甘栗しか食べないおじさん
甘栗しか食べないおじさん今日も日課のエア犬の散歩犬を連れずに犬の散歩首輪の付いたリードを引きずり途中神社に立ち寄り神頼み「煩悩の神さま煩悩の神さま空からお金を降らせて下さい」「降るわけないにゃろ」と野良の変ニャー変なニャンコだから略して変ニャー変ニャーはいつもふて腐れた顔をしていて猫のくせに動きが遅い頭や背中を撫でてあげると露骨に迷惑そうな顔をする甘栗しか食べないおじさん賽銭箱に甘栗を一つ投げ込んで変ニャーに甘栗を一つ恵んであげた「これはどうもありがとう!」と甘栗に走り寄ったのは変ニャーではなく白いゴキブリ脱皮したばかりの白いゴキブリ甘栗しか食べないおじさんサンダルでゴキブリを一叩きぺしゃんこになったゴキブリが虫の息で「俺がいったい何をした?」甘栗しか食べないおじさん両手を合わせて「南無阿彌陀仏ナムアミダブツ地獄でも幸せに暮らして下さい」幽霊になったゴキブリが拳を振り上げ「俺がいったい何をした!?」甘栗しか食べないおじさん「気色が悪いんじゃこのボケーッ!お前は存在自体が重罪なんじゃボケーッ!」凄い気迫に思わず納得悟りを開いてゴキブリ成仏「私が悪うございました存在してすみませんでした」甘栗しか食べないおじさん子供の頃からの座右の銘は「自分以外は認めない」甘栗しか食べないおじさん道端の電柱横に立ち止まりエア犬のフンの後始末「これはまた独創的なウンチだわい」甘栗しか食べないおじさんカレー屋からのカレーの匂いを嗅いでエアカレーを食べて舌つづみ「この店のカレーは甘栗よりも美味いわい」甘栗しか食べないおじさん好物はカレーとウナギとオムライスけれども何故か365日朝昼晩決して甘栗しか食べないおじさん今日も甘栗を食べながらエア犬の散歩で町を練り歩く首輪の付いたリードを引きずり犬を連れずに今日も町を練り歩く