

投稿直後に100人以上の方にアクセスしていただき大変嬉しいです。後書きに書こうと思って忘れていたので書きますが、イサギの兄の海がバイトのしすぎで大学を中退したというエピソードは作者の兄に実際に起きたことです。正確には作者の兄はゲームの買いすぎで金欠になったのですが、まぁ、なんにせよ、愚者ですね…(小声)


そういえばお盆はいつまでですか?私にはわかりません。平均気温が25℃以下になればお盆は終わりでしょうか?


次話はお盆が終わる頃に…また会いましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ