あらすじ
20XX年
各国は、海洋調査に本格的に乗り出した。
大陸からかなり離れた場所に、海洋研究の前線基地とも言われる研究所を作る。
さらに研究者の住居、ショッピングモールなどが作られ、彼らの子供たちが通う学校も作られた。
海上特区式島市立式島学園
その高等部には少し変わった部活があった。
水上を歩くことができるブーツが開発され、それにより様々なスポーツが生まれる。
そのブーツを履いて、水上を駆ける短距離走。
フィギュアスケートのようなダンスショーも生まれた。
その中でも注目を集めたのが、水上ラクロス、アクロスだった。
アクロスは、最近生まれたばかりのスポーツのため、高校の部活として採用している学校があまりない。
そこで、各校との年に一度の交流戦での勝利を目指し練習することが、主な活動内容となっていた。
今年の春に入部した稲菊真希奈の初めての試合の相手は、強豪、アメリカはフロートアイランド市のエンタープライズ校であった。
式島市内に作られた、水上競技会場には、この試合を見ようと大勢の観客が駆けつけていた。
お祭り騒ぎのように盛り上がっている会場に、初めての試合ということもあって緊張する真希奈だったが、己を奮い立たせ、試合へと赴いた。