9話 何をするにしろ遺書は必要なのかもしれん
まずは1人目…!金髪ロンゲ男!
「おりゃあ!」
脇がガラ空きなんだよ…!腹に1発グーパン!
「ぐふっ…」
次!俺の服より目立つであろう全色メッシュのヘアカラー男!
「てんめぇぇぇ!!!」
とりあえずうるさい!足をひっかけて転ばす!
「どわぁ!」
うわ。軽く足をかけただけなのに顔面を思いっきりぶつけたみたいだ…南無南無…
そして最後!語尾が☆とアルファベットでアクセントが強くなりがちなThe・チャラ男!
「うわあああ!俺は何もしてないのに!」
コイツはキャラを忘れたのか?
「一緒にいるだけで同罪だ!おらぁ!!」
と、顔面に蹴りを入れた。コイツだけはとても感情的になってしまった。すまん。
そして、キャラを戻し後ろを振り返って
「おい、嬢ちゃん達」
「は、はい」
「怪我ねぇか」
「ないです…」
どうやら大事はなかったようだ…が、2人とも手首を摩っているようだ。なるほど、強く掴まれた時にバカの手の跡が残ってしまったようだ。この件がトラウマになって彼女らの将来に禍根を残してしまってはいけない。
何か手はないか…と周辺を見回すとスポーツショップがあった。
「ちょっと待ってろ、そこから動くんじゃねぇぞ!」
「は、はいぃ…」
~数分後~
「待たせて悪かったな」
「いえ、大丈夫です…」
明らかに大丈夫じゃないが…強く言いすぎただろうか。でもド派手なキャラを作らないと同級生であることがバレてしまうからやむを得ないのだ。
「2人とも、手を出せ」
「え…」「それは…」
まぁ抵抗があるよな…と軽くため息をつき、時間もないのでなかば無理矢理手を握り
「これは…」
「リストバンドだ。これで手の跡が隠せるだろ」
「あ…」
「あの…!」
と、お礼を言われそうだったので言葉を遮ってお暇することにした。
「じゃあ、俺はもう行くから。まもなく警察が来ると思うからエアドロップで送った動画を見せておいてくれ」
「あ!ちょっと!」
「もう二度と会うことはないと思うが、気をつけて帰れよ!」
「あぁ、行っちゃった…」と聞こえたが無視して俺は帰路につくことにした。
疚無 潔はラノベを参考にしすぎて厨二病を拗らせています。大目に見てやってください。ラノベ系主人公に憧れるだけあって喧嘩はめちゃくちゃ強いです。でも目立つのは避けたい…そんな感じです。(理由は後の展開で判明します)