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今日も続々と犬を連れてきては値段交渉する現地住民が行列をなしている。
皆、いかに高値で売りさばこうとやっきになっているのは表情で確認できた。
いかに言い値で引き取るとは言え限度がある。
中には法外な値段を提示しては悦に入る者もいた。
まあ、有頂天になるのもうなずける。
一応は言い値で引き取りをしていたのだから。
だがこの星特有の種類であり他の星々に売ればより儲ける事が出来た。
いわゆる我々は現地調達員であり珍しいとされる星々で売りさばいている。
ここでの言い値よりもさらに高く。
中には犬という種類がない星もあり愛玩犬等、物珍しさから買い取り者が殺到している。
表向きこの星ではサーカス団に入団させて選ばれたものはTV、雑誌等に出演させている。
そして、犬の値段も高騰してるらしくおいそれと現地住民は入手しずらくなっているらしい。
聞く所によると、オークションで入手したり、いまだこの買い取りを知らない人からただで譲り受けて、ここで高値で売りさばき儲けている者達がいるらしい。
まあ、我々も同じ様なもんだが・・・。
なにせ各星々にとっては珍しい種類の生き物。
興味を持った顧客がこぞって入手をせがむものだから順番待ちが発生している。
こちらは全宇宙に対応している。
が、いかんせんこの星特有の生き物らしく他の星ではめったに見ないらしい。
供給が需要に全く追いついていないのだ。
また優れた才能を持つ犬達は各現地メディアで活躍している。
視聴率なる物や購買数に直結するらしくこちらの発言力が増している。
まさにこの星の犬の価値を見抜いた者に感謝したい気分だ。
サーカス団を隠れ蓑にし、転売する。
現地住民もしている事らしいが我々もしている事は同じ。
どちらも儲かる良い手段である。
まあ、聞く所によれば愛犬家と呼ばれ、たくさんの犬を所有していた人達は災難らしいがこちらの知ったこっちゃない。
中には個人保有していた人もいたらしいが現地住民によりどうにかされてるらしい。
あくまで現地民に聞いた話によればだが。
我々も調査し、良さそうな犬の奪取。いや言葉が過ぎる・・・もらい受けをしている。
飼い主のいないうちにもらい受けているのだ。
まあ、微々たるお金は一応礼儀として置いているのだが・・・。
飼い主が納得しようがしまいがこちらには関係ない。
売り上げの結果がすべてだからだ。
人気の有る種類には少し色は付けているがもはや誤差の範囲だ。
今日も犬の言い値でのバイヤーが来た。
「こちらの犬買い取って欲しいのだけど。」
「はいはい、どうぞ。」
そうしていつもの作業を繰り返していった。
いよいよ黒幕の登場になります。
はたして主人公のペット、「ペッケン」はどうなっているのか?
今後をお待ちください。




