落ちてきたお星さま
寒い夜の日。私はベッドで眠っていました。ですが何かの違和感を感じ起きてしまいました。するとそこにはキラキラ光るお星様がいたのです。私はベッドから飛び起きて窓を開けました。
「本当にお星様だ……」
「君は……私の事が分かるんだね。」
「うん。綺麗だったから。」
「じゃあ君に頼もうかな。」
お星様は何かお願いがあるようなので私は聞いてあげる事にしました。
「僕を空へ返してくれないかい?間違えて落ちてきてしまったんだ。」
「えー、でも私は空は飛べないよ?」
「大丈夫だよ。この街で1番高い所へ連れて行ってくれるだけでいいんだ。そうすれば帰れるから。」
それなら私にもできると思いみんなが寝静まってる家から出て行きました。
夜の街は誰もいませんでした。いつもは沢山の人がいる街なので新鮮に見えました。そうして少し歩くと時計塔が見えてきました。
「ここがこの街で1番高い場所だよ。」
「そうなんだね。じゃあ連れて行ってくれる。」
「えっ?でも、鍵がかかってるよ。」
「大丈夫。今日は開いてるから。」
お星様がそう言うので私はそっと扉を押してみます。するとキーッといつ音を立てて扉が開きました。
そうして私たちは時計塔の中へ入って行きました。長い長い螺旋階段を登って行くと再び扉がありました。そしてまたゆっくりと扉を開くとそこには満天の星空が広がっていました。
「凄い……」
「ありがとう。ここまで連れて来てくれて……お礼に君の願いを叶えてあげよう。」
「えっ?お願いですか?」
急にそんな事を言われても私は何も思いつきませんでした。
「おっと、タイムリミットだ。朝日が昇るよ。」
目一杯の光が私を包み込んでいく感覚……私はその心地よさに気を失うのでした。
次に目覚めた時には私はベッドの上でした。
「夢だったのかな……?」
そう呟くと同時に私は右手に何かを持っている事に気づきました。手を開くとそこには1枚の手紙と星のかけらがありました。
手紙には、こう書かれていました。
『次に会う時までに願い事を考えておいてね。次は夏にくるから。』
「ふふっ。また落ちてくるのかな?」
私は笑いながら呟いて宝物を入れる引き出しへ星のかけらと手紙を直しました。