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101話 高校1年生は小学4年生とラブコメする

イサギ視点です。人妻も出てきます。

「藍ちゃん、ご飯美味しかったねー」


「美味しかった!」


 イサギは愛、詩、桃と一緒にいたくなかったため藍の部屋に泊まることにした。


「まさか藍ちゃんの部屋に泊まることになるなんてね」


「これってお泊まりデートだよね!」


 …違うと思う。


「…どこでそんな言葉覚えてきたのかな?小学4年生じゃ早すぎるんじゃないかな?」


「そんなことないよ!皆やってるよ!」


「へぇ、最近の小学生はマセてるんだね」


「マセテル?」


「大人びてるって意味だよ」


「イサギお兄ちゃん、物知り!大好き!結婚して!」


 梅ノ木先生ばりに飛びすぎなんだよなぁ…


「あ、あはは、あははははは…聞かなかったことにするね…」


 自分のこともままならないのに結婚なんて考えられない。ましてや恋愛すらもできてないんだから。あの人たちだって女ばかりの学校に男が1人いるから俺を狙ってるんであって、そこに真の愛は存在しないんじゃなかろうか。


「ねぇ、お兄ちゃんって好きな人いるの?」


 おっと、お泊まり会定番の恋バナかな?仕方ない、乗ってあげようか。


「うーん、難しい質問だね」


「そんなに難しくないでしょ!私はね、いるよ!」


 知ってる。さっき聞いた。拉致事件以降ずっと聞いてる気がする。


「誰かわかる?」


 えー、誰だろう…俺?って答えればなんか負けた気がするから黙っていよう。


「それはね…イサギお兄ちゃんだよ!!」


 ほらね?よかったぁ…自惚れじゃなくて。


「へ、へぇ。それは嬉しいなぁ…俺も藍ちゃんのこと好きだよ」


「わぁい!両想いだね!」


 しまった。やらかした。そういう意味合いはなかったんだけど。


「ソ、ソダネー」


 まずい。北国のアイスホッケーチームみたいな返しをしてしまった。


「冗談はさておき、イサギお兄ちゃんの好きな人教えて!」


 待って!冗談だったの!?どこからどこまで!?めちゃくちゃ自惚れじゃん!はっず!死にそう!


「好きな人かぁ…」


 とりあえず俺に好意を寄せてるであろう女性陣を整理してみよう。まずは白根…はないな。彼氏いるって言ってたし。次に愛…もないな。友達以上は望まないって断言してたから。撫子もない。義理とはいえ妹だから。


「うーん…意外といるな…」


「そんなにたくさんいるの?」


「いや、いないかも」


 瑠璃先輩…出会った当時は思わせぶりで苦手だったけど今は結構アリっちゃアリかもしれん。光は…姐さんにはいろいろ恩があるけど恩情と恋慕は違うからナシかな。そもそも好意すら感じないが。あとは先生方だが…ぶっちゃけ無いな。他の生徒以上に馴れ馴れしいしスキンシップが激しすぎる。距離感の詰め方がエグい…


「気になる人なら1人…」


 待てよ、雅は…雅から好意は感じないが俺はちょっと気になってる。気になるというのは恋愛感情なのか、それともただの興味なのか…難しいな。


「気になる人は2人かな」


「へぇ〜、それって愛お姉ちゃん?」


「違うよ。愛はただの友達だよ」


「そっかぁ。お姉ちゃんと結婚してくれたら妹になれるのになぁ」


 一体どこでその仕組みを覚えたのか…ラノベか?ラノベなのかッッッ!?


「イサギお兄ちゃん!もう1回お風呂入ろ!」


「あー、うん、いいよ」


 まぁ、藍ちゃんだけなら別にいいか。他が入ってきたらダルいけど。





 藍ちゃんと入浴したが特に何もなかった。そういえば他の宿泊客を全く見ないが、これはもしかして、もしかするのか?いや、さすがにそんなことはないだろう。


「女将さん、今日は他の宿泊客はいないんですね」


「ふふふ、潔くん…いえ、お得意様(疚無様)ですもの。もちろん、貸切ですわぁ」


 そんなことだと思ったよ…


「じゃあ、藍ちゃん、もう寝ようか」


「うん!おやすみ、イサギお兄ちゃん!」


「おやすみなさい、潔くん」


 妙だな…この部屋には俺と藍ちゃんしかいないはず。


「…何してるんですか」


「ふふふ、何って…夜這いよ。よ・ば・い♡YO・BA・I♡」


 3回言ったぞ、この人。


「夜這いっていうのは寝る前にするものじゃないですよ。今の女将さんはYA・BA・Iだけですからね」


「ふふふ、藍、私と藍でお客様をサンドイッチしちゃいましょうか」


「それいいね!」


 良くないだろ!サンドイッチっていう言い方やめてくれ!小学4年生にどんな提案してんだよ!


「イサギお兄ちゃん、抱っこして」


 藍ちゃんが俺の隣で横になりながら両腕を広げてハグをお強請りしてきた。可愛すぎて断れない。


「えぇ…うん、わかったよ…」


「ぎゅー、イサギお兄ちゃん、あったかぁい」


「…女将さん、後ろから胸を押し付けるのやめてくれますか?」


「ふふふ、特別なサービスよぉ」


「ここってそういう店じゃないですよね?」


「ふふふ、どうだったかしらぁ」


「それに旦那さんいるでしょ」


「あぁ、そういえばそんなのもいたわねぇ。そんなことより今は他の男のことなんて忘れさせてほしいわぁ、ふふふ」


「そんなの」だの「そんなこと」だの、ツッコミどころが多すぎて追いつかない。


「はぁ…今日だけですよ」


「潔くんは相変わらず優しいわぁ」


「女将さんは相変わらず甘え上手ですね…でもあんまりその立派なものを押し付けないでください。一応男の子なので困ります」


「あらあら、そうだったわねぇ、あと2年しないとダメだったわねぇ」


「そういう問題じゃないですが…もしそういう話をするなら離婚届を書いてからにしてくださいよ」


「ふふふ、本当に書いちゃうわよぉ?」


「冗談のつもりだったけど本気で書きそうだからやっぱりナシでお願いします…」


「ふふふ、潔くんとお話するのは楽しいわぁ。今日はありがとうね。それからいろいろとごめんなさいね」


「女将…いや紅花さんのせいじゃないですよ」


「そう言ってくれると嬉しいわぁ、ふふふ」


 相変わらずよく笑う人だ。そして冗談なのか本気なのかイマイチわからない人だ。そして背中を圧迫する力が少し強くなった気がするんだが…?果たして寝られるのか?寝込みを襲われるんじゃないか?


 そんなことを考えていたけれど、結局眠ってしまった。うつ病によって性欲と食欲よりも睡眠欲が勝ってしまった…とも言えるのかもしれない。実際のところわからないが。






※イサギはEDではありません。ついていないわけでもありません。下世話な注意ですが、勘違いされたら困るので一応書きました。改めて言いますが、この物語の主人公は男です。


次話は19時~21時までに投稿できたらいいなぁ

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