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95話 3.5章は本編に関係ないとか言いつつガッツリ関係ある回です

長らくお待たせしました。イサギの家系や過去が紅花から語られます。

珍しくシリアス回です。


タイトル通りです。文句は過去の作者に言ってください。現在の作者は受け付けません。

「梅ノ木先生と夏原先生はそもそも疚無家がどのような家系かご存知でしょうか?」


「申し訳ありませんが、わかりません」


「勉強不足ですみません」


 桃と詩はお互いに頭を振った。


「いえいえ、大丈夫ですよ。この地に元々住んでいる者や居着いて長く経つ者しかわからないかもしれませんね。疚無家はここ音女(ねおん)市を古くから支えてきた家系です」


「それとイサギくんにどんな関係が…?」


「疚無家は表社会だけではなく、裏社会でも生きていけるように幼少期から鍛錬を積むのです。潔くんはもちろん弟の零くんや兄の海くんにも師がいました。潔くんの師は水野 竜胆…水野 白根さんのお父様でした」


「彼の強さはそこにあったんですね…」


「ええ。彼は()()()は誰にも負けないでしょう。しかし、彼は物理的な強さしか教えられなかったのです。中身はとても弱く脆い少年なのです」


 女将は声のトーンをさらに落とした。


「潔くんは今まで敵意や悪意を向けられて生きてきました。しかし高校入学後は多くの人から好意を向けられたため戸惑ってしまったのでしょうね。素直に受け止められたら良いものの、何か裏があるのではないかと深読みをしてしまうのが疚無 潔という少年なのです。実際彼は中学3年生の冬…いえ、これ以上私が言うことではありませんね」


 女将は中学3年の冬に何があったのかを教えてくれなかったがイサギの担任と副担任は事情を大体把握した。


「だから、桔梗さんのお母様や唐草さんのお父様が可愛がっていたんですね」


「はい。彼らは昔から疚無家と繋がりがあり潔くんの事情も知っているため自分の子供と同じくらい愛を注いでいるのです。潔くんは親バカと言っていますけどね、ふふふ」


「なるほど、イサギくんのことは納得がいきました。ですが、この話は話してもよかったんですか?」


「はい。信用に足る者なら話しても良いと勇さんから言われているので」


「それで、愛さんは…?」


「愛は1つコンプレックスがありまして…」


「コンプレックス…ですか?」


「愛は身長が低いため未だに小学生と間違えられたりするのですが、体型が大人びていて男子の目が気になるため音女高校に入学したのです。そのため男子と積極的に関わる機会がほとんどなかったのです」


「それで妹の藍ちゃんにイサギくんが盗られたと思っちゃったんですね…」


「そこでさっきの話に繋がるのが潔くんの『好き』という言葉の意味です。彼は好意を素直に受け取るようになったのですが『好き』という言葉に対して『好き』以外の言葉で返すことは関係を悪化させるのではないかと思っているみたいなのです」


「つまり藍ちゃんに向けての『好き』には…」


「そうです、恋愛感情が含まれていないと思われます。あくまでも推測ですけどね、ふふふ。今回は私の教え方が少し悪かったので愛には私から少し灸を据えておきますね。それでは、また夕食時に会いましょう」


「細いお姉さん!ちっちゃいお姉さん!イサギお兄ちゃんにありがとうって伝えてほしいの!」


 細いお姉さんは桃を、ちっちゃいお姉さんは詩を指しているのだろう。


「ええ、わかったわ」「はい、わかりました!任せてください!」


 女将は藍を連れて旅館の奥に行ってしまった。





「「それにしても…」」


「細いお姉さん…」


「ちっちゃいお姉さん…小学生に言われるなんて…」


 桃と詩は思いのほか心に傷を負っていたようだ。やはり子供は残酷である…

次話は今夜までに書こうかなと思います。

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