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82話 なんかいつの間にかメインヒロイン入れ替わってた

タイトル通りです。

今回は何話ぶりの登場になるのか作者ですら覚えていないあの子視点です。

「ねぇ、白根さんって疚無くんと幼馴染なんでしょ?」


 授業と授業の合間の休み時間、クラスメイトはなんとなく私に聞いた。


「幼馴染っていうか、腐れ縁っていうか…」


 今ははっきりと言えない。もう1ヶ月近く話していない。同じ高校に通えばもっと近づけると思った。一緒に登校して、一緒に勉強して、一緒に帰って、それ以上の関係になれたら尚良かった。


「疚無くんって昔からかっこよかったの?」


「全然違うよ。気取ってたのは言葉遣いだけ。外見はガリ勉メガネ君って感じかな」


「へぇ、入学したばかりの頃もメガネかけてたよね。最近は…というか、体育祭の時はずっと外してたけど」


「違うよ。体育祭が始まる前はメガネかけてたよ。コンタクト忘れちゃったんだって言ってた」


 私とクラスメイトの話に入ってきたのは明石 愛ちゃん。そっか、体育祭始まる前は愛ちゃんと一緒にいたんだ。いいなぁ。


「でもあのメガネも伊達メガネだから度が入ってないんだってね」


 へぇ、そうだったんだ。知らなかったなぁ。


「愛ちゃん、詳しいね」


「えへへ、潔くんと結構話すからね」


「いいなー、私とは交換してくれないもんな…」


 交換するわけが無い。潔は手のひらを返す人には厳しい。


「そうかなぁ。()()潔くんなら交換してくれると思うけどなぁ」


「そうなの?じゃあ、今度の定期考査終わったら聞いてみようかな!」


「うん!みんな、仲良く楽しい方がいいもん!」


 今の潔って…愛ちゃんはアイツの何を知ってるの?私より付き合いが短いくせに。


「愛ちゃんは潔のこと、本当によく知ってるんだね」


「そんなことないよ!ずっと一緒にいた白根ちゃんほどじゃないから」


 そんなに謙遜するなんて、今はもう嫌味にしか聞こえない。


「クラスメイトが嫌じゃないなら、なんで潔は学校に来ないの?愛ちゃんなら説得できるんじゃない?」


 学校に来ない理由は、あの撫子とかいう女がいるから。今の私は説得できない。愛ちゃんならきっと…そう思ってた。それはただの思い込みだった。


「あんまり話さないでほしいって言われてたけど、白根ちゃんには話すね…潔くん、五感がすごく鋭いんだって。体力テスト前まではこのクラスの出席率低かったから学校に来れてたけど、体力テスト後に潔くんを見る目が変わって机や下駄箱に手紙が入るようになってからは騒がれるのが嫌で学校に来たくないんだって。メガネをかけてた理由は外見をできるだけ地味にすれば好意を向けられることがないから。でもそれが逆効果になっちゃったんだろうね。みんな、ギャップ萌えしちゃったんだよね」


「そ、そんなの聞いたことない…」


 小学3年生から約6年の付き合いなのに、私は潔のことを何も知らない。無知のくせに友達を下に見るなんて最低だ…


「私って自分で思ってるより、潔のこと、何も知らないんだ…」


「聞かなきゃ知ることは出来ないのは当然だよ?私は潔くんのことが知りたかったから聞いて教えてもらったんだ」


 私は自分から知ろうとしなかった。聞こうとしなかった。だから潔も、お母さんも、(ゆう)ちゃんも何も話してくれないんだ。


「潔くん、以前《告白恐怖症》なんて言ってたけど最近は少しずつ克服しようと頑張ってるんだって。なんで《告白恐怖症》になっちゃったのか教えてくれなかったけどね。それで、あの大量のラブレターも少しずつ返事を返してるらしいよ」


 私が潔のこと自慢して歩いたからあんなふうになったのに…潔は潔なりに頑張ってるんだ…


「私、謝ってくる!」


「うん、いってらっしゃい!」


 愛ちゃんは何も聞かずに笑顔で送り出してくれた。たぶん気付いてたんだ。愛ちゃん、都合が良くてごめんなさい。持つべきものは友ってようやく気づいたよ。



作者はメインヒロインがあまり好きでは…あっ、なんでもないです。


次話は12時投稿予定です。

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