閑話~ソフィアの願い「前編」
ソフィアの願いは叶うのか?
私の名前は、ソフィア=ルナフィリアで、年は12歳になりました。
私は、魔導書グリモワールにあまり興味がありませんでした。
ただ、才能というか適性が、長男と次男と、2人の上の兄達と同様だったみたいで、両親からは強く薦められていました。
だけと、私は直ぐ上の兄であるトーマお兄ち……、いえ、トーマを蔑ろにしている両親の事を好きになれませんでした。
私は、ほんの少し前までは、トーマの事を「トーマお兄ちゃん」と呼んでいましたが、ある事実を偶然にも知ってからは、最初の内は心の中でだけ「トーマ」と呼んでいました。
その事実とは、トーマが「養子」だったのです!
後で、「養子」を調べたら、他から子供を引き取り、書類上の子供の事を「養子」というみたいです。
つまり、トーマと私は血の繋がらない兄妹だという事です!
……ああ、この辛くて温かい気持ちを隠さなくて良いんだ!
だから、私はトーマと同じ景色を見たくなって始めました。
トーマが熱中する「魔導書グリモワール」を!
私には、神霊格が高い事も有って、採択の幅か広くてデッキ構築に苦しむ事もなく、トーマの付きっきりの指導のお陰で実力が付いて来ました。
しかし、そうなって来るとレーナは、善き姉であると共にライバルです。
でも、ある日にロザリスおばさんから、「お嫁さんは、2人以上居ても問題無いのよ。」と言われてからは、独占するのではなくて、トーマの「1位の席」を競う仲間になったのです!
それに、トーマに群がる私の知らない悪い虫を、レーナに排除して欲しい。
勿論、私もレーナにお願いされたら、殺るよ。
トーマを守る為だもん。
ただ、私を迎えに来た人が、トーマを悪く言っていたので、本当にちょっとだけ不機嫌な顔を出したら、迎えに来た人が凄く私を怖がっていました。
失礼しちゃう。
でも、それからは、トーマを悪く言わなくなったから、良いかなと思ったの。
そして、王立魔導学園に入学する日が近付いて来たわ。
だから、今日はトーマに私の気持ちを伝える為に、トーマに挑むの!
レーナが、言っていたわ。
自分が思っていた以上に、トーマに自分の気持ちをぶつける事が出来たって。
だから……
「トーマお兄ちゃん!」
「どうした、ソフィア。」
「わ、私と魔導書グリモワールしよう。」
「分かった。」
「そ、それでね。」
「うん。」
「神庭決闘でお願い!」
「アレは、痛みが共有するけど良いのか?」
「うん。」
「……分かった。やろう。」
「ありがとう、トーマお兄ちゃん。」
よ、よし!
頑張るんだから!
「「サモン、グリモア!」」
「「解錠、交信、神域!!」」
凄い!
本当に神々の庭園なんだ!
神様、見ていて!
私、頑張って、トーマに気持ちをぶつけるから!
「行くよ、トーマお兄ちゃん!」
「来い、ソフィア!」
「「グランド・フェイズ!」」
トーマに気持ちを伝える為に受身はダメだから、私は「先攻」を選んだわ。
そして、デッキからモンスターカードのランク4の「アルラウネ」を前衛の中央に置く。
……わあ、綺麗な扉だわ。
ソフィア、ダメよ!
今は、決闘に集中しなくちゃ。
私は、デッキをシャッフルしてデッキの上から4枚引いて、そこから、3枚を後衛にセットして、更に4枚デッキから引いて2枚セットする。
トーマも、デッキからモンスターカード1枚を選んで前衛に置いた後、デッキをシャッフルして上から4枚引いて後衛に4枚全てをセットする。
次に、デッキの上から5枚引いて1枚を後衛にセットしたわ。
その後、お互いにデッキの上から5枚カードを引いて、命に5枚を重ねて裏側のまま置いた。
そして、お互いにレヴォルモンスターの召喚よ!
「ソフィア、準備は良いか?」
「うん。」
行くよ、トーマ!
「召喚! ランク4のアルラウネ!」
「召喚! ランク4の炎の鬼女シュナ!」
……うわ~!
お互いのモンスターが、開いた扉から現れたわ!
それに、モンスターの迫力が凄い!
いよいよ、だわ……
「フ、フォース・フェイズ!」
だ、大丈夫よ。
散々、トーマやレーナと、魔導決闘を繰り返したじゃない。
「レヴォルモンスターの樹女アルラウネで攻撃!」
「俺は無い。」
「私は、自分の前衛の樹女アルラウネの効果を発動するわ。相手モンスター1体の戦闘力を100下げる。また、この効果は『樹女アルラウネ』が場に残る限り、効果は永続する。」
「俺のシュナの戦闘力が110になり、ソフィアのアルラウネの戦闘力が120だ。」
「レヴォルのアルラウネでアタック!」
「ぐっ!」
最初の攻撃は通ったわ!
トーマは、命から墓地に送られるカードを、確認してから墓地に置いたわ。
トーマのカードは、色々な場面で効果が出るから気を付けないといけないわ。
……とりあえずは、命を1つ殺ったわ。
「フィフス・フェイズは、無いわ。終了よ。」
「俺のターン。」
トーマは、手札から2枚のモンスターカード「鬼人」を墓地に置いて、前衛の召喚数を増やしたわ。
トーマが召喚するモンスターは……
「召喚! ランク4の鬼刃のラセツだ!」
……凄い迫力だわ!
ま、負けるもんですか!
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