94話 無知で無垢な子供が1番こわい
執筆中に寝落ちしました。申し訳ありません。
微シリアス展開に注意です。
※いつからか忘れましたが、主人公の名前をカタカナ表記にしました。その方が読みやすいし、この小説のタイトルにあっているからです。勝手に変更してしまい申し訳ありませんでした。これからもよろしくお願いします。
イサギは織田を撃退し離れた場所にある倉庫を出て本館に向かっていた。しかし、倉庫を出たあたりから愛にいつもの元気がなかったため心配していた。
「愛、さっきから元気ないけど大丈夫か?やっぱり怪我してるんじゃないか?」
「ふん!別に!してませんけど!」
なぜ、こんなにも怒っているのか。イサギは「怒っている」という感情は読み取れても「どうして怒っているのか」まではわからなかった。
「そ、そっか。なら、良いんだけどさ。無理しないでくれよ」
「お姉ちゃん、なんで怒ってるのー?」
「別に怒ってないから!」
「はは…藍ちゃん、お姉ちゃんは眠いんだよ」
「眠くないです!子供扱いしないでください!」
子供の頃、自分が泣きじゃくった時に祖父はよくこう言っていた。
『眠くてだ。眠いから泣きじゃくるんだ』
自分がいくら否定しても結局その後よく眠っていたような気がする。お年寄の言うことはよくあたるものだった。が、今回はどうやら違うようだ。だからこそ困り果てていた。
「はぁ…困ったな…」
結局イサギは歳上を頼ることにしたのだった。
倉庫を出て20分後、ようやく本館に着いた。倉庫から本館までの距離はそこまで離れていないのだが、本館が山の上にあるため勾配のきつい上り坂を上らなければいけなかったため時間がかかってしまった。
「ふぅ、やっと着いたな。藍ちゃんは…寝ちゃったか。愛は大丈夫か?」
「疲れました…あ、いや、これくらい大丈夫です!潔くんの心配なんて不要です!」
「そ、そっか。余計なお世話だったか…ごめんな…」
「あ…」
イサギの心配は不要だったと豪語する愛は言いすぎてしまったと後悔したが、イサギは愛想笑いをし、どこか悲しげだった。そんなことになっているとは露知らず、ロビーでは教師2人と女将が迎えに来てくれていた。
「イサギくん!大丈夫!?怪我はない!?」
「先輩、落ち着いてください!イサギくんは疲れてるんですよ?」
「ふふふ、潔くん、ありがとうございました。また助けられてしまいましたねぇ」
「いえ、これくらいなんてことはないです。それに今回は出過ぎた真似をしてしまい申し訳ありませんでした」
イサギは女将に頭を下げて謝罪した。これにはいつも静観している女将も驚きを隠せなかったようだ。
「あらあら、どうしてそんなことを言うんです?頭をあげてください。頭を下げなければいけないのはこちらなのに」
「とりあえず、藍ちゃんと愛に怪我がなくてよかったです。事後処理は疚無家の者に既に委託したので安心してください。それから…まぁ、いいか…俺、もう寝ますね。それじゃまた」
イサギは諸々説明をして藍を背中から下ろして再び一礼して部屋に戻った。
「ど、どういうこと?」
「いつも強気なイサギくんがしおらしくなっちゃった…」
女将はロビーに残された愛を見て様子がおかしいことに気が付いた。
「…愛、どういうことか説明してくれるかしら?」
「いやだ…私は悪くないもの!」
自分は悪くないと一点張りの愛は走り去ってしまった。
「すみません、先生方。あの子には私から伝えておきますので。お2人は潔くんの心のケアをしてあげてください」
「はい、分かりました」
「それが教師の務めですからね!もちろんです!」
「んむぅ…お姉ちゃん…?イサギお兄ちゃんは?仲直りした?」
「藍、何があったかわかるかしら?」
「えっとね、私ね、イサギお兄ちゃんがかっこよくて大好きになったからちゅーしたの!そしたらイサギお兄ちゃんも大好きって言ってくれたの!」
「「えっ」」
「その後くらいから愛お姉ちゃんの元気が無くなっちゃったの。イサギお兄ちゃんの心配なんていらない!って言ってたよ」
子供というのはよく覚えているものだ。大人よりも記憶できる量が多いのではないだろうか。そして、子供はやはり残酷だった。
「初めての感情に戸惑っているみたいですね…先生方、潔くんをどうか責めないであげてください。彼にも事情があるのです」
「その事情を教えていただけませんか?担任として、女性として、彼のことを知りたいのです」
「私からもお願いします、女将さん」
桃と詩が深々と頭を下げてお願いしたら女将は簡単に折れてくれた。
「分かりました。彼の事情を教えましょう」
いつも読んでくれてありがとうございます。
今月の総アクセス数が前月比の倍になってました!本当にありがとうございます!あと80000話は続けるつもりなのでこれからもよろしくお願いします!
※下は読みたい人だけどうぞ。見苦しい言い訳です。
3.5章を番外編にして短編にするつもりがめちゃくちゃ長くなりそうです。何が温泉デートじゃい!と思っていませんか?作者も思っています。話が違うじゃねぇか!と思ったそこのあなた!私もそう思います。
1つ言い訳をさせてください。作者はストーリーを2~3時間でその日の気分で完成させて投稿しているため、ストーリーの流れを前もって決めても全然違う結末になってることが多々あります。(これには作者自身も困ってます)
という言い訳でした。さよなら。
次話は長くなりそうなので少し更新が遅れます。期待せずにお待ちくださいm(_ _)m