インターバル(式島校
「レベッカの猛攻に焦ることはないわ。きっちり下がって、きっちり守る。そしてカウンター。ちゃんと練習でやってきたことをやればいいのよ」
「「「はい!」」」
監督の大井美和が激を飛ばし、それに式島校の選手たちは応える。
「頑張ってね」
ドリンクボトルを渡してきたマネージャーのニ子佐奈に、はい、と答え、真希奈はそれを受け取った。
「ビックリした?」
「えっ?」
真希奈は、姫子の声に振り返る。
「ええ、まぁ」
「そうね。こんなにすごい人たちはそうそういないわ。初めての試合が、そんな相手だとビックリするわよね」
「そうですね」
「でも、私は負けてないと思ってるわよ、あなたは」
「そうですか?」
「あなたなら負けない。そう思ったから、あなたをFWにして、こんな布陣にしたわけだし、実際第一クォーター終わってみて、十分やれていると思うわ」
「はい」
「落ち着いてやれば大丈夫よ。それに、後ろには私がいるから」
審判の笛の音に呼ばれ、姫子はフィールドへ戻っていく。
結局、ドリンクを飲んでないことに気づき、一気に口に流し込むと、それを佐奈に渡し、ボトルを持ったせいで濡れた手を、ユニフォームで拭った。