表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/109

第4章 2011年10月 チャレンジレース 第100話

第100話【山口輪太郎】


 下りの間は、ペダルを思い切り踏み込むことなく、そんなことを考えていた。現実的な話で考えれば、ムサシは先頭集団に復帰できないだろう。俺が下がって、一緒に追走を仕掛けるという選択肢も一瞬考えたけど、俺だって勝たなくちゃならないんだよ。ムサシと2人で逃げ切るという作戦はもうダメだろう。それがダメなら最後はゴールスプリントで俺が勝つ。


 先頭集団の7人は先頭の4人でローテーションしている感じだ。後ろの3人はローテーションに入らないなら鶴カンの登りでチギってしまいたい。しばらくは後続集団に追いつかれない程度に回していくしかないな。


 萩の道の登りに入ると、ペースが落ちる。ここでムサシだったらアタックしたに間違いないなと俺は苦笑した。平日の朝練ではムサシが登りの度にアタックを繰り返していて、それに張り合っていた練習をしていたせいか、今の俺は短い登りなら苦手に感じない。それどころか、ウズウズしてしまうくらいだ。ただ、今の展開では俺の脚を使うのはここじゃない。最後のゴールスプリントで確実に先頭を取る。


 先頭に出てもペースは上げない。勝つための義務を果たすだけだ。先頭に出なかったら、最後にゴールスプリントで勝負する資格はない。萩の道の登り下りをこなしてから、ちょっと先頭を引いてから後ろに下がった。相変わらず後ろの3人はローテーションに入るつもりはないらしい。まあ、そこまでの脚しかなかった訳だ。鶴カンの登りでチギれるな。


第101話に続く


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ