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116話 エピローグ:明石 藍 ~4章フラグを添えて~

3.5章最終話は藍ちゃん視点です。

フランス料理の名前っぽくしてみました。

(タイトルが思いつかなかったから)

「んー!はぁ…イサギお兄ちゃん達、もう帰っちゃうんだ…」


 寂しい、退屈、悲しい、もっと一緒にいてほしい…生まれて初めての感情に戸惑いを感じた。次はいつ来るのかな…次はもっと長くいてほしいな…次は一緒にお出かけしたいな…次は、その次は、さらに次は、と何年先の未来もイサギお兄ちゃんのことで頭がいっぱい!


「愛お姉ちゃん」


「どうしたの?藍」


「私、最近おかしいの」


「どこか痛いとか?」


「んーん、違うの。頭の中がイサギお兄ちゃんのことでいっぱいなの」


「へ、へぇ…そ、そうなんだ。私はその相談に乗れないかな…お母さんに聞いてみたら?」


「うん…わかった」


 愛お姉ちゃんはイサギお兄ちゃんって言葉を聞いた途端、おどおどし始めた。何かあったのかな?意外と愛お姉ちゃんも私と同じだったり?なんて、ありえないかぁ。


「ねぇ、お母さん」


「どうしたの?藍」


「私、最近おかしいの」


「あらあら、どんなふうにおかしいの?」


「イサギお兄ちゃんで頭の中がいっぱいなの…」


「あらあら…大丈夫よ、藍。私もだから、ふふふ」


 お母さんはいつも笑顔だけど、イサギお兄ちゃんって言葉を聞いた途端、いつも以上に笑顔になった。お母さんもイサギお兄ちゃんで頭がいっぱいなんだって!


「じゃあ、おかしくないの?」


「うん、おかしくないわよ。むしろそれが普通なの」


「よかったぁ!イサギお兄ちゃんのこと嫌いにならなくて!」


「潔くんを嫌いな人なんていないわよぉ、ふふふ」


「そうだよね!かっこいいし、優しいし、おもしろいし、楽しいもんね!」


「よくわかってるじゃない、えらいわね、藍」


「えへへ」


 イサギお兄ちゃんの良いところを言ったらお母さんがほめてくれた。嬉しかった。お母さんもイサギお兄ちゃんのことが大好きなんだ!


「そんなに好きなら今度潔くんの家に行きましょうか」


「えっ!いいの!?行きたい!」


「お勉強を頑張ったら連れて行ってあげるわよぉ」


「がんばる!勉強も運動もお手伝いもがんばる!」


「ふふふ、夏休みに連れて行ってあげるからねぇ」


「わぁい!楽しみ!」


「ふふふ、藍が潔くんの魅力に気付いてくれてよかったわぁ。これでウチから2人の求婚者が出るのだから明石家が()()だわぁ、ふふふふふ」


 きゅーこんしゃってなんだろう?まぁ、いっか!イサギお兄ちゃんとお別れの挨拶してこようかな!


「イサギお兄ちゃん!」


「おっ、藍ちゃん。お世話になったよ。いろいろありがとうな」


「んーん!こちらこそお世話になりました。助けてくれてありがとうございました」


「あはは、ちゃんとお礼を言えるなんてえらいね」


「私、えらい?」


「うん、えらいよ」


「じゃあ、なでなでしてー!」


「もちろんいいよ」


 やっぱり、イサギお兄ちゃんに撫でてもらうと気持ちいい。わんちゃんとかねこちゃんじゃないけど眠くなってきちゃう。桃お姉さんと詩お姉さんが帰りの支度をしながら私の事、というよりイサギお兄ちゃんのことを見てるけど…あ、お姉さんたちにもお礼を言わないといけないよね!


「桃お姉さんと詩お姉さんもありがとう!楽しかったよ!」


「私も楽しかったわよ、藍ちゃん」


「こちらこそありがとうございました、藍ちゃん」


「はぁ…そういうことか…」


「どうしたの?イサギお兄ちゃん」


「はいはい、2人ともえらいえらい」


 イサギお兄ちゃんがお姉さんたちの頭をなでなでしたらお姉さんたちの顔と耳がりんごみたいに真っ赤になった。


「い、イサギくん?これでも私、歳上なんだけど?」


「そ、そうですよ!一応先生なんですよ!」


「小学4年生の女の子を20代半ばのうら若き女性が羨ましそうに見てたので、ついつい。嫌だったらすみませんでした」


「「嫌じゃないけどっ!」」


「ふっ、よかったですね」


「ほんと、相変わらず意地悪ね」


「そこが可愛いんですけどね!」


「まぁ、若気の至りってことで」


 何を話してるのかわからない。だけど、たくさん勉強して難しい言葉を覚えてイサギお兄ちゃんやお姉さんたちとお話したいなぁ!


「イサギお兄ちゃん!また来てね!」


「ん?もちろんだよ。でも来週の土日にまた来るけどね」


「ほんと!?やったぁ!嬉しいな!それまで勉強とかお手伝いとか頑張るから!次来たらまたなでなでして!」


「うん、いいよ。じゃあ、頑張ってね。でも無理しちゃダメだよ」


「うん!わかった!」


 えへへ。イサギお兄ちゃんのなでなでがご褒美ならずっと勉強できるかも!





「じゃあ、そろそろ帰ります。改めてお世話になりました」


「紅花さん…じゃなくて女将さん、今回はいろいろとありがとうございました」


「それと、いろいろとすみませんでした。教師としてまだまだ未熟だと思い知らされました。これからより一層精進して彼と並べる人間になれたらと思います」


「ふふふ、最後に彼の隣に並べるのは誰かしらねぇ。1人とは限らないかもしれないわよ?」


「…何の話をしてるんですか。その手の話は俺の前でしないでください。反応に困るんで。どうしても話したいなら連絡先でも交換すればいいじゃないですか」


「確かに!じゃあ、紅花さん、連絡先の交換を!」


「ええ、いいですよ。それじゃあ、さっそくグループに招待しますね」


「えっ?ちなみに何のグループですか?」


「あら?潔くんはこの手の話が嫌いだったのではなくて?」


「ぐっ…嫌な予感がする…俺の知らないところで誰かが…というか1人しかいないが良からぬことを企んでいる気がする…」


「と、とりあえず、潔くん!先生方!また学校で!」


「おう、またな〜」


「それではまた学校でお会いしましょう」


「さようなら!」


 かくして1泊2日の温泉旅行は、いつの間にか3泊4日に変更されたもののトラブルに見舞われたがなんとか終わったのだった。






「ところで、イサギくん、来週から登校するの?」


「はい。そうしようかなって」


「そうなんだ。それじゃあ、グズマ先生に代わって新しい先生も入ったから紹介しないとね」


「へー。今度はまともな人だといいですねー」


「イサギくん、その言い方は失礼ですよ…」


「まぁ、期待はしないでおきますよ。過度に期待して関わるとトラブルに巻き込まれそうなので」


 こうしてイサギはまた1つ、巻き込まれフラグを立てるのであった。

投稿が遅くなってしまいすみませんでした。これで3.5章はようやく終わりです。


次話は登場人物紹介の投稿をする予定ですが、新キャラがいなさすぎるので裏話を少し載せて投稿します。


その後は4章です。

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