閑話③ (いうほど離れていないけど)待望の再会
投稿遅れてすみません。墓参とか色々あって遅くなりました。
撫子が久々にイサギと再会してはっちゃけます。
「撫子ちゃん、そろそろ着くぞ」
「んーーー!やっとー?」
「そんなに帰りたかったのかよ…」
「いや、お兄ちゃん不足!」
「ブラコンもここまでくるとヤバいな」
「アニっち達に言われたくないけどね…」
「アパートの前で降ろすから。潔によろしくな」
「りょーかいっ!アニっち、送迎ありがと!」
「どういたしまして。また行きたくなったら呼んでくれ」
むっ!ニヤニヤしてる!私がもう行きたくないってわかってるくせに!
「お兄ちゃんが行きたいって言わない限り私から呼ぶことなんてないと思うけど?」
「へっへっへ、そう言うと思ったわ」
アニっちの車から降りて玄関のドアノブを捻じると鍵がかかっていなかった。てことは…
「ただいまー!お兄ちゃん!」
「ん。おぉ!おかえり、撫子」
久々のお兄ちゃんエナジー補充!
「ねぇ、抱っこして!」
「えっ!?今までそんな要求してきたことないよな?いきなりどうしたんだ?」
「いいから!お願い!」
お兄ちゃんエナジーを手早く補充するにはこれが1番!
「抱っこって言うけど、俺の身長、撫子とそんなに変わらないんだけど…」
お兄ちゃんの身長は178cm、私の身長は前よりちょっと伸びて173cmだ。私をそのまま抱っこしようものならお兄ちゃんは後ろに倒れるだろう。どうするのかな?
「んじゃ、こうするしかないか…」
「ひゃっ!」
背中と両足の下に腕を入れられて持ち上げられた。
「なんでお前がびっくりしてんだよ…これを望んでたんじゃないのか?」
ただのハグでも良かったんだけど…やっぱり天然だなぁ…
「えへへ、お兄ちゃん、大好きだよー」
ほっぺにキスしてあげたらお兄ちゃんの顔と耳が赤くなった。
「こういうのは誰にでもするものじゃない…らしいぞ」
「大好きな人だからしてもいいんだよー」
「そ、それならいいけど…」
「照れてるの?」
「こういう時は照れた方が女性受けが良いって指南書に書いてた」
指南書って…ラノベではなさそう。ラブコメかな?
「素直になればいいのにー」
「撫子は素直な方が好きなのか?」
「えっ、いや、私は…」
今までこんなこと聞かれたことない!旅行中に何があったの!?誰がお兄ちゃんを変えちゃったの!?
「んー、その人にはその人の良さがあるだろうし、その人らしさがあれば素直じゃなくても別にいいかな」
「ほう。いい答え方だな。俺も無理に人格をねじ曲げる必要は無いと思う」
「あはは、同じだね」
「そうだな。ところで、この状態はいつまで続けるんだ?」
「んー、私のお兄ちゃんエナジーの補充がマックスになるまで!」
「なっ…!?」
あ、この反応はマズイ…
「なんだ、それは!俺にも分けてくれ!撫子エナジーを!!」
厨二病とシスコンが拗れてるし、それはさすがに照れる!
「は、恥ずかしいから…」
「ど、どうすれば分けてもらえるんだ?こうか!こうすればいいのか!?」
お姫様抱っこ状態で顔を近づけられてほっぺをすりすりされた。や、ヤバい…熱が伝わっちゃうぅぅ…
「おっ?撫子の体温を感じるぞ。これであってるってことだな」
「ま、待って!お兄ちゃん!合ってるかもしれないけど、今はダメッ…!」
「照れてるのか?」
「これで照れなかったらロボットだよ!」
「そうなのか?照れるタイミングがわからないな」
お兄ちゃんは照れるタイミングが分からないらしい。天然でそれならもはや犯罪レベルだけど。
「混浴した時は恥ずかしさはなかったけど照れはあったな」
「…は?」
「先生達と愛の妹と紅花さんと混浴したんだけどさ…って、なんか怒ってる?」
空気が張り詰めている。いや張り詰めさせたのは私なんだけど。
「怒ってないよ!いや怒ってる!いややっぱり怒ってない!」
「どっちだよ」
悔しい!!こうなったら…!!!
「今日は私と一緒に入ろ?」
「水着着用が前提だぞ」
「わ、わかってるよ!」
わかってなかった。思い切り裸の付き合いだと思ってた。はっず!
「いや、やっぱりやめよう」
「なんで!?」
「撫子は俺にとって特別だから…」
「っ…!!!」
キューーーーーーーーーーーン…胸が高鳴った。心拍数が上がっている(気がする)。
「そ、それなら、またの機会にしよっか…」
「お、おう…」
立ち位置が妹固定は予想以上に辛い…
今日はわりと忙しかった…疲れた…眠い…妹欲しい…
次話は最高気温が25℃以下になったら投稿します。