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第4章 2011年10月 チャレンジレース 第107話

第107話【宮本 健】


「ねえ、輪太郎、私もロードバイクで走れるかな。あのね、私、ほんとに感動したの」

「へ? 晴美、何を言ってんの」

「だから、私がロードバイクに乗ってレースに出るのよ。輪太郎はもうロードバイクは卒業なんでしょ。だから、これから私が乗るのよ」

「バカ言ってんじゃねえよ。まだ卒業じゃねえ。ツールドおきなわが残ってんだよ。チャレンジレースで負けてそのままって訳にいくか。ムサシ、勝ち逃げは許さねえ。沖縄行くぞ。沖縄で勝負だ。ムサシの分はエントリーしてあるからな」


「おきなわ? 僕も出ることになってるの。聞いてない」

「そりゃ聞いてないだろ、俺が勝手にエントリーしておいてやったんだから」

 僕は唖然とした。輪太郎らしいな。また輪太郎と走れる。そして、それが一緒に走る最後になるだろう。そういや、スタート前の約束を思い出した。


「輪太郎、お握りと卵焼きとサンドイッチは僕が食べるから。コーラもよろしく」

「なんだよ、憶えてたんか。沖縄でおぼえてろよ」

「そうね。私達も沖縄行きたいね。そしたらまた私達も応援するね」

「律ちゃん、それすごく素敵ね。楽しそう。輪太郎、今度こそ勝ちなさい」

「バイトして旅行代ためなくちゃ」

「そうね、それに今日のムサシ君の祝勝会もやりましょう。輪太郎は残念会だけどね」

 祝勝会か。楽しみだな。おきなわも楽しみだけど、その前に祝勝会は良いな。

 輪太郎の残念がるところも楽しみだ。あ、あまり調子に乗ると、晴ちゃんと晴ちゃんのお父さんに悪いかな。


 楽しそうに祝勝会やおきなわの話題で盛り上がっている律ちゃん達の笑顔に僕はまた感動した。

 沖縄のレースがどんなのか分からないけど、4人で行く沖縄は最高に楽しそうだったし、今日の祝勝会も楽しみだ。最高の気分だった。


第108話に続く


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