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86話 天使と悪魔と恋の神様

冒頭は作者による神の声です。

前半は梅ノ木先生視点、後半は夏原先生視点です。

 早朝、高校教諭の女は生徒の自宅前に来ていた。


 ―ピンポーン


 …


 ―ピンポーン


 ……


 ―ピンポーン


 ………


 ―ピンポーン


「あぁん!?うっせぇ!誰だよ!何時だと思ってんだ!ぶっとばs…」


「ひぃぃ…ご、ごめんね…早かったよね、めんどくさいよね…」


 その女は…めんどくさかった。受け持っているクラスの唯一の男子生徒に想いを寄せる女…梅ノ木 桃は午前4時にも関わらず家に押しかけてしまった。


「梅ノ木先生…さすがに早すぎます。うちには妹がいるんですよ?もう少し気を配ってください」


「ご、ごめん、本当にごめん…」


 最近の梅ノ木は自分が教師という立場を忘れているのか、この男子生徒に教わる…もとい叱られることが多かった。内心、それに悦びを感じていたのだが…


「とりあえず、中に入ってください。朝ご飯は食べましたか?」


「いやぁ、楽しみすぎて食べないできちゃった、てへ☆」


「いい年こいて、てへ☆じゃないですよ。可愛いから許しますけど」


「か、可愛い!?もう死んでもいい…」


「イケメンアイドルに握手されたJKみたいな反応しないでください。大袈裟なんだから」


「全然大袈裟じゃないし、私にとってはそれくらいのことなんだけどな…」


「イサギくんはもっと自信持っていいのに!かっこいいんだから…」


「あ、ちょっと待って」


「えっ?なに?」


 イサギくんのかっこよさを再認識して噛み締めていると彼は私の頭を触った。


「…よし、とれた。ゴミついてましたよ…って、あれ!?大丈夫ですか!?救急車呼びますか!?」


 …私にはその時の記憶がない。


 午前5時、もう1人の高校教諭の女が生徒の自宅に来た。


「イサギくん!お待たせ!」


「全然待ってないです。むしろ早すぎます。梅ノ木先生なんて4時に来たんですから」


「むぅ、だって、イサギくんが余裕を持って行動する模範となるのが教師、みたいなことを言ったじゃん!」


「余裕を持ちすぎです。かえって迷惑をかけてどうするんですか。夏原先生と梅ノ木先生は極端すぎます」


 このちびっ子…夏原 詩は小学生ではない。身長が低いだけで年齢は24歳のれっきとした成人女性である。身長が高い者が一緒に歩けば間違いなく親子、良くて兄妹、悪くてパトロンに見られるのではなかろうか。


「それで、梅ノ木先輩は?()()()()()()()()で横になってます。なんか急に気を失っちゃったので」


 ガーン!ショック…


「あれっ?おーい、夏原先生?生きてますー?」


 イサギくんが私の顔の前で手を振っているようだが、私はもう何も考えられなかった…なんで先輩だけ…ずるい、ずるい、ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずr…


「おいっ、大丈夫か!()!」


 呼び捨てしてくれたことが嬉しくて正気に戻った。


「だ、大丈夫。でも、ちょっと寄りかからせてくれる?」


 先輩がイサギくんのベッドで寝てるんだもん。私だって甘えていいよね?


「俺なんかでよければ、どうぞ。膝枕でもしますか?」


「いいの!?」


「いいですよ」


 イサギくんの笑顔、強烈すぎりゅ…いつも小悪魔キャラでいじわるなのに唐突な優しさと笑顔…ずるい…


「梅ノ木先生が起きるまで俺の膝の上で休んでください。俺はそれまで()()()()の寝顔でも…」


「むぅ、呼び捨てにして!あとタメ口も許可します!」


「えぇ…でも…」


「じゃあ、副担任として命令します!デート中は名前を呼び捨てにするように!あとタメ口で話すように!!」


「わ、わかった、詩」


 むふー!さいっこう!梅ノ木先輩のこと、出し抜けたかな?


「じゃあ、梅ノ木先生が起きるまで詩の寝顔、見てるから」


「えっ、ちょっと、それは勘弁して、イサギくん…」


「やーだよー」


 と言いながらイサギくんは私の顔に顔を近づけた。


 ち、ちかいぃぃ…く、唇があたっちゃうよ…


 ―zzz


「い、イサギくん?寝てる?」


 スー、スーと寝息が聞こえる。イサギくんのあたたかい吐息が頬にあたってくすぐったい。そっか、私たちが早く来ちゃったから眠かったんだね。


「ごめんね、イサギくん。いつもありがとう…」


 膝の上で頭の向きを変えてイサギくんと向き合った。


「ふふ、可愛い寝顔…」


 イサギくんの頬に手を添えてみる。


「肌スベスベ…ぷにぷに…えへへ、先輩のこと、また出し抜けたかな?」


 彼の無防備な姿をみてニヤニヤと笑ってしまう悪い自分。そんな悪い自分に恋の神様からちょっとした天罰がくだり、同時にちょっとしたご褒美をもらった。


 ―チュッ


「!?」


 一瞬だけイサギくんの頭がカクンと落ち、私の唇に触れてしまった。


「あ…う…あぁ…」


 唇に触れて確かめてみる。一瞬だけ、ほんの数秒、0.1秒にも満たない時間…甘い味がした…


 漫画で効果音をつけるとしたら「ボン!」が正しいだろうか。そんな効果音をたてて私の顔から湯気があがった。そんな気がした。


 ど、どうしよう…!!!先輩、ごめんなさい!!!出し抜きすぎちゃった…!!

ぶっちゃけ深夜テンションで書きました。

朝から甘々で胸焼けにしたらごめんなさい。

今度から前書きに胸焼け注意って書きます。




次話は投稿未定ですが早く投稿できるよう頑張ります。

14時投稿です。

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