『命のワ』
「ごちそうさまでした」
マホウがそういうと 白い笑顔が屋根を突き抜け フワフワと 幸せを膨らまし 空の上へ飛んでった。
その日の夜の月のクレーターが1つなくなっていて 昼と比べたような そんな夜の暗さを思わせないほどにこうこうと 太陽と同じ灯りで照らしていた。
「特に大した日々ではない。」昨日の夜 君と行った赤提灯の店で 隣の席にいる誰かも知らない人の機嫌を伺って言った事を 少し後悔しているところだ。そう言えばあの人は 僕にとって良い人ではないような気も 今思えばしないでもない。
そして今 こうやって後悔している事を後悔している。もうやめよう。
また1つ月のクレーターが偶然消えた。僕は「凄い!二回目だ!」と本当は思ったのだ。