13話 ザックリ回想編 中3冬 後編
放課後、ハブられていることに気づいた俺はアレをやってみたくてすぐに行動に移した。
~自宅にて~
「母さん」
「どうしたの、潔」
「俺…ハブれてるんだ」
「………」
母は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔でこう言った。
「じゃあ、学校辞めましょうか」
卒業直前に何言ってんだ俺の親…と唖然としていたら
「潔は成績が良いから私の薦める高校を特例で受験して合格したら中学校を辞める!どう?いいよね?よし!決まり!」
このように畳み掛けてきた。常々親バカだと思っていたが、これではバカ親だ。まぁ、結果オーライだな。アレというのはざまぁのことだしな…ただ、このままだと「ざまぁ」展開ではなく「まざぁ」展開なんだが…
「それで受験日はいつ?」
「そんなのいつでもいいわよ」
「は?」
「その学校、いろんなことが自由なことが売りだからね。受験日もいつでもいいの」
「あ、あはは…面白いね…」
思わず引きつった笑いをしてしまったが、その校風は確かに魅力的だ。面白そうだし、明日受験してみようか。
~翌日~
「合格したよ」
「学校の手続きしといたから特例で卒業証書貰っといたわよ」
「わーい、俺がいない教室どうなってるか白根に聞いてみるね」
「やほ、白根」
『潔!?今どこで何してんの!?』
「家でゴロゴロしてる」
『先生から聞いたよ。特例で卒業証書渡したって。どういうこと?』
「まぁ、それに関しては後ほど。ところで先生がそれ言う前に俺の机に落書きされてなかった?」
『めちゃくちゃされてたよ!もう先生カンカンで!』
「やっぱりバカとか死ねとか書かれてた?」
『うん、バカ…真面目とか、死ねなんて本当は言いたくないから戻ってきて!とか勝ち逃げすんな!とか私が悪かった!とか』
めちゃくちゃ悔やんでるじゃん…追放後悔するの早すぎるだろ…ざまぁの意味無いじゃん…
「そ、そか…」
『潔はどこの高校受験したの?』
「めっちゃ自由な学校としか聞いてないから学校名がわからないな」
『わかった!』
何がわかったんだろう?
『じゃあ、また高校で!』
「お、おう」
「ざまぁ」はタイミングを間違えると自分に帰ってくるということを学んだ俺は目立つことを避けて生きようと決心したのだった…
が、しかし、まさか高校で男子1人という現実を突きつけられ早速目立ってしまうのだった。
ざまぁが上手くいくのはラノベの中だけである。
回想編は(2話分しかないけど)完結です。
※余談などは閑話として載せる予定です。
次話からようやくクラスメイトを登場させる予定です。