トーマより弱い、と。
何も、日常→バトル→日常→バトル、と、順番に来るとは限らない。
後書きに、報告があります。
レーナとソフィアを見送ってから、1ヶ月が経った。
両方の「学園」も始まった頃に、ガルシアおじさんとロザリスおばさんに挨拶をして、俺はリンと一緒に冒険者ギルドに向かった。
実は、とある女性が待っているからだ。
冒険者ギルドに到着した俺達は、中に入ると酒場の方を探すと居たから近寄る。
「待ったか、エレン。」
「そうでも無いわ、トーマ。」
まあ、オチも無く、待っていたのは、とあるエルフ族の村の次期後継者エレンだ。
そして、エレンも何時でも旅に出れる格好だ。
要するに、俺達とエレンは、一緒に仲間として旅に出て、エレンは見識や経験を深める為、俺は魔導召喚士としての実力を上げる為の修行の旅という訳だ。
確かに、王都に居てもそれなりに強くなれるし、デッキも強化出来るが、それは「井の中の蛙」と変わらない。
だから、レーナやソフィアに会えない間に「世界」に出ようと思ってガルシアおじさんと相談して決めた。
それに、王都よりも世界の方が、やっぱり「ONLY ONE」が手に入り易いのもある。
……因みに、王立魔導学園の学生なら、結構な「レア」も手に入るらしい。
まあ、「魔導召喚士の強さ=国力」と、変わらないからな。
行けない俺には無理な話だから、俺は旅に出る。
それに、最後の手段としては「陰の鬼神キサラ」を使えば、大抵のモンスターには勝てるしな。
そんな考えから俺達は旅に出る事にした。
それに、冒険者としても、俺はCランクに、リンもDランク冒険者になった。
「じゃあ行こうか、エレン。」
「ええ。」
「貴様が、『トーマ』か?」
「……そうだ。」
俺に声を掛けて来たのは、俺と同じぐらいの少年と8歳ぐらいの少女に、護衛の男2人と女1人だ。
……外見の身なりから、こいつら貴族だな。
「このオレ様と戦え。」
「……何故だ?」
「貴様が、強いからだ。」
「理由にならない。」
「ソフィアという女を知っているな。」
「……お前、誰だ?」
貴族としての立場で居ない以上は、これぐらいの口なら大丈夫な筈だ。
「オレ様は、1週間前にソフィアと戦って勝ったが、ギリギリだった。オレ様は、こんな強い女も居るのかと驚き歓喜したが、本人は聞こえていないと思ったみたいだが、オレ様には聞こえた。」
「何を?」
「トーマより弱い、と。」
……ソフィア~。
「そして、オレ様は、貴様を探した。」
「そして、発見して俺と接触した。そして、戦え、と?」
「そうだ。」
しかし、こいつの顔は見覚えが有るんだよなぁ。
「ルシオお兄様、どうしても戦うのですか?」
「当然だ。オレ様は、もっと強くなりたいのだ。」
……ルシオ?
ルシオナル=ゼード=エムティーガ皇太子か!?
……本人なら戦いたい!
でもなぁ……
ソフィア達に迷惑掛かるかもしれないしなぁ。
「トーマ。」
「何、エレン。」
「魔法誓約書、という物か有るぞ。」
エレンから、話を聞くと、この魔法誓約書とは、契約を結ぶと奴隷並みの強制力か有るみたいで、絶対遵守な内容の場合に使われる契約方法らしい。
エレンは、先ほどまでの会話と俺の表情で、察したみたいで、魔法誓約書の事を教えてくれたみたいだ。
「戦っても良い。だが、幾つかの条件が有る。」
「構わない。戦い、オレ様が最強である事を証明する。」
「1つ目は、魔法誓約書だ。」
「……どういう事だ?」
俺は、説明した。
勝敗に関わらず、俺達や俺達の関係者に悪影響を直接的にも、間接的にも与えない事。
俺達の事を秘密にする事。
「そんな事か。構わない。」
そして、俺とルシオナル皇太子と魔法誓約書を交わした。
「次に、舞台は『神庭決闘』で、だ。」
「……良いだろう。余計な邪魔が入らなくて済む。」
「ルシオナル殿……」
「黙れ!」
「失礼しました。」
「俺の見届け人は、この2人だ。」
「オレ様の見届け人は、このディアとクロードだ。」
「ルシオお兄様。」
「はっ!」
そして、俺は、今期の魔導召喚王と戦う事になった。
俺達は、冒険者ギルドの一般用応接室を借りた。
「「サモン、グリモア!」」
「「解錠! 交信! 神域!」」
……観客席が付いている。
俺と皇太子が、時計の3時と9時の位置で、それぞれの見届け人が、0時と6時の位置に居る。
……まさに、闘技場だな。
「準備は良いな?」
「ああ。」
「では、行くぞ!」
「「グランド・フェイズ!」」
先攻後攻を決めて、お互いにグランド・フェイズを進めていったが、やはり、向こうも、デッキからモンスターを選び、シャッフルして、手札のカードを2枚セットして、3枚引いて1枚セットした。
そして、向こうの前衛の中央には、荘厳な扉が現れた。
俺も、炎の鬼女シュナを選び、シャッフルして、4枚を後衛にセットして、5枚引いた。
そして、俺の前衛中央には、荘厳な扉が現れた。
お互いに、命5枚を置き、決闘が開始する。
「オレ様からだ!」
向こうの扉が開いた。
「召喚! ランク4の聖騎士団長ヨハン!」
扉から現れたのは、白銀の鎧を装備した騎士だ。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
ラストバトル。
新作も用意しております。




