1Q-4
宙を舞った真希奈の身体は、そのまま頭から水面へと落ちる。
イザベラは、そんな真希奈の手を掴み、引き上げた。
「なんだい、今の?」
「すみません。自分でも、咄嗟のことで。アハハハハッ」
イザベラの驚きの声に、真希奈は笑いながら返す。
「ハッハッハッ! なんだいありゃ。サーカスかい?」
姫子が横を見ると、レベッカが笑いながら近づいてきていた。
「転びそうになった時、ホバーブーツの水反発を利用して、水しぶきを蹴ったのか。あとは、ダッシュから急制動時の重心移動か。並みのバランスセンスじゃ無理だろ」
「そう。センスはいいんだけど。危なっかしくて。でも面白い子よ」
「あぁ、違いない。面白い奴、あんただけじゃなくて嬉しいよ」
姫子は、レベッカとの短い会話をすると、真希奈の下へと向かった。
「マキ、大丈夫なの?」
「あはは、先輩。転んじゃいました。でも、なんとか1点取りましたよ」
「そう。でも、怪我したら元も子もないんだから気をつけてよ。うちは交代もいないんだから」
「はい。すみません」
姫子はそう言うと、次のドローへと向かう。
エンプラ校ボールから、いつもの流れでレベッカのシュートが外れて、第1クォーターが終了した。