表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/299

83話 まぁ、事が上手く運ぶことなんてそうそうないんですけどね

できるだけイサギ視点をなくそうと頑張った結果、イサギと撫子2人のところはセリフだけになりました。


今回は桔梗 光の母親、白光(はっこう)視点です。

最後は甘々です。

 ~白根が学校を出た頃~


「撫子、昼飯食べたいものある?」


「んー…特にないかな。おにいちゃんが食べたいものがいい!」


「そっか。わかった。じゃあ、スーパー行ってくるから留守番頼むよ」


「りょーかい!じゃあ…行ってきますのちゅー…する?」


「いや、しないから。新婚夫婦でもあるまいし。そして、お前は義理であってももう妹だから」


「えー、たまにはいいじゃん!」


「お前、毎日求めてくるだろ。しかも上目遣いで。断るたび、俺の良心が悲鳴をあげてるんだからな。頭撫でるだけで我慢してくれ」


「むぅ、わかった…えへへ」


「それじゃ、いってきます」


 ~商店街にて~


 はぁ…最近忙しいわ。体育祭で久しぶりにあの方に会って元気をチャージできたけれど、まだ足りないわ。偶然会えたりしないかしら…しないわよね…って、いたー!!こほんこほん、冷静になりなさい、桔梗 白光(はっこう)。驚かせないように話しかけるのよ。


「あら?もしかして潔くん?」


「ん?おー、奇遇だね、桔梗の姐さん」


「本当に奇遇ですね。会えて光栄ですわ」


「あはは、またまたぁ。それはこっちのセリフだよ」


 うふふ、潔くんったら、本当に可愛いですわ。大人に対しても砕けた話し方をする器量がなんとも男らしい…生まれる歳が違ったら猛烈なアプローチをしていましたわ。


「今日は撫子さんは一緒ではなくて?」


「うん、撫子には留守番してもらってるよ」


「可愛い妹さんができてよかったですわね」


「実際義理でも妹ができてわかったけど、やっぱり可愛いもんだね。姐さんや唐草のオッサン、百合さん、紅花さんには感謝してるよ。改めてありがとう」


「うふふ、いいのよ。私たちの方こそ貰ってばかりだもの」


「何をあげたのかさっぱり身に覚えがないんだけれどね」


 身に覚えがないのは仕方の無いこと。彼の善行に助けられた者が多額のお金を献上しても受け取らずに疚無家の傘下に寄付という形で流していたのですから。それのおかげで光や瑠璃さんは学校に通えてるのですよ。本当に感謝していますわ。


「ところで、最近白根さんとお話になりましたか?」


「白根とは1ヶ月近く話してないなぁ。どうかしたの?」


「いえ、少し気になりまして。心の具合はどうですか?何か不安があればなんなりと」


「今のところは大丈夫かな。いつもありがとう、姐さん」


 彼が私を「(あね)さん」と呼ぶ理由は、うつ病に悩まされた時にお世話になったから敬意を表してとのこと。私はこれでもこの街で1番大きな病院の医師ですし、そうでなくても医師として当然のことをしたまで。これからも彼の役に立てるなら何でもするつもりですわ。そう、()()()()ね。魔法の言葉ですわ、うふふふ。




「やっと…見つけたわ…潔!」


 あらあら、私と潔くんの2人きりの貴重な時間を邪魔するなんてどこの馬の骨ですかしら?


「おー、白根。おひさー」


「あら、白根さん、お久しぶりですわ。私の事は覚えておりまして?」


「知らないわよッ!あんたみたいな()()()()、いちいち覚えてられないわよ!」


 ……


 ………


 …………


「あら?そうですか、そうですわよね」


「ちょっと待って、姐さん。時間が止まった気がしたんだけど。あと買い物カゴの持ち手、砕けてるよ」


「あらあら、このカゴったら安物ね」


「このスーパーにシンプルに失礼だと思うよ…姐さんほどの財力ならそうかもしれないけど…」


「潔!あんたに用があるの!こっち来なさいよ!」


「ヤダ、コワイヒト、ツイテイカナイ」


 潔くん、言葉に抑揚がなくなるほど怯えちゃって…ここはカウンセラーの私の出番ですね。


「そんなオバサンとデートして何が楽しいの?私と付き合った方が1億倍楽しいから!!」


 デートに見えたなんて嬉しいですわ!帰ったら光に自慢しませんと!


「あんまり大声出さないでくれ。頭痛いから」


「大丈夫ですか?潔くん。白根さん、伝えたいことがあるなら簡潔にお願いします。できないのなら出直すか、人を通してください」


「オバサンには関係ないでしょ!ひっこんでてよ!」


「あぁ…もうダメだ…姐さん、具合が悪いから先に帰るよ…」


「その方がいいですわ。送っていきましょうか?」


「いや、大丈夫。姐さんも仕事があるだろうし。また今度ゆっくりお茶でもしよう…」


 相当無理をしているのに、人を気遣う気持ちを忘れないなんて…よくできた子ですわ…ぐすん…さて、問題はこの子。


「あっ!ちょっと!待ちなさいよ!」


「水野 白根さん、でしたか。貴方は()()彼を苦しめるのですね」


「また?それってどういうこと?」


「はぁ…これは百合さんを呼ばないといけませんわ」


 この小娘にはしっかりお灸を据えないといけないようですわ。



 ~帰宅後~


「ただいま…帰ったぞ…収穫はゼロだ…」


「おかえり!おにいちゃん!留守番できてえらいでしょ!なでなでしてー!」


「お前は何歳なんだよ、まったく…」


「あれ、なんか元気ない?というか体調悪そう」


「さっきはごめんな、撫子。やっぱり頼んでおくべきだったかも」


「何を?」


「ちゅー」






 この後、めっちゃ額にちゅーされた。









この後めっちゃ○○した、という伝説の定型文を使ってみました。


暑くてやる気が起きないぃぃぃ…

みなさん熱中症には注意してください。

最近よく耳にするスマホ熱中症って「スマホを炎天下で使って人が熱中症になる」のではなく、「スマホが熱中症になる」って意味らしいですよ。知ってましたか?日本語って難しいですね。


次話18時投稿です。


あっ、温泉編忘れてた…(小声)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ