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だから、俺は「落ちこぼれ」だ。

主人公の現状です。


ややこしいですが、カードゲームの名称は「魔導書グリモワール」で、そのゲームをプレイする者を「魔導召喚士フォースサモナー」と呼び、「魔導召喚王フォースロード」は、3年に一度王国が主催で開催される大会で優勝者に贈られる尊称です。

 王宮専属魔導召喚士ザナクside


「あの日から、もう12年が経つのか。」


 そう、今から約12年前に、突然世界が閃光に包まれた。

 国王陛下から緊急招集を受けて、集まった者達で議論を交わしたが答えは出なかった。

 幸いな事に、あれ以降に何か問題が発生する事が無かったのだが、私があの時に見た、閃光の中に見えた黒い点はなんだったのだろうか?

 未だに分からないままだ。




 主人公side


 俺の名前は「トーマ」で、もう直ぐ12歳になる。

 実は、12歳の誕生日を迎えると、ある人から贈り物が来る筈だけど、正直期待していない。

 何故なら、俺は地球生まれの日本人だったけど、異世界転生で、この世界で生きる事を決めた。

 その時に貰えた筈の所謂(いわゆる)チートが、完全な形では貰えてないんだよな。

 先ずは、異空間収納は使えるけど、容量が無限から、一辺の長さが5mぐらいの倉庫ぐらいで時間停止も無い。まあ、中身を確認する為のリストの可視化は無事だったけどな。

 次に、スキル「全属性魔法」と「魔力操作」と「魔力制御」なんだけど、確かに全て使えたけど初級魔法までで、「巨大な魔力量」も、普通の平民の魔力量の平均が「100」で、俺は「200」で、冒険者のCランクの平均が「600」だ。

 これでも、異世界転生ラノベに倣って増やしたんだぞ。

 平民の「2倍」なら「巨大」とは言わねぇよな?


 それとな、俺が5歳になって両親に連れられて神殿に行って「魔導召喚士(フォースサモナー)」に成れたけど、優劣の判断材料の「神霊格」が「最弱」だった。


 ……確かに俺も浮かれていて聞かなかったけどな、肝心の「魔導召喚士(フォースサモナー)」に必要な「神霊格」の格が低いんだよ。

 しかも、学園に入学する為の「神霊格」の格が、俺は「E」で、学園に入学する為の最低ラインの格が「B」だ。

 補足すると、最低の格は「G」だ。

 それと、学園の名前は「王立魔導学園」だ。


 この「E」は、一般的には魔導召喚士(フォースサモナー)になれる最低ラインだ。

 冒険者なら「魔力量」で、ある程度の判断がされる。

 何故なら、腕自慢が居ても、それ以上に強いモンスターが幾らでも居るから、最低でも逃げれるだけの「何か」が必要になる。

 それが「魔法」であり、そのエネルギーが「魔力」だからだ。

 同じ理由で、魔導召喚士(フォースサモナー)なら「神霊格」で判断される。


 ……泣いても良いですか?


 因みに、一般的な平民の「神霊格」は「F」な。

 しかも、この世界の常識では、「神霊格」が上がった事例が皆無なんだよな。

 一応は、上がった記録は有るが、神話の「童話」扱いだ。


 それの結果が……


「トーマ! 何ちんたらしていやがる! 仕事はまだ残っているんだぞ!」

「分かっているよ。」


 ……確かに、王都の中堅商人の三男に生まれたけどな、基本的には「神霊格」が「E」だと、周りから「夢を見るのは諦めろ。」と真剣な顔で真面目に言われる。

 そして、この「神霊格」が高いと国から色々と優遇されるから、その「神霊格」が低い俺には、両親からの期待が「0」だ。

 しかも、上の兄2人共が「神霊格」が「A」で、妹ソフィア(10歳)も「神霊格」が「A」だ。


 だから、俺は「落ちこぼれ」だ。

 妹ソフィアが、俺を兄として接してくれるのが唯一の救いだよ。


 ……良いんだ。


 12歳になれば、国の法律で成人扱いになる。

 そうなったら、冒険者になるつもりだ。

 冒険者になるからと言っても、「魔導召喚王(フォースロード)」になる夢は諦めていない!


 この「魔導召喚王(フォースロード)」とは、王国が主催で開催される大会で優勝者に贈られる尊称だ。

 前世でも、強い奴に勝って、頂点に立ちたいという想いがあった。

 だから、今世の人生でもそれは同じだから、俺は「魔導召喚王(フォースロード)」を目指す!


 それに、俺にはランク「5」のモンスターカードが有る。

 これは半年前に、あまりに辛くて神殿に行き、心の中で創造神様への愚痴と苦情を真剣に送っていると、俺に話し掛けた人が現れたんだ。


「どうした?」

「僕、魔導召喚王(フォースロード)になるのが夢なんだ。だけど、お父さんもお母さんも、兄さん達も否定するんだ。」

「そうか。それなら、このモンスターカード『孤高の黒剣士アリア』をやるよ。」

「……え? いいよ。」

「良いから。それに、駆け出しなら充分に頼りになる相棒だぞ。」

「……ありがとう。大切にするよ。」


 そうして、自信と覇気に満ちた目をした俺より少し年上に見える少年は、俺にカードを渡して立ち去った。


 蛇足だけど、精神年齢は兎も角、現在の実年齢が11歳だから、猫を被っている。


 ……そして、俺は12歳を迎えた。


 夜明け前に目が覚めた俺は、異空間収納のリストを確認すると、2枚のモンスターカード「(いん)の鬼神キサラ」と「聖女神オリエ」が有った。


 ……どちらも、ランクが「EX4」だ!?


 説明すると、カードのランクは、「1」から「12」で、次が「EX1」になり、最高が「EX12」になる。

 この事は、創造神様が神託を使って、今や一般常識になっているが、公式情報には、世界最高峰の魔導召喚士(フォースサモナー)の1人が、ランク「9」を1枚所有しているらしい。

 世界には、ランク7までなら、所有者は多数存在するが、ランク8からは、入手の難易度が「桁」が違う程に難しくなっていて、ランク8以上の所有者は僅かしか居ない。


 まあ、実際に見た事は無い上に、前世には「EX」カードや遊○王みたいな、エクストラデッキなんて無かったしな。

 前世での「魔導書グリモワール」の最高ランクが「10」までだったんだよなぁ。


 さて、周りに誰も居ない事を確認して2枚のカードに本人登録の為に魔力を流すと途端に、頭の中に音声が流れた。


 《EXカードの本人登録を確認しました。条件を満たした為、『エクストラデッキ』を解放しました。以降、個人名『トーマ=ルナフィリア』は、エクストラデッキを使用可能になりました。》


 ……はい。


 俺は、頭の中に流れた音声に対して諦観と共に受け入れ、2枚のカードを改めて確認した。


 名称:(いん)の鬼神キサラ

 分類:モンスターカード 種族:鬼神族 性別:女

 ランク:EX4 属性:陰 後衛:不可

 戦闘力:2500


 名称:聖女神オリエ

 分類:モンスターカード 種族:女神族 性別:女

 ランク:EX4 属性:聖 後衛:可能

 戦闘力:1800



 ……んん!?


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


トーマの前世に於いて、「神霊格」とは、使えるカードの上限を決める数値に使う名称です。

前世では、神霊格が1P以上が「G」、200P以上が「F」、400P以上が「E」、600P以上が「D」、800P以上が「C」、1000P以上が「B」、3000P以上が「A」、6000P以上が「S」と、分かれています。

前世では、公式イベントや大会等で、P(ポイント)を稼ぐ事になります。

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