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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

家畜から生まれた私は化け物呼ばわりされ酷い扱いを受け続けてきましたが、国の王子様に救われ溺愛されるようになりました(前編、後編)

家畜から生まれた私は化け物呼ばわりされ酷い扱いを受け続けてきましたが、国の王子様に救われ溺愛されるようになりました 前編

初めて短編小説書きます。この作品は前編、後編に分かれています。

「どうぞ、食事です。先に食べていて下さい」


私の前に出されたのは人間が食べれるような食事ではありません。そこら辺に落ちている雑草、葉っぱや小さな虫、細長い巨大な虫が蠢いてお皿の上にいます。


「わ、分かりました。食べておきます」


そう言って私はメイドが立ち去った後、バレないように内緒で窓から葉っぱや雑草、巨大な虫を捨てます。


私は人間なのだから食べれる訳ないのですが、しかしこれには訳があるのです。それは私が人間が飼っている家畜から生まれてきた人間だというのが理由です。


その証拠に私の頭には両角が生えています。気味悪がってかその農家をしている人間が私を育てることを放棄して他のところに預けようとして回ったらしいのです。


(ようや)辿(たど)り着いたのがこのシャルロット一族。生まれてすぐに私はこのシャルロット一族の世話になったのですが、扱いは酷く録に食事も与えられず良くここまで自分が生きてきたなっと自分で感心します。


赤ん坊の時は誰かメイドの方が世話を見ていたというふうに聞いていますが…そのメイドらしき人ももういません。


それはそうと今日は王族の方がこられる日だから、私だけ早いのですね。夜のパーティーの食事はきっと豪華なのでしょう。長女のマリアが羨ましい気持ちです。彼女だけ、豪華な食事をいただけるのでしょうね。


私はと言うと、今までカビの生えた腐った飯に雑草、虫などです。そして私が化け物だからと言って中々お風呂にも入らせて貰えません。部屋をいただいているだけ感謝しろですって。全く扱いが違い過ぎますし、私はマリアと同じ立場にして欲しいのです。


どうして私だけ家畜から生まれてきたからと言った理由で酷い扱い方をされ、人間が食えないような食事を差し出されるのでしょうか? これは虐待だと思います。それに加え身体的暴力もあります。特にマリアには。マリアの素性は恐ろしく私に対して殴る、蹴るは当たり前、そして雑草や葉っぱや虫等を口に無理矢理詰めて入れたりしてくるのです。


しかしこんな恐ろしい女にも関わらず好意を寄せた将来の婚約者がいるらしいのです。カナタ・シェアトという方です。何を考えてあんな恐ろしい女、マリアに好意なんて寄せたのでしょう? 彼は可哀想です。彼女のそんな恐ろしい一面があるなんて全く知らないのですから。まっ私にはあまり関係ないお話です。私には……。


そう言って私は書棚から本を取り出してベッドで本を読みます。古い少し分厚い本でどうやら魔術に関わる本みたいです。意外と私はその本に興味があり読んでいます。どうせ私が化け物なら魔術とか使えるようになってその力を人のためこの世界のために役に立てれるのならそれほど嬉しいことはありません。


ただ私は普通の魔術に興味がある訳ではありません。その本の内容というのが腹の中にいる人間の胎児と腹の中にいる動物の胎児を入れかえる魔術らしいのです。そうです、もしかしたら神的能力を持った何者かが私の誕生に関わっているのではと思い夢中で読んでいるのです。


たくさんある本の中でこの本に出会ったのは奇跡としか言いようがありません。


もし神的能力を持った人物がいるなら私は一度で良いからお会いしたいです。どんな人なのか? そして私の誕生に関わっているなら…それも聞いておきたい。恐らく私の本当の両親もいるのでは? そう思い私は読み終わった本を書棚に直します。


出来ればこの本のことをマリアにばれたくない。本を破られそうだからです。唯一私が楽しみにしている本を破られるのは今まで支えにしてきた大事な物を失うということです。それだけは避けたい、それだけは……。


そう思い私はベッドに横になるといつの間にか自然とぐっすりと眠ってしまいました。


どれくらいの時間がたったのでしょうか? 私が眠っていると何やら扉の外から声がします。


「何を隠している、見せろ!」


その声にびっくりして起き上がってしまいました。その声は若い男性の声です。一体どうしたというのでしょうか?


すると今度はマリアの声がしました。


「カナタ様、この部屋には化け物が住み着いているからこの部屋は見ない方が良いですわよ!」


「俺は王子であり、剣士だ。もし本当に化け物がいるならこの館から退治しないといけないだろ!」


「カナタ様、いけません。カナタ様!」


扉が開きました。するとそこにいたのはシャルロット一族はもちろんのことシェアト王族と見られる方々もいらっしゃるみたいです。扉を開けたのは若い美少年、恐らくこの方がマリアの将来の婚約者のカナタなのでしょうね。それにしても高級な装備を着ています。


すごい美形な青年……私とカナタはじっと見つめあっています。


私は一目惚れしてしまいました。このマリアの婚約者カナタに。


「あれ? 君が化け物? 表札に化け物と貼ってあったからどんな化け物かと思ったら普通の女の子じゃないか? これは一体?」


カナタが私に近づいてじっと顔を見つめています。私の心臓がドキドキしてしまいます。


「何故か知らないが、化け物という割には顔に傷痕がたくさんあるがこれは一体どういうことなんだ? まさかお前達はこの女の子を化け物呼ばわりして身体的暴力をふるっていたということか?」


「違うわよ、コイツが勝手に怪我しただけよ、ねえ、お母様!」


「そ、そうよ。もう良いでしょう。この部屋から早く離れましょう」


「誤魔化すんじゃない! こんなたくさんの傷痕どうしたら自然に怪我出来る? それに痩せ細っている。お前達、録にご飯も与えていなかったな!」


「い、今から食事を与えるところだったのよ、ねえあなた」


「そ、そうだな。だからもう良いじゃないか。行こうカナタ君」


「うん。じゃあこの女の子も一緒に食事会参加だな」


「えっ!」


カナタさんの決定にシャルロット一同驚いてしまいます。


「良いだろう、ダメなのか?」


「カナタ様、これは私達とシェアト王族達の食事会ではありませんか? その女は一切関係ありませんわ」


「そんなことはない。この女の子もシャルロット一族の者ならば一緒に食事会に参加するのが義務のはずだ。さあ行こう」


良いのかしら、私まで参加しちゃって。私を毛嫌いしているシャルロット一族が納得しないはずですし、それに本当は私はシャルロット一族とは一切血が繋がっていない。何かあったりしたらマリアとかに身体的な虐待をされるかも知れません。ここは拒否しておくのが私にとっては賢い選択です。


「わ、私は食事会なんて参加したくありません!」


「そんなこと言わずに来るんだ!」


彼に無理矢理手を引っ張られ部屋から出ることになりました。カナタの予想外の行動に周りのメイドはひそひそと話をしています。シャルロット一族はというと曇った表情で私を見ていました。


「あ、あの…私、シャルロット一族とは血が繋がっておりません。だから食事会に参加する義務もありません」


そんなことを言ってもカナタは黙って私の右腕を掴み歩き続けます。


「私、実は家畜から生まれてきた人間なのです。だから化け物と呼ばれています! 本来は葉っぱや雑草、虫等を食べるべきなのです!」


正直に言いました、私のことを全て。ですが、彼の耳に届いているのかカナタは前に進んで歩いています。すると彼は近くに立っているメイドに聞きました。


「食事会は何処の部屋だ」


「階段を下りて、一番左の扉になります」


「ありがとう…」


彼はメイドにお礼を言って階段を降りて行きます。


「大丈夫、降りれるか?」


「は、はい」


カナタは私に気をつかっているようです。どうして化け物呼ばわりされている私に気を使う必要があるというのでしょうか? カナタはマリアと逆で本当に優しいお方なのですね。


こんなお方が将来のマリアの婚約者だなんて何かすごいもったいない感じだなっと私ながらに思ってしまったのです。


階段を降りきって、左に向かうと確かに豪華そうな扉が見えました。カナタの歩行速度に引っ張られるような感じで向かっていきます。私がこのシャルロットの館に来て一度も入ったことがない扉です。そしてこの扉の前に到着します。


彼が扉を開けると、そこには豪華な料理の数々が……。生まれてからというもののそこには一度も手を付けたことがないような料理ばかりです。よだれが出てきそう……。私が化け物だからという理由でカビの生えた食事、葉っぱや雑草、虫等が入っていた食事とは大違い。私の腹の虫が鳴ります。


「やっぱりお腹空かしていたんだね。ここにいっぱい豪華な食事があるからたくさん食べるんだよ」


カナタは笑顔で私に接すると頭を撫で撫でしました。私は顔が赤くなってしまいます。険しい表情をしたシャルロット一同、カナタの両親と見られる方々も集まってきました。


席に座っていきます。


私、シェアト王族、シャルロット一族共にみんな座っていきます。


カナタの隣には当然マリアが座るべきなのですが、何と私が座ってしまいました。


そしてその隣にはあのマリアがいるのです。


今、私はマリアにすごい目付きで睨まれているのです。


横目で見たら分かります。


その表情に私は物凄い冷や汗を掻いています。


それに私が加わったせいで料理が一つ分足りないのです。

「俺の分、食べて良いからな」


カナタは笑顔で私に言います。


食べて良いって彼は一体どうしてそこまで私に気をつかってくれるのでしょうか?


「あ、あなたは食べなくて良いのですか? 私が召し上がってしまうとあなたの分がなくなってしまうのでは…」


「そうだな、全然召し上がらないのは失礼だからな。じゃあこうしよう」


カナタは私と彼のそれぞれの料理を半分わけにしたのです。


「これで良いか。これなら君も満足だろ。それより名前聞いてなかったね。何て名前なの?」


「わ、私…の名前…ですか?」


カデンってあまり言いたくない。


何故ならあの魔術書の本の筆者の方がカデンっと言う名前の人で私、その人の名前を取って自分の名前をカデンって決めていたのです。


もし名前を言って本の存在を知られてしまい、嫌がらせでマリアに破かれるかも知れないと思ったら化け物と呼ばれていても私は我慢していました。だから彼に言ったのです。ありのままのことを


「私の名前は…化け物です。化け物って呼ばれています」


「そうか、だから表札に化け物って書かれていたんだね。可哀想に。でも例え君がどんな不遇な立場にいようとも最低限の生活や人間的な扱いはされていないといけない」


「でも私は家畜から生まれてきた人間だから…」


「それはさっき聞いた。関係ない。君が家畜から生まれてきたからとかそんなことは一切関係ないことなんだ。人間なら人間らしい生活をするべきなんだ」


彼の言葉に心が動いた私。私は大粒の涙が出てきそうになりました。手をたたく音も聞こえてきます。手を叩いているのはシェアト王族の父上、母上と見られる方々です。


すると突然両手でテーブルを叩く大きな音がしました。マリアです。マリアが私を見て睨み付けています。


「おかしいわ! これは私とカナタ様のパーティーなのにどうしてこんな化け物に邪魔されないといけないの!? まさかカナタ様、あなたはルナリヤ帝国の王子でありながらこんな化け物に好意を抱いているのですか!?」


パーティーをしている部屋全体にマリアの怒鳴り声が響きます。


「好意…人間として当たり前のことを言っているだけだ。何が悪い?」


「では、私以外の人に一切心を開かないでくれますか!? 特にこの化け物には!」


「化け物、化け物ってお前、うるさい奴だな。マリア、君はどうかしてるな」


「どうかしているのはこんな化け物を隣に置いたり、心を開いたりしているカナタ様、あなたの方ですわ!」


「もういい分かった。もう二度と来ない。こんな下らない一族のところには。マリア。君には残念だよ、失望した。俺はもう帰るからな」


彼が席を外そうとした時、私も一緒に腕を捕まれました。


「行こう。こんなところにいては君が可哀想だ。虐待の跡もある。俺達のところできちんと保護してあげるからおいで」


「なっ! 信じられませんわ! こんな化け物を救済しようだなんて! ルナリヤ帝国に傷をつける行為! あなたには王子としての資格がないのですか!?」


「俺は王子としてちゃんと責任を持って行動しているつもりだ。逆にこちらから質問しよう。この女の子の傷痕のことだが、こんなことをしたのはお前か、マリア」


「そうよ、当然じゃないこんな化け物! 死のうが、どうなろうが知ったことではないわ!」


「なら将来の婚約の話はなしだな。別にお前ではないといけない訳ではないからな」


「ねえ、どうしてこんな化け物ばかりに心を開くの!? 今日のあなた、どうかしてますわ! ルナリヤ帝国の王子ならこんな化け物虐げなさいよ!」


「話にならない。とにかく立って。シェアト王族の馬車に乗ってルナリヤ帝国城に帰ろう」


彼の指示で私は席を外します。


部屋を出て扉を閉めたカナタはというとすごい早足でシャルロット館の正門に向かいます。


その早足に引っ張られて私は転けそうになります。


正門に付き扉を開けると白馬が付いている馬車が外にいてその中に私と彼、そしてカナタの父上、母上と見られる方々も一緒に乗り込みました。


馬車が移動すると

「今日はごめんなさい。私のせいで。食事も召し上がることも出来なくて」


「いいえ、気にしないで。これはあなたの責任ではないわ」


カナタの母上が笑顔で言いました。


「そうだな、それに作戦は上手く行ったことだしな」


カナタの父上がそう言ったのです。


えっ…作戦ってどういうことなのでしょう? 気になった私は聞いて見たのです。


「作戦ってどういうことなのですか?」


「実はね、私達シェアト王族がシャルロット一族に近づいたのは君に用があって近づいてきたのだよ。マリア君には悪いがね」


「私に何の用があるのですか?」


「将来君にね、シェアト王族の地位を継いで欲しい」


びっくりしました。まさか私に王族の地位を引き継ぎをさせるなんて…しかもこの馬車の中で。


「どうだ、父上の言う通り王族の地位を引き継いでみないか?」


カナタにも言われてしまったのです。


「で、でも私…さっきまではシャルロット一族にいた人間でしたし。家畜から生まれてきた人間ですよ。この角見たら分かると思いますが」


「大丈夫だ。それさえ分かれば恐らくは間違いないだろう。カナタが5才くらいの時期、私達は二人目を出産したのだが出産したのは人間ではなくて動物だった。信じられなかったよ、最初は神の悪戯(いたずら)なのかとも思った。だが後々の調査でどうやらそのような魔術が実在していることを知った」


「シャルロット館にありました。ある本が…筆者はカデンという方で」


「そうか、私はその幻の本を探し求めていたのだが、まさかシャルロットの館に偶然あったとはね。しかし彼らシャルロット一族は読まなかったのか? その本を」


「読んでいたのはどうやら私だけです。それにどうしてシャルロットの館にその本があったのか私にも全然分かりませんが」


「誰かが置いて行ったのかもね。君に知らせようと思って」


「あのーもしかして私とあなた方は血縁があるということですか?」


「そうだと思いますよ。たまたま私が生んだのが動物だったというだけで、本来ならあなたが私のお腹から誕生しないといけなかったのですから」


「でも私があなた方の子供だとしてもこの角はどう説明したらよろしいのでしょう?」


「亡くなったあの子の意思をついで欲しいということだと思うわ。だからあなたにはちゃんと生きて欲しい」


「うん、だからこそ生きている内に救うことが出来て良かった。相手は君を化け物扱いして虐待していたような奴らだから」


「でも良く私がシャルロットの館にいることが分かりましたね」


「もちろん時間はかかった。捜索するのに。内密で調査隊を使って民家に聞き込みをしたり、それにカナタにも手伝ってもらった。色々な女性の貴族の方とお付き合いさせたり、館を訪問してもらったりとね。そうだ君の名前、どうしようか?」


「筆者の方の名前を取ってカデンはどう? あなたその魔術書の本、興味あるんでしょ? どうかなって思うんだけど」


「はい、ありがとうございます。私、嬉しいです」


「良かったなカナタ。実の妹が出来て。カデン、お兄ちゃんって呼んで良いのだぞ」


「えっ! お兄ちゃんですか? 何か恥ずかしい」


「俺もちょっと恥ずかしいけどな。カデンにお兄ちゃんって呼ばれるなんて」


「わ、私も恥ずかしいです」


恥ずかしいし少し残念な感じもあります。それは私が一目惚れしているのが実のお兄ちゃんで兄妹だから恋愛出来ないのです。兄妹でも父上、母上が私達、兄妹の恋愛を許してくれたら出来るのかな? 何て無理矢理考えました。多分無理だと思いますが。


「カデン、服ボロボロね。ルナリヤ帝国城に着いたら私が来ていたお下がりの服上げるから」


「あ、ありがとうございます。母上」


母上は笑顔で頷きます。


「あ、あの。父上、母上……」


「どうしたのだ、カデン」


お兄ちゃんと恋愛したいと言おうと思いましたが、さすがにこれだけは中々言葉にすることは出来ません。彼にも見られておりますし……やっぱり恥ずかしい。


「お、お腹空いちゃって」


誤魔化そうと思った束の間、本当に腹の虫が鳴きました。


「そうだな、早いとこ。ルナリヤ帝国城に付いて、食事しよう。後、カデンの傷痕も治してやらないといけないしな」


「本当に可哀想。傷口かなり深そうね。実の子供がこんな虐待されていたと思うと心が痛くなるわ」


「なあ、カデン。シャルロット一族からどのような暴力を受けた? 出来るだけ正直に言ってくれ」


「あの…。殴る、蹴る等の暴力だけではなく、私が家畜から生まれてきた人間だからと言って虫や雑草、葉っぱ等を無理矢理食べさせられていました。特にマリアさんには。シャルロット一族は私に対しての扱いは酷く日常の食事は良くて腐ったカビが生えたような物でした」


「ごめんなさい、もっと早くにシャルロットの館にいることを知っていたら救い出すことが出来ていたのに」


カナタの母上が涙を流して泣いています。


「母上、そんなに泣かなくても…」


「カデン、私からも謝っておく。大変申し訳ない気持ちだ。それと同時に私は彼らに怒りすら覚えてしまう」


「俺もだ。あいつら、俺の大事な妹にそんなことをしておいてただじゃ済まさせない!」


「私も同感だ。少しばかり奴らを懲らしめてやらないといけないな。さて、どんな方法で懲らしめてやるか?」


「父上、同じやり方で良いんじゃないか? カデンがされたようなやり方で」


「例えば?」


「食わすんだよ、葉っぱや雑草や虫をあいつら一族に。そうだ、カデンも協力してくれないか?」


「わ、私がですか?」


「うん。証言して欲しい。カデンがシャルロット一族にされたことをシェアト王族のパーティーの時に貴族が揃っている皆の前で」


「そ、そんなこと中々出来ません。私、恥ずかしがり屋ですし、カナタさんみたいにハキハキしているような性格ではないのです」


「そうか。でもな妹であるお前が見つかった以上は貴族のパーティーの時に正直に暴露しないといけない。まーあまり外に漏れないように散々内密にしてきたからな、二人目の子の事は。それにパーティーはちょうど3日後だ…その時に明らかにしようと思う。相当勇気いるけどな」


「でしたら余計に私のことは隠した方が良いのでは?」


「大丈夫、だいたいの貴族の方はご存知のはずだから。だって言ってあるんだもの」


「うん。俺達が信頼している貴族達にはね。そうだカデンに伝えてなかった」


「何をですか?」


「俺、本当の婚約者がいる…」


「えー!!」


衝撃の事実に驚いた私。お兄ちゃんに婚約者がいるなんて…。ショックを受けました。お兄ちゃんに恋愛しているところだったのに。私は泣きそうになってしまいます。


「ど、どうした…カデン」


「だってお兄ちゃんに婚約者がいるなんて思いもよらなかったから」


私はルナリヤ帝国城につく間、ずっとずっとそのことで泣いていました。


後編に続く。

次回後編で完結します。お兄ちゃん(カナタ)とカデンの恋の行方は。シャルロット一族はどのように滅んでいくのか。まあお楽しみに。この物語が気に入ってくれたら作者は大変嬉しい気持ちです。

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