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ペットの犬  作者: ナオ
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 犬の買い取り、事の発端は諜報部による各星々の生態系の調査、並びに文化レベル。

この星で犬と言う、ほかの星々では見られない希少な生物がいる事が確認された。

文化レベルもわたくし達に比べると見劣りするがまずまずの及第点であった。

中でも他の地域を上回る文化圏を考慮した。

まずはここから買い取りを行い他の地域に広めようとする魂胆だ。

後は希少生物の確保、現地住民との交渉、ほかの星々に対する売り買いの道筋。

それらの調査が行われた。


ひとまずの隠れ蓑として採用されたのがサーカス団。

ここに新たなるスターの誕生、後は現地マスメディアに対するこちらの評価を上げ発言力を増す作戦であった。

後は追って良さそうな飼い犬の調査等も同時進行された。


『サーカス団による、犬の言い値での買い取りします。』


これに対し現地住民は即座に反応を見せた。

買い取り希望者と反対する者。

噂が噂を呼び、買い取り希望者が殺到している。

後に反対派の者達も応じる様になってきた。


反対派が大事に持っていても賛成派が犬の略奪等して、


『売り払ったほうがましだ。』


という論調が出来つつあった。


以前よりマークしていた飼い犬も、飼い主が不在の内に現地住民をたきつけてもらい受けていた。

その為、『さっさと売らなきゃ損。持っているだけ精神的疲労が溜まっていくだけ。』

という話だ。



思いのほか現地住民はお金に執着するらしい。

お金に執着するのはどこでも同じというわけである。

中には愛犬家と呼ばれる人々に対する略奪、買い取り列での力ある者が弱者にたいしての奪取。


さらにこちらの発言力が増していくにしたがって甘い蜜に群がってくる者達。

見てるこちらもへきえきするくらいであった。


なんにせよ、転売するだけで儲ける事が出来る。

そのような事になれば混乱する事もうなずける。

まさに現地住民にとってはまさにお祭り状態であり、いかに他者を出し抜くかに奔走していた。

それはたきつけたこちら側が引くくらいの惨状であった。


サーカス団に並ぶ人々の怒声、大事な犬を犬を奪われた者達の悲哀等入り混じっていた。




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